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アンジェラの灰
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目次

アンジェラの灰の作品紹介

アンジェラの灰のあらすじ

大恐慌真っただ中の1930年代、アイルランド。雨が降り続ける街・リムリック。失業中で酒浸りだが子供たちには優しい父・マラキと、厳しくとも愛情深い母・アンジェラ、そしてフランクと幼い弟たち。極貧の生活のなか、過酷な運命が弟たちの命を奪っていき…。

アンジェラの灰の監督

アラン・パーカー

原題
ANGELA'S ASHES
製作年
1999年
製作国
アメリカアイルランド
上映時間
145分
ジャンル
ドラマ

『アンジェラの灰』に投稿された感想・評価

Ryan
3.8
アンジェラの祈り


ストーリー
大恐慌に陥った1930年代。アイルランドからニューヨークに渡ったマラキとアンジェラはそこで出会い結婚する。やがてふたりは5人の子どもに恵まれるが、マラキは仕事もなく、失業手すら酒代に消えてしまう。未娘を亡くした一家は結局故郷のアイルランドに戻ることに。


監督 アラン・パーカー


フランク・マコートによる回想録を映画化。
様々な視点から解釈できる面白い作品。

汚い澱んだ街に暮らす家族は、日々生きること必死な生活を送っている。
しかし、不思議なことに、食べるもの食うものもなく、町中が汚物まみれであるにも関わらず、美しい。
それは人間の尊厳なのか、はたまた純粋な"生"を描いているからなのか。
"死"が身近にありすぎる環境で育ったものには、死の事を深く考えないのかもしれない。生きることに必死だから。そもそも、そんな事を考えないのかもしれない。
生活の一部としてそれを受け入れ、割り切れる家族の心の拠り所みたいなところに強く惹かれた。

子供がものすごく苦労する物語には、毎度助けを求めてしまうが、今作はそれが顕著に現れる。人間の愚かさを導く信仰心の絶対的な力に驚かされる。

この時代のアイルランドなら、もっと苦労しているものかと思っていたが、そこまで過酷な描写がなくて良かった。
それがかえってリアリティを与えている。

ジョーブリーン演じるフランクの顔のアップは幼少期に関わらず、凄みがあってとても好きである。

忘れることのできない印象的な映像が余韻として残る良作である。
素朴だけれどとても美しい映像がまず刺さった。曲も素敵だった。キャラクター作りも至極丁寧で、見る側であるこちらも大切にしたいなという気持ちが生まれてくる程。息づいた表情や、ウィットの効いたお洒落な台詞、棺桶についたコップの跡を拭ったりといった細かな仕草。初アランパーカー作品、もう、すごく好きになってしまった。

何が悪いとかじゃない、なんかほんとうにもうどうしようもなくて、手も足も出なくて、何のせいに、誰のせいにしたらいいのか、アランパーカージョークに時折笑わせられつつも、やるせない気持ちがずっとあった。子供は無邪気で可愛い。だからこそ残酷でもある。

この作品を通じて、"生きる"ということの本質を垣間見たような気がする。意味だとか価値だとかそんなものでは到底解明出来ない何かを。こんなに苦しいのになぜ生きるのか?一瞬の幸せのため?大切な人のため?命あるから生きる、ただそれだけ。それだけだけど、コンクリートから芽を出すようなそんな強さがあって、涙が溢れた。

病院の清掃員さん、進級先の先生の言葉、アギー叔母さんに買ってもらった晴れ着。とても温かかった。人間て気持ち一つでこんなにも素敵に生きられるんだよ。
どん底からの希望の光を描く天才アラン・パーカー。『ケロッグ博士』はよく分からなかったけど(笑)本作はまた素晴らしい一本でした。

1935年。大恐慌の最中、NYに暮らすマコート一家は生活苦から生まれたばかりの娘を死なせてしまう。他に当てもなく、母の実家アイルランドに舞い戻るが、家族は冷たく彼らを迎える。定職につかず酒浸りの父と献身的にそれを支える母、そして幼い兄弟たちに囲まれ、少年フランクは少しずつ大人の階段をのぼってゆく。

かなりの長尺、しかも冒頭からショッキングな出来事が起きたのでこれ最後まで観られるかなあと不安でしたが、いつの間にかこのマコート一家の日々に釘付けになっていて、ラストシーンは「もっともっとフランクの成長を観たい...!」と心から感じました。本当に良い映画って、長くても気にならないものですね。
雨が多く、寒々しいアイルランドの街、リムリック。世界的に大恐慌や戦争が影を落としていた時代、とにかく映像の隅々に登場する家財や建物、人々の生活感がリアルそのもの。私は本作ほど真に迫った貧困を描いた作品を観たことがありません。衰弱してゆく子供たち、明日の食事代もままならず、なけなしの小銭で家族を養う両親。想像を絶する世界でした。

しかし、そこはパーカー監督の独特の感性で、なんとも言えないユーモアとともに、彼らの生活を暖かく紐解いていきます。便利な世の中になった現代の私たちにとっては当たり前のことが、彼らにとっては一生ものの幸せ。些細な思い出も、フランク少年の心にはっきりと刻まれてゆく。どうしようもない父親だけど、手のかかる兄弟だけど、フランクにとって大切な心の拠り所に変わりはなくて。どんなに貧しくても彼らと一緒にいる時間がこの上ない喜び。
お父さんが初めて彼にキスをするシーンと、お母さんとの初めての喧嘩のシーンは泣きました...。
ダメ親父なロバート・カーライル、なぜか憎めなかった。こんなの初めて。ところどころ父親としてカッコいいから?(笑)そして寡黙な肝っ玉母さん、エミリー・ワトソンの渋い演技も最高でした。

淡々とつづられる日々の中、迎えるあのエンディングは胸がいっぱいになりました。続編が原作であるようなので読みたくなった!かなり控えめに、でも心に残る、家族をテーマにした秀作です。オススメ。アラン・パーカー天才!!

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