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開戦前夜
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開戦前夜の作品紹介

開戦前夜のあらすじ

与えられた任務は、内閣総理大臣の直轄機関「総力戦研究所」で≪模擬内閣≫を結成して日米開戦の行く末をシミュレーションし、東條英機ら≪本物の内閣≫に報告すること。宇治田を始めとする若きトップエリートたちは、国家機密データを駆使した熾烈な議論の末、一つの結論に辿り着く。「日本、必敗」――。 導き出された冷徹な「正解」を前に、彼らの理性は「戦争を止めるべきだ」と叫ぶ。そして迎えた、《本物の内閣》への報告会。命をかけた「シミュレーション」の末に、彼らが目にした残酷な結末。これは戦時中の悲劇ではない。今なお我々に突きつけられる社会の闇である。

開戦前夜の監督

石井裕也

原題
公式サイト
https://kaisenzenya.com/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
138分
ジャンル
ドラマ戦争歴史
配給会社
東京テアトル

『開戦前夜』に投稿された感想・評価

ぶみ
4.0
いったい我々は、何に呑み込まれたのか。

猪瀬直樹が上梓した『昭和16年夏の敗戦』を原案として作られたNHKドラマ『シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜』のドラマパートに追加シーンを加えた石井裕也監督、脚本、池松壮亮主演によるドラマ。
太平洋戦争の前に、内閣総理大臣直轄で組織された「総力戦研究所」の様子を描く。
2025年8月に放送されたドラマ版は未鑑賞。
主人公となる産業組合中央金庫調査課長の宇治田洋一を池松、洋一の妹を二階堂ふみ、同盟通信社政治部記者の樺島茂雄を仲野太賀が演じているほか、岩田剛典、中村蒼、三浦貴大、杉田雷麟、別所哲也、北村有起哉、嶋田久作、松田龍平、奥田瑛二、 國村隼、佐藤隆太、中野英雄、江口洋介、佐藤浩市等が登場と、日本を代表するような錚々たるメンバーが集結。
物語は、時計の秒針の音が静かに鳴っている中、中国とは戦争状態である旨のキャプションが入り、兵士が街中を行進しているモノクロ映像が映し出されるため、気分は一気に太平洋戦争開戦前の1941年にタイムスリップ。
次には、何やら返済計画の結果を語る池松演じる宇治田が登場、彼は産業組合中央金庫(現在の農林中央金庫)で農村の債務整理を担当している職員なのだが、そんな彼の元に二人の男が訪ね、総理大臣からの手紙を渡されるというシークエンスでスタート。
以降、同じように、官、民、軍等から垣根を超えて総理直轄で集められた人々の組織「総力戦研究所」の会議の様子を中心として展開、同研究所は、日米開戦のシミュレーションをし、その結果を内閣に報告するために設置された組織で、今ならばシンクタンク集団であるコンサルタント業者のようなもの。
そんな研究所の存在は、恥ずかしながら今まで知らなかったのだが、面白いのは、そのやり方で、模擬内閣を結成し、各方面から機密データを集めて、様々な数字を弾き出していくという手法は、なかなか興味深かった次第。
何より、研究所が組織された際、所長から自由闊達な議論をして欲しいと告げられた時に、メンバーが色めき立ったのは、裏を返せば、自由な議論が認められていなかったことであり、いかに息苦しい時代だったのか感じられたところ。
クルマ好きの視点からすると、政府のクルマとして登場していたのが、日産・70型乗用車と思しきモデルで、しっかりと走行していたのは見逃せないポイント。
本作品に登場するキャラクターを巡って、何やら場外乱闘騒ぎがあるようだが、それはさておき、あの時日本でなにが起きていたのか、そして、どのようにして戦争が始まっていくのかを、冒頭に書いたような錚々たる俳優陣の演技合戦と会話劇により追体験できる貴重な機会であったとともに、結論ありきの中、第三者を入れた会議体を設け、いかにも議論をしました感を出すためのアリバイ作りをするやり方は、いつの時代も変わらないものであるのに加え、近衛文麿を演じた北村が登場した時には、彼が昭和天皇かと勘違いしてしまった良作。

