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Pillion(原題)
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『Pillion(原題)』に投稿された感想・評価

わたしの心に棲む左翼は、あのトキシックな男性性に制裁を加えよ、この話をヘテロセクシュアルに置き換えたら成立しないはずだ、などとしきりに通り一辺倒の倫理を振り翳してきたが、黒光りするバイクとともに忽然と姿を消したアレクサンダー・スカルスガルドのように、映画は華麗に身を躱していった。ひとの欲望は無限の様態があって、それを知ったかぶって狭いハコに押しこめようとしてはならない。いまとなってはもはや右翼よりもなお左翼が肝に銘じなければならない命題である。映画は人の欲望の千差万別を眼差すためのメディアだという基本のキ。そのいみでこれはポスト・LGBTQ+の映画で、たいへん好感をもった。
 キャスティングが芯を喰っている。映画の態度になぞらってあえて言うけど、どう見てもマゾのハリー・メリング。どう見てもサドのアレクサンダー・スカルスガルド(あのオヤジからどうしてこれが産まれるのか)。BDSMの映画を撮るにあたって、もうこの二人をおなじ画面に並べられるというだけで勝利は確約されたようなものであるが、映画はそこに安住せず、本当にホンをよく練り込んでいる。時間の省略がどれも華麗で、何を描くべきで、何を飛ばすべきかという取捨選択が適確。スカルスガルドのもつ心の空虚をアパートの伽藍堂に仮託したショットも見事だとおもった。世界がどうなろうともレイモンドはあのようにしか生きていけない。コリンよりもずっと臆病で、他人と向きあうことを恐れた人間なのだということが、レイ消失後の終盤にわかってくる。コリン自身がそう気づき、前を向いて生きていく活力をもっていた結末がすばらしい。
jen
4.0
ただの変態な映画だと思ったら想像以上にしっかりしていて喰らってしまった。
性的に過激な部分が多くて見る人を相当選ぶとは思うけど、ラストシーンは素晴らしかった。Rayは結局のところ1番弱い人間で、傷つけられることを恐れてる。だからこそああいう性癖の中に隠れてるんだと思う。
自分も含めゲイは全体的に回避型の割合が多い気がする。理由をもっと知りたいと思った
監督のQ&Aつき上映にて

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