母親を殺害した少年は、おのれの過ちから身を引き剥がすようにして、ひたすら自転車で北へと向かった。独自のモチーフと手法が際立つ作品として、あまたある若松監督作品の中でも今なお異彩を放ち続ける一本。若松孝二監督が、2000年に岡山県で起きた17歳の少年による母殺しの事件にインスパイアされ撮り上げた異色ドラマ。撮影当時17歳だった柄本佑の熱演、友川カズキの衝撃的な楽曲の鼓動が、移ろいゆく日本の原風景に反響する。
高知市。四人家族の姿がある。父は傷痍軍人、母は後妻、弟のチビ、少年の家族の“仕事”は走っている車にわざと当たり、示談金を得る当たり屋だった。家族は“仕事”を続けながら北九州から北海道へ旅を…
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>>続きを読む貧乏でもてない19歳の学生、浪人生、工場労働者の男三人組が、アパートの一室で共同生活しながら、底辺にいる自らを蔑み、金持ちや社会、学生運動までも激しく呪いながら、強姦、覗き、ナンパを繰り返…
>>続きを読む全国制覇をたくらむ関西十文字組の策謀に呼応して、各地で暴力団が動き始める。警察の動きも活発になってきた矢先、暴力団取り締まりの中心にいた警部が十文字組の幹部・杉谷に殺された。だが、杉谷はす…
>>続きを読む革命軍「四季協会」の秋グループリーダー・十月は、首都・東京への攻撃を計画。仲間と米軍施設に潜入して武器を強奪するも、多くの死傷者を出し、十月も失明した。この失態から組織内で孤立した彼らは、…
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