軍服を作ったから、戦争をするんですか。
この映画は、若きエリート達の物語。
時代は、昭和16年夏。太平洋戦争開戦のわずか4ヶ月前、内閣総理大臣直轄の極秘機関、
「総力戦研究所」に全国から優秀な若き精鋭たちが集められた。
彼らに与えられた極秘任務は、日米開戦した場合の日本の勝敗を、データ分析によってシミュレーションすること。
( ー`дー´)キリッ

研究所の研究生となった宇治田らは、膨大な統計や資源データを持ち寄り、戦争のあらゆる側面を可視化しようと試みる。
情熱を燃やし、真実に近づこうと議論を重ねるが、冷徹なデータ分析がはじき出したのは、
「日本必敗」という衝撃的な予測結果で、、、というお話。

​石井裕也監督が描いた今作は、太平洋戦争へと突き進む日本の決定的な瞬間を、
国家中枢の密室劇として切り取ろうとした野心作だった。
しかし、歴史の重圧に挑んだものの、演出上の不全とメッセージの浅薄さによって、
映画としての強度を著しく欠く結果となり、大して面白くなかった(笑)
工エエェェ(´д`)ェェエエ工

​今作において唯一の救いとも言えるのが、役者の演技。
特に近衛文麿を演じた北村有起哉は、貴族的な優柔不断さと、
自らの手で抑止できない事態への絶望を見事に表現していた。
やる気のない無責任さがハマっていた。
また、昭和天皇を演じた松田龍平の、静けさと内に秘めた凄みは、
凡庸な議論が繰り広げられる画面において、決定的な緊張感をもたらしていた。

​「戦争するしかない」という正論を超えた理不尽な「空気」が、
どのように組織や国家を呑み込んでいくかというテーマ設定そのものは今日的であり、
その閉塞感を描こうとした意図自体は良かったと思う。
ただ、見せ方が異様につまらない。日本人の集団心理や同調圧力を描いた作品という事ならば、
先日の「NEW GROUP」の方が、変な映画ではあるものの、よっぽど面白かったし、なるほどと刺さった。
(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

​まず、​国家の命運を分ける議論であるはずなのに、飛び交う言葉にロジックの応酬や知的なスリルが全く感じられず、。
ディベート映画的な劇的知性や面白みが欠落している。
​会話劇としてのテンポも悪いし、​密室劇であるにも関わらず、
カット割りや間の取り方が不自然で、セリフのやり取りが滑らかに噛み合わない。
観客を惹きつけるスピード感や緊迫感が削がれている。

劇場内の現場は、お盆休みの効果もあり、ほぼ満員で注目度も高かったようだが、
エンドロール時の離脱退席がめちゃくちゃ多かった。
つまり、観客は余韻を味わうよりもその場からいち早く離れたかったのだ。
┐(´д`)┌ヤレヤレ
惹きつけられず飽きた人が多かった事の証左である。レビュースコアの高さを鵜呑みにしない方がいいと思う。
高評価をつけた人は、映画をたくさん観て、映画鑑賞に慣れてる人の意見かもしれない。
少なくとも、お盆だから戦争映画でも見るかと、軽い気持ちで観た人の満足度は、そんなに高くないんじゃないかな。

​描かれる官僚や将校らのエリート達が、一概に無能な記号として処理されており、
彼らが抱えていたはずの葛藤や、高度な政治的駆け引きが脱色されている。
なんだか、私の方が頭が良さそうに見えるほどだ(笑)
(-ω☆)キラリ

​「戦争をすれば必敗する」という正論やデータは、確かに多く提示されるものの、
では、どうやって戦争を回避するのかという、実効性のある具体策が何ひとつ出てこないため、
議論が単なる愚痴の言い合いに終始していた。まるで、どっかの国の無能野党みたいな連中だった(笑)
シー(  ˊ罒ˋ ​)b
​説得力のある論理展開ではなく、登場人物の怒鳴り合いや大声に頼った感情演出が多く、
映画としての品格と深みを損ねている。

