『ブラッド・シンプル』
原題Blood Simple.
製作年1984年。上映時間99分。

米国南部の田舎町で、酒屋の主人が妻の浮気調査を探偵に依頼したことをきっかけに起こった殺人事件を描いた米国製サスペンス。
ジョエル＆イーサン・コーエン兄弟の製作・監督・脚本デビュー作。
撮影を担当するのは後に『メン・イン・ブラック』等で監督として大成するバリー・ソネンフェルド。
コーエン兄弟は99年にこの作品を再編集して『ブラッド・シンプル／ザ・スリラー』として公開している。

テキサスの田舎町。
闇ん中走る車。
雨にぬれた窓。
対向車 線のヘッドライトが、
時折、アビーとレイの後ろ姿を照らしだす。
レイは、アビーの夫が経営するバーの店員で、二人は惹かれ合ってる。
その罪の意識が情欲をあおり(ありそうやなぁこの煽り)、走る車の光がモーテルでのセックスを浮かびあがらせる。
奥さんの異変に気づいた旦那 (マーティ)は私立探偵を雇った。
探偵が頼まれてもいない浮気の証拠写真をマーティに見せると、彼は込みあげてくる怒りを抑えながら、『古代ギリシャじゃ、悪い知らせを持ってきた使者は殺された』と云う。
それをヘラヘラと笑い飛ばす探偵は、カウボーイハットをかぶる小太りの男で、不気味な殺気を漂わせていた。。。

コーエン兄弟の監督デビュー作の今作品は、数あるフィルムノワールん中でも至高のドスグロさを誇るかも。
80年代アメリカン・インディーズ映画の輝けるモニュメントちゃうかな。
"Blood Simple" てのは、ハードボイルド作家ダシール・ ハメットが『RED HARVEST(赤い収穫)』で使った『恐怖と困惑の果ての殺人』を表した言葉やけど、ストーリーはむしろジェームズ・ M・ケイン風(『郵便配達は二度ベルを鳴らす』の原作者でジャーナリスト、作家。特に犯罪小説)で、
『愛』、不信、『裏切り』、無知、『殺意』、因果応報とかに関する入り組んだプロットを、これがデビューとは思えぬ腰の据わった演出で描くんだなぁコレ👆️が。
『ロシアじゃ互いに助け合うと云うは、理想論にすぎひん。
テキサスの人間は自分のことしか考えへん』みたいな事を、冒頭、殺伐としたテキサスの風景にナレーションがかぶさる。
夫婦と間男と探偵をめぐる物語は、そのうちに殺人へと発展し、それぞれの思惑から動きはじめ、ゴロンごろん雪だるま式に事態を悪化させてく。
そんな本作品には、全体状況を把握しているキャラは一人も登場しない。
唯一、 事の全容を掌握しているのはカメラの背後でほくそ笑えコーエン兄弟だけ。
いや、観客もまた、彼らと同じ視点から物語を観察する特権を与えられて、そこから 身もだえるような面白さが生まれてくるんやなぁこれが巧いなぁ。
中島 誠之助ならチャンチャララン🎶
はぁ～良い～ぃ仕事してマシュー
ってメガネキラってして云うんやろなぁ。
キャラたちはノワール・ワールドの住人としての色気に欠けた著しく平凡な感じで、等しく距離を置いて描かれているためか、誰一人にも感情移入できひん。
せや欠点にはならんねんなぁ。
それは敢えて選ばれた演出やし、そのことは後のコーエン作品を観てもわかるかな。
ゴボゴボアリ地獄に堕ち込んでく平凡な人々、
シニカルな視線、
残酷なユーモア。
映像と音響の表現のビンビン鋭さも、 すでに発揮されてる。
汗ばむ肌、
腐ってく魚、
濡れた道路、
焚き火、
回転するファン、
ワーゲンの緩慢な動き、
手の甲に突き刺さるナイフ、
あふれでる血、
そして映画史に残る？かなぁ、壁を貫く弾痕による光のシャワー。
これらの質感の一つひとつが、 ノワールの宇宙に浸ることの愉悦を感じさせるのと同時に、80年代テキサスの倦怠感が生みだしたヌルっとした暴力と死 の感触を伝えてくる。
真剣な人々の行動のなかから、ブラックなユーモアを引きだした本作品の鍵は、ヒロインが見せる精神的な強さや冷静な行動力よりも、むしろ、私立探偵(冒頭の言葉の主)の皮肉な世の中の眺め方にある。
せや、そんな彼ですら完全なる客観の視点を持ちえない。
へ～いベロベロバァこちらは観てるで～。
今作品は、世のん中なんてそんなモンやって云う態度を最後まで貫き、コーエン節の真骨頂を示してる。
そんな冷めた感性は消えつつあるこの年代のインディーズの灯火やと感じました。

