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危険な女
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目次

危険な女の作品紹介

危険な女のあらすじ

作家の杉本隆吉は、ファンだという美しい女性、芳子と知り合いになる。気をよくした杉本は、日頃から邪険にされていた雑誌社への当てつけと、ただ単純に芳子という女性をもっと知りたいという欲求から、彼女を調べ始めた...。

危険な女の監督

若杉光夫

原題
製作年
1959年
製作国・地域
日本

『危険な女』に投稿された感想・評価

地方紙どころか新聞すら駅では買わない今となっちゃあ、もはや時代劇のカテゴリーだが、何度も映像化されるだけあって、ストーリーは面白い。

しかも短い尺の中に興味深いテクニック満載で、なかなか楽しめる。

作家先生と担当編集女史の凸凹探偵コンビ(というか凹凹コンビ)のやりとりが微笑ましくて、ヤキモチ妬いてプリプリしてる様子が可愛い。「いろいろ分かったけど、先生には教えてあげません」とか。

何より、渡辺美佐子のファム・ファタールっぷりが良いんだけど、今回は目力の中にも哀愁や健気さが感じられて泣かせる。

爺さんじゃない大滝秀治(しかも悪役)も新鮮。声だけは変わらないから、ちょっと笑ろた。この人とモーガン・フリーマンは生まれた時から年寄りだと思ってたし。

あと、「これ、俺の新しいラバーさん」って台詞にも時代を感じた。
tacky
4.0
清張の原作の「地方紙を買う女」は、短編ながらとても面白く、今までも2時間サスペンスで何度もドラマ化されていて、その都度、中々面白かった記憶がある。映像化しやすい題材なのかもしれない。

まさに原作発表して直ぐの映画化なので、この作品が原点かもしれない。
時間にしてわずか55分なのだが、無駄なところが無く、しかも決してはしょったところも無く、ダラダラと長い近年の作品に手本にして欲しい作品だ。

2時間ドラマでは、最初にネタバレして、主人公の女性を追い詰める展開が多いが、この作品は最後の最後まで緊張感に満ていて、しっかり2時間映画を観たような満足感があった。

渡辺美佐子と芦田伸介と高友子が、意外にもクールな演技で、三つ巴の物語を展開する。決して古く無く、とても面白かった。

時間のない時、サクッと観られる‥おススメです。
3.8
NHKラジオの「朗読の世界」で現在、放送中なのが「松本清張 短編作品集」。内藤剛志の朗読で「張込み」「顔」に続き、今は「地方紙を買う女」。原作は未読で、朗読の方もまだ序盤ながら映画化が本作と知り、観てみる。

東中野駅の売店は地方紙も扱っており、そこに毎夜買いに来る一人の美女(渡辺美佐子)。売店のおじさんに連載小説『野盗伝奇』を楽しみに読んでるんだからちゃんと取り置いてと注文をつけるのを偶々、横で聞いたのが芦田伸介演じるその小説の作家本人。自作が若い女性にも人気があると取引先の出版社にアピールすべく、彼女に話を聴くべきと編集長に訴える。

女性編集部員(高友子)が動員されるも、改めて売店で話を聴くと美女は地方紙を買うのを数日前に辞めてしまったとのこと。小説はこれから佳境なのになぜと作家は編集部員に頼み込んで、さらに彼女の身辺を探り始める。そして、彼女が新聞をわざわざ買っていた期間中にある事件の記事と続報が載っていたことに気付く。

作家自らも彼女が女給として勤めるバーへ足を運んで接近し、疑惑を抱えながらも、彼女に惹かれていく。

後に幾度もテレビドラマになっている定評ある短編小説を55分という手頃な尺で映画化。疑惑の女の渡辺美佐子もいいけど、作家に思いを寄せてることを隠さない、出版社を首になったら転がり込んじゃおうかななんて軽口をたたいてくる編集役の高友子もよし。キャストでは若き(といっても計算すると34歳か)大滝秀治が女を食い物にする小悪党で、ぬめっと出演。

公開日時(1959年12月16日)から確認すると野口博志監督、川路民夫主演「昼下りの暴力」の併映作品で、そちらもAmazonプライムで配信中、続けて観れば当時の二本立て再現できますな。

松本清張、さすがに『点と線』ぐらいは読んだけど、自分がなにぶんミステリーは「新本格」を中心に読んでたもので、「社会派」は手に取らず。その代表格のこの作家もあまり接してこなかった。今回の「朗読の世界」を機会に読書も映像化の方も、少し手を出していこうかな。

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