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神阪四郎の犯罪
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『神阪四郎の犯罪』に投稿された感想・評価

LEONkei

LEONkeiの感想・評価

3.5
誰もが自分を守る為に嘘をつき、自分の利益の為に嘘をつく。

嘘を嘘で塗り固め誰にでも愛想を振り撒き、都合よく世渡りをして来た雑誌編集長〝神坂四郎〟が殺人容疑で裁判にかけられる。

人の善意を吸い込み、息を吐くように嘘をつく…。

しかし、本当に嘘をついているのは神坂なのか、或いは神坂に嘘をつかれたと言う証人達なのか裁判で真実が揺れ動く。

中年期の森繁久弥の胡散臭い男の演技は素晴らしく、哀れな男の様にも詐欺師の様にも惑わす姿に感心する..★,
♪ 千切れた羽を欲しがる あの人は羽ばたく
  夢見るアゲハの様に 狂い咲く花園

昭和31年の法廷劇。
神阪四郎は心中偽装殺人を起こしたのか。
それとも巻き込まれた被害者なのか。
…という事件を複数の視点で捉えた物語。

正直なところ、見慣れた題材です。
本作より6年前には『羅生門』が映画化されていますし、それと同系列に括るのは可能です。しかし、それでも面白いのは「真実はいつもひとつ」と限らないから。

いつの時代においても人間は弱いもの。
「真実」という耳触りの良い言葉に寄り添ってしまうのです。

しかし、それは“思考放棄”と同じ。
主体を全面的に委ねることに繋がります。

大切なことは“疑うこと”。
目の前にあるものが本当に実在するのか。その発言に客観性はあるのか。誰かの利益に誘導されているだけではないのか。自分や家族が不幸にならないために“考えることを放棄してはならない”のです。

そして、本作はそれを痛烈に描きました。
しかも、昭和ならではの“魅せる芝居”が切れ味鋭いのです。現代の“自然体の演技”に慣れていると違和感が先立つかもしれませんが…本作のような題材にはピッタリだと思いました。

ただ、一点だけ、拭えなかった違和感。
それは主人公の神阪四郎が“オネエ言葉”っぽくなる場面。あれは昭和30年代だと一般的だったんでしょうか?考えてみれば『ドラえもん』ののび太も「かしら」を連発していましたからね。何が女性言葉なのかと考えるのは詮無きことかもしれません。

また、昭和の話で言えば。
時代の変遷を感じられるのが昔の映画の良いところ。室内の調度品なんかも時代を感じさせてくれるものばかり。とてもセピア色の気持ちになりました。そう言えば、昔は三畳の部屋とか当たり前にあったんですよねえ。

まあ、そんなわけで。
先入観に挑む法廷劇。自分は他人をどのように判断するのか?と問われる物語ですから、古い映画と厭わずに歴史を楽しむような気持ちで臨むことをオススメします。
TnT

TnTの感想・評価

3.2
 どこまで嘘なのか。客観的事実が判明しないので、色々な人物がエゴをぶつけあう。見応えのある演技と二転三転する事実は見飽きないが、少々説教がましい。エンターテイメントであろうとしているが、所々ボロがある。

 音楽、重厚だなと思ったら伊福部昭だった!冒頭は入り込めたんだけど、この重厚さと裏腹に物語は薄味。

 「まさかそれが〜になろうとは」という台詞の臭さ。法廷に子供が入るタイミングもあざとい。観客の意思の誘導がちょっと露骨でいやなところあり。なんか昭和独特の言い回しを味わえて、それはそれで面白かったが。

 演技のコロコロ変わる様は面白いけど観客を突き放していく。真実はどんでん返し的に変化するが、結局どちらが真相かはわからないまま。人間には一貫性欲求があるというのを聞いたことがあるが、ただその欲求を折っただけで、それ以降観客は映画から突き放される結果となった。森繁久弥の怪しい男の演技がハマりすぎて、誠実な男が似合わない。

 エゴイズム。邦画のこうした法廷劇ではエゴイズムは悪として描き続けられているように思う。今作品のエゴによるそれぞれの主張のぶつけ合いは、まんま「羅生門」といってよいだろう。それでいてやはり「羅生門」の二番煎じで止まっている印象。そして、「羅生門」が結局はみんな真実か嘘かはわからなくて、それでも信じてみようじゃないかという希望を残しているのに対し、今作品はエゴイストたちを激しく糾弾する。そこに希望はないし、「みんな嘘ばっかついてる」という台詞で今作品は幕を閉じるのがいやらしい。みんなエゴイストならもっとお互い信じて寛容に生きたいとつくずく思う。また自殺した女、ちよの演技が「羅生門」の京マチ子のそれだった。

  嘘だ真相だという問題は不毛すぎて好きじゃないし、映画という虚構がはたして嘘つきを糾弾できるのかは疑問であった。ラストの神阪の弁明は説教臭く、いかにも真実はこうだと言わんばかりに言っているのが気に入らない。とにかく「こうあれ!」と押し付けがましい説教だった。みんなエゴイストといっておきながら絶対的な正義として神阪を描くことの矛盾。最後に神阪が「なんてね」と微笑んで護送車に乗り込んでいたら、「ジョーカー」並みの傑作になったに違いないだろう。
 
 ラストの弁明を引きで見ると冷める。クレーン撮影が多用されて視覚的に楽しませてくれるが、必然性はないように思えた。あの弁明のシーンで引いたことで、神阪の演説する様のおかしさが際立ってしまったように思える(それは今作品の意図にそぐわないように思える)。

 結局真相はわからない。か・・・(陳腐な片付き方だった・・・)。なんかエゴイストたちを糾弾したくなるのはわかるけれども、あんまりにも愛がないというか、救いがないというか。エゴイストでも悪人でも魅力的に描くスコセッシの作品が好きなので、やっぱり最終的に勧善懲悪で収まってしまうのはもったいないというか、物足りない。なんかこうした薄い倫理観を振りかざされるのは作品としても奥行きを失うし好きになれない。最近見た「レイジング・ブル」も「掏摸(スリ)」も、犯罪を犯してもなお許される愛がある。日本だけなのか、こうした映画に対して「自己責任でしょ」とレビューするのは?「自己責任」の歴史と勧善懲悪的ノリが1950年代から根深く残っていることを知って若干絶望。また、未見だが「それでも僕はやってない」と今作品は同じというレビューを観て、この手の法廷映画のジャンルが根強いことがわかった。だから黒澤の「羅生門」や「天国と地獄」は見応えがあるとも逆説的にわかった。

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上映日:

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