当時の日本は、戦争をするかしないかではなく、そもそも物理的構造的に、勝てる戦争などできる状態ではなかった。
それは、主人公宇治田も同様の結論をセリフで言っている。
​劇中の指導者たちは、国家の存続よりも自らの省益や地位、世間体を優先する。
今も当時も自己保身で動く人間の愚行は一貫しており、
「一度動き出した空気には逆らえない」という事態が繰り返される。
しかし、映画はその構造を提示するにとどまり、人間心理の深層にまでは踏み込んでいない。
ココが、映画として物足りなく、残念なポイントだった。
(-_-;)

​開戦へと背中を押したのは、密室のエリートだけではない。
「戦争したくてしょうがない世論とマスコミ、そして暴走する若手軍人」という三角形が形成した熱狂だ。
ややステレオタイプな結論だが、間違ってはいない。
( ー`дー´)キリッ

そしてその熱狂を煽り立て、国民の危機感を排外主義へと昇華させた諸悪の根源は、
戦前も戦後も言論を都合よく利用し、扇動し続けた「朝日新聞」をはじめとする、大手メディアの罪責にある。
映画はこの「世論形成におけるメディアの暴力性」を、提示はするが、直視することを避けている。
極論を言えば、この映画を観たあと、

「やっぱ朝日新聞みたいな連中って、今も昔もバカなんだな」
┐(´д`)┌ヤレヤレ

と、観客全員に思わせなきゃいけない(笑)

しかし、NHKが深く関与したドラマの映画化であり、今現在NHKは、
朝日新聞主催の「全国高等学校野球選手権大会」を絶賛放送中なので、
メディアの暴力性をボヤかして提示するに留まり、
朝日新聞のようなバカメディアの批判は直接的には避けられている。
だからこの映画は、何から何まで、生温いのである。
(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

​製作陣は「日本は戦争すべきではなかった」という、安易な反戦メッセージに逃げ込んでいるように見える。
しかし、映画批判的に問わなければならないのは、
「じゃあ戦争を回避していたら日本人は幸せになれたのか?」という点だ。
(゚Д゚)ハァ?

​対米交渉の行き詰まりと資源封鎖の中で、ただ妥協して開戦を回避した場合、
「どこかの国の植民地、あるいは従属国になっただけではないのか?」という、
歴史的リアリズムに対する解答を、製作陣は何一つ用意していない。
戦争って悪だよね〜のポーズだけで終わる、いつもの反戦映画のパターンである。
┐(´д`)┌ヤレヤレ

​今作は、キャストの熱演という光る部分を持ちながらも、
不全な演出と浅薄な歴史観によって、
単なる「無能な昔のエリートたちの失敗談」へと矮小化されてしまった。
国家の危機において「空気」と「メディア」がどのように人間を狂わせるのかという、
本質に迫りきれなかった点において、今作は映画として、極めて不十分な一作と言わざるを得ない。
( ゚Д゚)y─┛~~

追記
高市早苗が終戦の日に靖国神社参拝を回避したらしい。つくづくダセーなと思う。
そんなダサい事するんなら、一年365日毎日参拝して皆勤すればいいだけじゃねえのかな?(笑)
シ━━━ッd(ºεº;)

良かった演者
池松壮亮
北村有起哉
松田龍平
岩田剛典
中村蒼
佐藤浩市
前野朋哉
仲野太賀
Jun潤
3.9
2026.08.12

池松壮亮×仲野太賀×石井裕也監督・脚本。
石井裕也監督好きだというのに、前作『人はなぜラブレターを書くのか』は結局上映期間内に鑑賞できず……。
今作こそは、第二次世界大戦前の“模擬内閣”という題材も面白そうだし前作がむしろ石井監督っぽくなかったというか、こういう方が石井監督節を全開に発揮できるのではないかということで期待値を満々にして鑑賞です。
メインの池松壮亮と仲野太賀といえば、現在放送中の大河ドラマ『豊富兄弟!』にて豊富兄弟を演じている二人。
あちらの主演は仲野太賀ですが今作の主演は池松壮亮ということで、大河の方をもう追えていないのでこちらにて俳優成分を摂取しましょうか。
原案を1983年出版のノンフィクション小説『昭和16年夏の敗戦』とし、2025年8月16日から二夜連続で放送された「NHKスペシャル『シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜』」のドラマパートを元にした完全版。

