見たで。
子供の頃によく見ていた1本が今回TSUTAYAで新作レンタルされて超久しぶりに鑑賞。所々忘れてる所があっただけに然り気無い場面でも「あ~こういう場面あったなあ」って思い出しながら見てたのでより懐かしい気持ちになりました。
見ていた当時は子供だったからか「買い物ブギ」を初めとしたサイケデリックな映像がちょっと怖かった印象が強かったですが大人になった今見返してみたらまるちゃんの絵描きのお姉さんとの出会いと別れを軸にしながら、笑い、泣き、切なさ、優しさ、それら全てをアニメーションだから作れる多種多様な映像と音楽で描いて見せた世界観です。ちびまる子ちゃんっていうコメディドラマ的な作風ではなくてあくまでもさくらももこという小学生の目線からみたほろ苦い成長物語になっていたと思います。特に「めんこい子馬」の歌のエピソードは序盤の楽しげな歌詞のギャップとその裏にある戦争が引き起こす悲しみを強く感じて見ていて涙が出てきました。
最後の絵描きのお姉さんの恋の行方とお姉さんの決断、それに対するまるちゃんがかけた言葉って今の時代の価値観との違いを凄く感じましたね。それこそ下手したらあの手の界隈の人達が散々騒いで炎上しそうな案件だけども。でもほんとに1人の男としての意見を言わせてもらったら自分がお姉さんの恋人の立場ならあの場面であの台詞は言わんかなあって。別にどっちがダメだとか良いとかの話しじゃないんやろうけどあの頃の時代の結婚の価値観ってああいうもんだったんでしょうね。あの下りはさくらももこ先生が込められた夢を追いかける女性へのエールとその夢を捨てざる得なかった女性達の思いであったり人の幸せとはなにか?と言う問いであった気がします。
良くも悪くも昭和の時代らしい背景が滲みでた結末には素直に良かったねとは言い難いけど自分がこれから生きて行く中で出会うだろう様々な人のご縁とそこから与えられるかけがえのない大切な物を大切に生きて行きたいと感じれる作品ではありました。版権問題で長い年月で円盤化されなかった作品ですが1つの芸術の域に達したとも言えるアニメーションだけでも十分に見る価値がある映画です。