私の中の娼婦の作品情報・感想・評価

私の中の娼婦1984年製作の映画)

製作国:

上映時間:69分

3.6

「私の中の娼婦」に投稿された感想・評価

死別した妻(水木薫)の遺骨を抱えて、小さな漁師町を訪れた中年男性(大林丈史)が、町内を放蕩する謎多き夫人(田坂都)に、生前の妻の姿を重ね合わせていく。「男と女の化かし合い」をテーマに取りながら、中年同士の情事を描いているロマンポルノ。共同製作はNCP。

自分以外の浮気相手がいることを黙認しながら、妻のことを最期まで大切にしていた生真面目な男が、訳あって「町のサセ子さん」の立場になっている女性と出会い、「女性の娼婦性」に苦しめられるという物語。夏場の伊豆がロケ地になっており、高低差のある土地がフォトジェニック調に映えている。

冒頭部、行く先々で町人の奔放な性行動を目撃していくという、ミステリアスな展開がとても面白い。大人たちの倦怠的なセックスと、不良グループに属している少女(朝倉まゆみ)の無邪気な性行動を、鮮やかに対比させているところも醍醐味。

「男は、女は抱けばいいと思っているから、女は嘘をつくのよ」とは、本編の女側の弁だが、そこには善悪は存在していない。「男は肉で性的欲動を受ける。女は心で性的欲動を受ける」という根源的な性差に訴えかけてくるような、不思議な魅力に包まれた作品。