愛より愛へを配信している動画配信サービス

『愛より愛へ』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

愛より愛へ
動画配信は2025年7月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『愛より愛へ』に投稿された感想・評価

4.7
誰だって夢を見てる時に夢だと気づきはしない。
テンポよし歯切れよし科白よし。松竹蒲田・大船調を確立した島津保次郎監督の名作の一つ。
妹・高峰三枝子が兄・佐野周二のアパートを訪ねた際の洞察力表現の描写と言い、映画の中で映画を見せる演出と言い、もう何もかもが秀逸だ。さらにハッピーエンドときている。なんと幸せな気持ちになれる作品だろうか。欠落しているからかもしれないが、日本映画にしては非常にテンポの速い単純明快映画になっている。

さて、帝国劇場へ映画を見に行くシーン。上映されているのは、ベルリンオリンピックの映画『オリンピア』の『民族の祭典』と『美の祭典』を合作編集してあるものだ。1938年には日本に配給されていたことが分かる。一般公開は1940年だが。
上映後の会話が見せ場だ。
「あー、良かったわ!」「なーんだ、あんなつまんないもの」ピアノを弾く藝術肌の妹にはわかるが、売れない原稿を書く作家志望の兄にはこの映画の藝術的良さが分からないのだ。それが表現されているように思う。
煙草を吸おうとする兄に対して「お兄様、お煙草お廊下よ」そして数分後席に帰ってきた兄妹の会話。「今度はきっとおもしろいわよ~」「なんでわかるんだい?」「んー、なんとなくそう思うの」「じゃ、なんとなく見ておこう」妹の兄への肘鉄。「お前悪くなったなー」「はばかりさま」「はばかりはお廊下よ」科白が実に凝っている。

この作品は終始一貫して最高なのだが、明らかにカットされている。15分ごろの高峰三枝子が登場するシーン「おじさま…」と正座でお辞儀する場面で音声が切れ、次のシーンがあまりにも唐突に始まっている…。そこが残念。何故カットされているのか…。

ドラマ性に欠け、藝術的センスに乏しい映画だと批判する人がいるかもしれないが、それは間違いだ。映画は単純明快でいいのだ。
凝った作品ほど疲れるものはない。装飾できらびやかに飾り立て、中身の乏しいもの、藝術性を気取り観客を置いてけぼりにするもの、頭を使わせようとするもの、監督の趣味・嗜好に走っている複雑怪奇な作品…。
それらは「観たい」という欲求を起こさせない。一度観ればもう十分だ。一度観て「結構」と思う映画は概して単純明快ではないのではなかろうか。単純明快な映画こそ惹きつけられ、観るたびごとに新たな発見があるのではなかろうか。
映画はやはり最高の藝術であると共に最良の娯楽なのである。
「一夕の気晴らし、お楽しみ」


2010年のベルリン映画祭で島津保次郎監督の『婚約三羽烏』『浅草の灯』『愛より愛へ』が特別上映された。戦前の日本映画近代化の立役者として敬意を表しての上映だったということらしい。何故、『隣の八重ちゃん』『家族会議』『朱と緑』『兄とその妹』ではなかったのだろうか。全て傑作なので島津保次郎監督の良さはどれを上映しても伝わるとは思うが。
3.0
〖1930年代映画:人間ドラマ:松竹〗
1938年製作で、とある家族を描いたホームドラマ⁉️

2023年1,777本目
仕事もろくに探せない良家の長男佐野周二と同棲相手の女給高杉早苗。親が反対して別れる別れない。佐野の妹お嬢の三枝子さんが仲を取り持つ。ほんとどーーでもいいぬるいハッピーエンドで呆れる。呆れるんだが、佐野周二の口の悪さ、返しの速さ、軽口のセンスが冴えまくっていて会話を聞いているだけでおもしろい。内容なんかまったくないしその会話ですら地味すぎるのについつい最後までみてしまう。大庭先生が脚本なのも意外だけど、役者さんたちの腕の良さが光る。でもほんとどーでもいい話。心中や自殺が多いってカップルが住むアパートが舞台なのもなんか良い。

『愛より愛へ』に似ている作品

秋日和 ニューデジタルリマスター

製作国:

上映時間:

128分

ジャンル:

4.1

あらすじ

日本を代表する巨匠・小津安二郎が母と娘のふれあいを描いた感動の名作――― 麻布の寺で、三輪の七回忌の法要が行われた。三輪の学生時代の友人・間宮、田口、平山の三人が久しぶりに集まる。彼らは三…

>>続きを読む

彼岸花 ニューデジタルリマスター

製作国:

上映時間:

118分

ジャンル:

4.1

あらすじ

娘をもつ頑固な父親の悩みと喜びをしみじみと描いた家族ドラマ。小津安二郎が手がけた初カラー作品。田中絹代、有馬稲子、山本富士子という豪華女優陣の共演が楽しめる。存在感のある父親像を佐分利信が…

>>続きを読む

戸田家の兄妹

製作国:

上映時間:

106分

ジャンル:

配給:

  • 松竹
3.9

あらすじ

父親を失ったブルジョワ一家で、残された妻と未婚の末娘が、結婚している息子や娘たちの家庭に次々に世話になるが、どこでも厄介者扱いされ、仕方なく二人は古ぼけた別荘に住むことになるのだが・・・

母を恋はずや

製作国:

上映時間:

93分

ジャンル:

配給:

  • 松竹
3.4

あらすじ

夫の急死後、女手ひとつで2人の息子を育てあげた千恵子。だが長男の貞夫は大学本科への入学手続きの際、千恵子が本当の母ではないことを知ってしまう。やがて千恵子が弟にばかり打ち解けていると感じた…

>>続きを読む