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私の中の娼婦
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目次

私の中の娼婦の作品紹介

私の中の娼婦のあらすじ

毎日変化のない人生を送る実直な男が、奔放な妻の浮気に惑わされ、あげくのはてには死別してしまう。やり場のなくなったその男は、妻の思い出を胸に漁師町へと旅に出る。そこで出会うのが、ウソをつき遊びまわる“放蕩”な女であった・・・・・・。そんな男と女が、刹那感を胸に惹かれあい、絡んで感じ合う。その出会いは果たして、人生の再出発なのか破滅なのか。大人の男と女の中に潜在する倦怠を、官能的に描くハードエロスである。

私の中の娼婦の監督

武田一成

原題
製作年
1984年
製作国
日本
上映時間
69分

『私の中の娼婦』に投稿された感想・評価

死別した妻(水木薫)の遺骨を抱えて、小さな漁師町を訪れた中年男性(大林丈史)が、町内を放蕩する謎多き夫人(田坂都)に、生前の妻の姿を重ね合わせていく。「男と女の化かし合い」を題材に取っている、日活ロマンポルノ。NCP共同製作。

浮気相手の存在を黙認しながら、妻のことを最期まで大切にしていた生真面目な男が、訳あって「町のサセ子さん」の立場になっている女性と出会い、その娼婦性に苦しめられる。夏場の伊豆でロケ撮影しており、高低差のある土地が映えている。

冒頭部、行く先々で町人たちの奔放な性行動を目撃していく、ミステリアスな展開がとても面白い。大人たちの倦怠的なセックスと、不良グループに属している少女(朝倉まゆみ)の無邪気な性行動を、鮮やかに対比させているところも醍醐味。

「男は、女を抱けばいいと思っているから、女は嘘をつくのよ」とは、本編の女性側の弁だが、そこには善悪の概念は存在していない。「男は肉で性的欲動を受ける。女は心で性的欲動を受ける」という根源的な性差を提起している作品。
これも「不在」を巡る武田一成のドラマ。すでにこの世にはいない人物(幻影)に憑りつかれた男と女。生真面目すぎるが小さなことでカッとなる大林丈史、平々凡々な風貌の奥底に隠した狂気。キチガイの哀しみと夜の海、死体もろとも小舟に乗って地獄へ堕ちていくラストはグッとくる。流れ者を忌み嫌う閉じた島の住人、現実逃避からのセックスと人殺し。昭和のカラオケ映像のような土臭さに、どこかシャブロル映画の変則的な死の匂いがした。
武田一成×前田米造、西伊豆・雲見温泉ロードムービー。小さな壺に納められた遺骨、グラスの氷が揺れる音、鈴虫、レールの上を行ったり来たりな電車、とらえどころのない田坂都。孤独と喪失、弔い、海、手のひらサイズの死、対照的な青春、花火、東京ららばい、無事故・無違反・無欠勤。ひたすら感覚で押してきて、重くて、締めつけられて、涙。小舟の向かう先は、再生か、破滅か、そもそも再生と破滅に違いはあるのか。武田一成もここまで来ちゃったかと。素晴らしい秀作だけど、また観たい気持ちにはならない、とにかく重たくて、海や温泉街の風景が美しい映画。

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