謎の男が夜な夜な人を襲うSFサスペンスホラーで主演は「ローリング・サンダー」のウィリアム・ディベイン。ここ含め映画レビューサイトではとにかく評価が低い今作、どれだけつまらなくてダメな作品か確かめてやろうと観たら期待値が低かったせいもありますが意外な位楽しめました。

謎の男はオレンジ色のレーザー光線を目から出して人を殺す（爆破）するのがメイン。かなり突飛ですがそれもそのはず、当初は浮浪者が人を襲う設定を「エイリアン」が受けたことでそれを無理矢理変えたとの事。メインキャラ達は終盤まで特に危機感を抱かず男を追いかけ謎は謎のままで終始している残念さは有りますが、男が時に柱を砕いて現れたり人間が真っ直ぐ吹っ飛ばされたり首をもぎ取ったら何歩か歩いて倒れたり警官が真横に吹っ飛ばされ爆破等アクションシーンの演出は結構バラエティに富んでいます。他の方のレビューでは画面の暗さも指摘されていますがおそらくVHS版での事で、U-NEXTで配信されてるバージョンでは気になりませんでした。

この時代の作品にありがちな、表現したいものに対し作り手の技術等が追いついてないことで生じるある種のユーモラスな荒唐無稽さが好きというのもありますが自分の感性はどこかおかしいのかもしれません。「地獄のデビル・トラック」とか好きですもん。

「特捜刑事マイアミ・バイス」のフィリップ・マイケル・トーマスもちょっとだけ出演。

ニューヨークのダウンタウンで夜な夜な発生する殺人事件、そしてその犯人はなんと…というすごくすごい単純な事件をすごくすごいわかりにくく描いた作品
画面は暗くてわかりにくいわ、登場人物に魅力もないわ、そして何よりたいして面白くもないものの、このジャケットだけでめちゃくちゃワクワクできるのがすごくすごいです

潰れかかったビデオ屋の投げ売り100円カゴから引っ張り出してきたような作品ばかりを配信しているU-NEXT。玉石混淆、数少ない当たりくじを引くまで見続けるのも大変な作業。で、これは大凶。ゾンビの殺人鬼を『エイリアン』のヒットに便乗して目からビームを放つ宇宙人に無理やり設定変更したのが裏目、とも思ったがその通り撮りきってもおそらくクズ映画はクズ映画のまま。
殺人鬼にゾンビに宇宙人で目からビームのザ・ダークだって、書いてて恥ずかしくなる。もともとはトビー・フーパーが撮る予定だったらしく、その監督ならと引き受けたウィリアム・ディヴェインもついていない（まあそれなりに楽しそうに演じていましたが…）。ディヴェインってリアル猿の惑星みたいな顔してるって見るたびにいつも思う。その殺人鬼ゾンビ宇宙人が男を締め上げて首をちぎり、首無しの男が何歩か歩いてバタリと倒れるくだりを引きの画で撮っていたのだけ良かった。