ジョエル&イーサン・コーエン兄弟のデビュー作品を鑑賞。

荒削りながらも、随所にセンスが光る。そんなダイヤの原石の様な処女作。

テキサス州のとある町で。酒場の経営者マーティは、妻のアビー（フランシス・マクドーマンド）と従業員のレイの浮気を疑い、私立探偵のフィッセルに調査させる。やがて浮気の確信を得たマーティは、フィッセルに2人の殺害を依頼するが—— 。

冒頭の「人生にトラブルはつきものである」という言葉が表す通り、不運が重なり悲劇を招くコーエン兄弟らしい脚本は、既に確立されている。

しかし後に発表された作品に見られる、その悲劇を可笑しく描く喜劇的要素が足りない。エンタメとして昇華し切っていない感が拭えないのは若さ故か。

それでも監督のセンスを感じるのは、車のヘッドライトや、弾丸が撃ち抜かれた壁穴から漏れる光線。光と影の描き方が実に美しくて惚れ惚れしちゃう。

夫と妻と浮気相手と彼らの命を狙う私立探偵。たった4人で展開していくシンプルなプロットながら、説明が足りず、そのキャラクターが何故そんな行動に出るのか、不可解な箇所も。

レイは何故◯◯（ネタバレ防止）の死体（実際絶命には至っていない）をわざわざ車に乗せ、移動させたのか。焼却炉に放り込めば、簡単に処理出来そうなものなのに。

車に載せるにしても、相場としてはトランクでしょうよ？後部座席に載せていたら、警察に尋問されて一発アウトじゃない？

ツッコミ所はありつつも、「エイリアン」のシガニー・ウィーバーの如く、どんどん強く逞しくなっていくアビーを演じたフランシス・マクドーマンドが魅せる、ラストの攻防はサスペンスフルで目が離せない。

そして、剥き出しになった排水管から滴り落ちる一粒の水滴で…

終　幕　！　！

うん、やっぱりセンスは抜群。
個人的には、もう少し面白可笑しさが欲しかったので、スコアは若干控えめで。

• #2021akirunaway

フランシスマクドーマンドとジョエルコーエン夫妻の出会いとなった、マクドーマンドとコーエン兄弟デビュー作。
監督ジョエル、制作イーサン、脚本兄弟。
かなりハードボイルド。
マクドーマンドが若い！
バーのネオンがかわいい。
　　　 BAR
☆
NEON
BOOTS
犬のダイビング！
これは思い込みの恐怖！
窓のシーンが最高でした〜。
よくこんなの思いつくな。
ラストも面白い。
段ボールが月桂冠📦だった。

タイトルはダシールハメットの、
血の収穫📖の一節だそうです。
血の収穫📖って影響がすごい。
これが影響を与えた作品。Wikiより。

❶用心棒（黒澤明）
❷ニッポン無責任時代
❸荒野の用心棒（セルジオレオーネ）
⬆️用心棒🎬を無断でリメイクして、
裁判となり賠償金を払った。
❹ミラーズ・クロッシング
❺ラストマン・スタンディング（ウォルターヒル）
⬆️用心棒🎬の正式なリメイク。


1999年のディレクターズカット版もある。
ブラッドシンプル ザ・スリラー🎬

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• #女と銃と荒野の麺屋