ダウン症の青年と人生に疲れた中年男性のロードムービー。

『レインマン』と骨格が似ていたので印象に残ってます。

割とよくある“自己中のエリートが改心する“ちょっと良いお話にみえました。

ただ、監督・脚本は、あの『トト・ザ・ヒーロー』のジャコ・ヴァン・ドルマルです。

ジャコ・ヴァン・ドルマルらしく、ビターテイストをファンタジックな映像・演出で中和するような作りにしてました。

それは厳しい現実を、ひとまず飲み込んでみる工夫のひとつ。

主演2人もすばらしかったです。

第49回カンヌ国際映画祭で、ダニエル・オートゥイユとパスカル・デュケンヌが主演男優賞を共同受賞してます。


施設で暮らすダウン症の青年ジョルジュ（パスカル・デュケンヌ）は、家族が何年も面会に来ないので、ひどく孤独を感じていた。

そこで、施設を抜け出し、母親に会いに行こうとする。

一方、ビジネスマンのアリー（ダニエル・オートゥイユ）もロンリー状態。

仕事一筋で生きてきたゆえ、妻と娘たちに愛想尽かされ、家を出て行かれている。

ある雨の日、アリーは車で犬を轢いてしまう。

その犬と一緒にいたジョルジュを仕方なく家に連れ帰り、なりゆきで面倒をみることなる。

アリーはジョルジュの事情を聞き、母親のところへ彼を送ってやろうとする。

しかし、母はずいぶん前に亡くなっていた。

ジョルジュはその事実を忘れていた模様（あるいは受け入れられていなかった）。

代わりに2人は姉を訪ねる。

ただ、姉には姉の事情があり、ジョルジュを引き取ることは難しい。

居場所を失ったジョルジュは、アリーのそばにとどまることになるが…


タイトルの由来となった“八日目“って、日本人にはピンとこないところがあります。

原題のLE HUITIEME JOURの意味もそのまま八日目。

「キリスト教の文脈では、創造の七日間の次の八日目は、神による再創造や永遠の命（終末論的な意味）を象徴する特別な日とされている」んですって←AI解説。

7日間で世界を創造した後に、「もし8日目があったらなら神は何を作ったでしょう」というのが今作のテーマだとしたら。

それは、障害やハンディなのか、新しい価値観や新しい可能性なのか。

名古屋にoasisのライヴを観に行った時、昼間 この映画を観たんだった。

味噌煮込みうどんと
変わった作りの三越劇場 懐かしや。


ダニエル・オートィゥユがエリートサラリーマンってのがいまいちピンとこなかったなぁ。


三越劇場にて。
1997年10月15日 47本目。

• #tulpen1997

“神は彼に満足なさった”

「トト・ザ・ヒーロー」や「神様メール」「ミスター・ノーバディ」など忘れられない独特の世界観をみせてくれるジャコ・ヴァン・ドルマル監督。

言わずもがなのダニエル・オートゥイユとダウン症の名優パスカル・デュケンヌ。

仕事一辺倒な男だったはずなのに、ジョルジュに振り回され、どんどん良い人になっていくアリーにちょっと笑ってしまう。エンディング前のミュージカル調シークエンスはやめて欲しかったけど…やっぱこの監督はちょっと変。

同じテーマの「チョコレート・ドーナツ」と同様に悲しすぎるストーリーだけど、後味はまったく違う。この作品もあとあと心に残るんだろうな。

あの1分間、2人とも何を考えてたのかな？

• #xyx_france