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杳かなる(はるかなる)
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『杳かなる(はるかなる)』に投稿された感想・評価

ALS当事者の女性と、同じ病の先行者たる男性との対話(病状が進行し声を失い、意思疎通も困難な男性はアクリル板のひらがなを視線と瞬きで指し示すことで対話するのだけれど)をカメラが寄り添いつつ追いかける。

途中、女性は一旦被写体になることを拒否する。
そしてもう一人の当事者との出会い。

一年を経て再びカメラの前に戻る女性。
音としての言葉、それを失った後にカメラはどんな言葉を聴き取るのか。
静かだけれど強い意志を持った「発言」と「聴取」のコミュニケーション。
とても映画らしい映画でした。
3.7
死に至る難病ALSの患者さんを追ったドキュメンタリー。
病が進行し全身へ麻痺が至るとようやく視線によってのみコミュニケーションがとれる、そこまで至っても障がい者への社会活動など止めない、あくまでも人間らしく生きようとする姿には、本当に人としての強さを感じた。
もし自分が彼らと同じ境遇になったら、と思うと恥じ入るばかりではあるが、ふと自分はたまたま重い障がいを持っていないだけで、いずれ訪れる終焉は同じではないのか、彼らと自分を別つものは実はそれほど隔たりのあるものでは無いのではと思い至りった。
そんなことを教えてくれたとても貴重なドキュメンタリーだった。
5.0
難病ALS患者と、その介助者たちを記録したドキュメンタリー映画。

中心になるのは撮影開始時点ではまだ軽症だった佐藤さんと、先輩患者であり師でもある岡部さん。

言葉を失い、他人に語られ利用される事を恐れ、自ら情報発信を続ける佐藤さん。

先に待ち受けるのは、人工呼吸器をつけて生きるか、付けずに死ぬかという究極の選択。よぎる自死への思い。

TLS (Totally Locked-in Syndrome) - 完全閉じ込め症候群、すべての筋肉が動かなくなり意思疎通ができなくなった患者さんと根気よく会話を試みる介助者たち。

もう透明文字盤は使えない。声による1文字1文字のバイナリーサーチ。
「わからない」とあきらめてしまうのは簡単。それでも「嬉しさを集めて毎日を過ごしている」とはある介助者の言。

時おり挿入される機械音は人工呼吸器のそれか。「わたしはグズは嫌いです」と叱咤して先立つ先輩患者。

語られるのは全て当事者たちの、理性的だが優しい本音。感動ポルノとは無縁の、勇気だけでなく笑顔ももらえる傑作ドキュメンタリーと思う。

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