1945年 🇺🇸映画 モノクロ作品。

第18回アカデミー賞
助演男優賞(ジェームズ・ダン)受賞。

まさに第二次大戦 真っ只中に製作 公開された作品。
戦時中に映画作って 観ているほどの余裕があったのでしょうから、日本は勝てないですよね。
この頃 日本で映画館って営業していたのかな？

「エデンの東」など 数々の名作を世に送り出したエリア・カザン監督の記念すべきデビュー作。

N.Y. ブルックリン。
安アパートに住んでいる母ケイティと娘のフランシーと弟のニーリー。
夫のジョニーは陽気な芸人で 夢ばかり見ていて生活力のない 呑んだくれ。
一家は貧しかったが それでもフランシーとニーリーは父を深く愛していた。
貧しいながらも懸命に日々を生きる 家族の物語。

私の大好きなジャンルの作品です。
「アンジェラの灰」や「イン・アメリカ」。「マイ・レフトフット」もそうかな。
いわゆる『貧乏一家の貧しい物語』です。
本作も大変素晴らしい作品でした。

働き者の母、呑んだくれの父、しっかり者の姉、やんちゃな弟。そして一家は ビンボー。
私の少年時代を過ごした頃と そっくり なんです。
昔の私の一家を観ているようで ちょっと胸が痛くなるシーンもありますが、同時にたくましく生きていく勇気も与えてくれます。

本作は一応 このお姉ちゃんが主人公なのですが この子がとてもいい演技をしていました。
フランシーには夢がある。でも夢を叶えるお金はない。両親に迷惑をかけたくない。
この健気な演技がたまらなく胸を打ちます。
この愛くるしい演技で この女の子はアカデミー賞で 特別賞 を受賞してます。納得です！

邦題も中々味があっていいですね🤭。
『横丁』って本来は『表通りから横へ入った町筋』みたいな意味なのですが、最近は『◯◯横丁』みたいな居酒屋や飲食店が名前をつける所が増えてきて本来の意味から遠ざかってしまっているような。

愛に溢れる作品！
まさに 隠れた名作 です！

『ブルックリン横町（のちに横丁に改題）』は、エリア・カザン監督の記念すべき長編デビュー作にあたる。

下町ブルックリンに住む貧しいアイルランド移民一家の姿を描いたドラマである。

文才のある女の子が中心となって展開するストーリーはジョージ・スティーヴンスの『ママの想い出』に近いが、比べて本作は笑い少なめのほぼシリアスドラマとなっている。

聡明で本好きの少女フランシー（演：ペギー・アン・ガーナー）は貧しいながらも、掃除婦の母（演：ドロシー・マクガイア）、売れない芸人の父（演：ジェームズ・ダン）、やんちゃな弟（演：テッド・ドナルドソン）の四人で仲良く暮らしていた。

しかし、母の方は心優しいが夢見がちで生活力のない夫に段々とストレスを感じていた。

丁度その頃、母の実姉（演：ジョーン・ブロンデル）の再婚話がもちあがる。自由奔放な姉とは元来反りが合わない母はまた姉のわがままかと態度を硬化させる。

とまあ段々母親のストレスが溜まって家族にあたるようになるのだが、それでも娘は貧しさにもめげず頑張っていくという物語。

どうでもいい話だけど、娘役のペギー・アン・ガーナーの顔がどことなくグレタ・トゥーンベリに似ているように思うのは私だけ？

さて本編だが、二十世紀初頭のニューヨークでの生活描写がリアルなのが良かった。

主人公一家だけでなくご近所含めてみんな貧しく、正攻法だけでは食っていけないので色々な工夫をして何とか食いつないでいく人々の姿が印象的だった。

しかし原題が“A Tree Grows in Brooklyn”とあるように、アパートの中庭に生えている木が重要なアイテムになるはずなのだが、肝心の木は画面にあまり映されない等、全体的に台詞主体の舞台劇の演出っぽいのが勿体ない。

そもそもエリア・カザン、舞台の人なので仕方ないのだが……。

そして本作では父親役を演じたジェームズ・ダンがアカデミー助演男優賞を獲得している。

実際、本作の役どころ同様にアルコール依存症になり大成できなかったため、あまり日本では馴染みがない役者さんである（……というか私が知らないだけ？）

だけど本作では自慢の喉で『アニー・ローリー』（後に伏線となる）をピアノを弾き語り歌うのだが、これが歌声・表情共に大変素晴らしかった。

■映画 DATA==========================
監督：エリア・カザン
脚本：フランク・デイヴィス／テス・スレシンジャー
製作：ルイス・D・ライトン
音楽：アルフレッド・ニューマン
撮影：レオン・シャムロイ
公開：1945年2月28日（米）／1947年6月25日（日）

空想

ブルックリンで暮らす4人家族の物語

劇作家ベティー・スミス作の長編小説の映画化
エリア・カザンの監督デビュー作品

土曜日には子どもたちは、、

人生は山あり谷あり

子どもには辛い
悲しい場面もあり

ラストは何とも言えない

フランシーが可愛かった
おばさんも印象的

お金よりも大事なもの