中国との戦争が始まり、アメリカとの開戦が目前に迫った1941(昭和16)年。
産業組合中央金庫に勤める頭脳明晰な宇治田洋一の元に、政府の役人が訪れる。
軍人とは確執のある宇治田が招かれた場所には、政府、陸海軍、新聞記者と、様々な職種の若き精鋭たちが集められていた。
その場所は「総力戦研究所」と言い、来たるアメリカとの総力戦を想定し、本物の内閣とは別に“模擬内閣”を秘密裏に組閣し、戦争の研究をすることが目的だった。
機密情報も取り扱え、自由な討論が可能なその場所において、若者たちは自らの知見を持ち寄り、様々な角度からアメリカとの総力戦について研究する。
まず議論となったのは経済の問題、経済的にアメリカとの戦闘は可能なのか議論は活発化し、結論を求められた宇治田は、計算上戦争は可能という結論を出す。
自由な討論が可能だと言いながら、反戦の主張を繰り返す者の元には赤札が届き、徐々に模擬内閣内でも開戦に向けた研究が進められていく。
しかし、元々乗り気ではなかった宇治田が総力戦の危険性に気付き、数字を示した上で戦争ができない方向性に内閣を動かしていく。
宇治田たちは、8月末に本物の内閣に対して行われる発表会に向け準備を進めていくが、既に日本国内は開戦に向けて、世間も、軍部も、止まれないところまで来てしまっていた。
宇治田の脳に浮かぶ、開戦した後の悪夢が、現実となっていくー。

ふーーむ、、。
これは予想以上にヤバい作品だったんじゃないかと思います。
戦前戦中を扱ったどの作品にも言えることですが、現代においては絶対にしてはいけないと考えられている戦争を、国全体が一体となって押し進めようとしていた時代が本当にあったんだというのがもう恐ろしいですね。

しかし今作、何度思い返してみても、むしろ思い返せば思い返すほど恐ろしくなる作品で、作中の模擬内閣は戦争はしない方がいい、してはいけない、そもそもできないという結論を出していましたが、今自分たちが生きている世界は戦争が起きてしまった、多くの戦死者を出してしまった後の世界なわけで、今後起きないようにしなくてはならない、起きるかもしれないという現実に抗わなければならないとなっているわけですが、もしも戦争がなかったら、軍部が言うようにアメリカの隷属下に入っていたとしたら、今よりもマシな世界になっていたかもしれないと、言い切れないわけですよね。
彼らの時代よりも少し後を生きているというだけで、彼らが議論している少し先の未来を少し知っているからと、じゃあ戦争がなかったら?という問いに対する回答を、生半可な知識だけでは言えない、言っちゃいけないんだと思います。

主人公の宇治田はアメリカと本当に開戦してしまったらという仮説に対し、数字で立証し、悪夢を見るほどに突きつけられた現実に悩まされたわけですが、それは発表会に出席する東條英機も同じだったというのが、今作の評価の分かれ目な気がします。
今作を宇治田たち歴史の闇に葬り去られかけた模擬内閣の面々を主人公として単に据えたとしたら、序盤に言及されたように東條英機こそ彼らが立ち向かうべき“怪物”だったわけですが、彼もまた“世間の声”という“怪物”に頭を悩まされていたのかもしれない。
戦後教育の賜物が現代の僕たちなのかもしれませんが、そんな僕からすると東條英機はA級戦犯で日本を凄惨な戦争へと向かわせていった張本人だと考えてしまうのですが、それもまた偏った見方で、むしろもっと反戦派の模擬内閣を見せろ!という単なる感想さえ、自分の思想を傾けさせてくるものなのかもしれない。
結局のところ“空気”だとか“根性論”だとか、中身の伴っていない、誰もよく分かっていない何かに突き動かされているだけで、それが歪みに歪んだ時代が存在してしまっていたということなんじゃないかと思いました。

『開戦前夜』とは、日米開戦の直前ということではなく、昨今の世界の情勢はもちろんのこと、“空気”だとか“根性論”だとかの“怪物”が存在する限り、日本は、世界は、常に『開戦前夜』なのではないか、今日が平和でも、明日戦争が起きるかもしれない、そんな今日は、『開戦前夜』、そんなことを考えさせてくる、常に考えなければならないことを念押ししてくる、そんな作品だったと思います。

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