思わずジャケ借りしてしまった。

正直全然面白くない。
青春映画がサクセスストーリーばかりではないと改めて気付かせてくれます。この映画に限っては その予兆すらもなく ひたすら底辺を歩くだけの女の子が主人公。。

主人公の女の子のファッションがやたらカッコイイ！！そのまま女子はパクってほしい。８０年代初頭のニューヨークの雰囲気を味わう事ができただけでも良しとします。

音楽も知らないのばっかでしたがカッコよかったです！！

こんな風に正直に生きられるの、ちょっと羨ましい、自分にはない潔さだなあ。なんて思いながら見ていたら、最後にはそれが殆ど嫌いに近い気持ちに転換されてしまった。”人生はクソよ”なんて分かった風のことをいいながらクソな人生に浸かったまま生きると思うとぞっとする。


わたしも厚かましくてガサツな質の人間なので、彼女に通ずる部分が少なからずあるのかも知れないけれど、それにしても最後のほうは目を当てられないくらいひどかったなあ。こういう人近くにいそう！なキャラクターのおかげで苦い気持ちになったり、ともすればわたしみたいに自分に近いところがあって、同族嫌悪になりたくないくらい、願い下げたいくらいなのに、自らに重なってしまう人もいるのかもなあ。


ジャケ借りの一本で、鑑賞前からわたしの中のハードルが上がっていた節があったのは否めないのだけど、それにしても！それにしてもやるせない！彼女のこころにエゴ以外のものを見出せたらよかったのに。(わたしの洞察力がないだけか)なんだか悪口をつらつら書き連ねたみたいになってしまいましたが、音楽とニューウェーヴなファッションを楽しむ映画、一部のだめ人間に激しく警鐘を鳴らす反面教師的映画としてはお勧めです。

愛すべきポンコツ映画。あのリチャード・ヘルが出てます。

間違いなくおもしろい作品ではなくて終始煮え切らないよれよれの不完全燃焼感。けれども物語冒頭にレンが地下鉄で「サングラス」を盗まなければいけなかった理由というか、その「サングラス」をかけないとまともに歩けないし前も向けないし世界が明るすぎて目も開けてられないあの感覚というか、「パンク」なるものに一度でも遭遇したことがある人なら、このおもしろくもなんともない物語を嫌いになる理由は見つからないような気がなんとなくするのです。

自分の顔を印刷した白黒のチラシを配り歩くことも、ポラロイドカメラで何度も行われる自撮り撮影も、他人の顔を描く似顔絵商売も、「サングラス」をかける理由と恐らくは同じなのだと思う。

「世界はクソよ」と呟くいつかの彼らと彼女たちに、「クソだと思っていた世界も案外けっこう素敵なものだよ」と言ってあげたくなりました。