父・金次郎の危篤騒ぎで集まった家族一同。簡単に解決できない金銭問題や親族のドロドロ劇が続くなか、唯一の他人である長男の未亡人・芳子は、義理の両親のことを理解しようとするが…。やがて、金次郎…
>>続きを読む瀬戸内海の平和な町にやって来たシベリア帰りの風来坊・松本安五郎は、若くて美しい未亡人・夏子に思いを寄せる。ある日、ダイナマイトを持った脱獄囚が人質を取って山へ逃げ込んだ。安五郎は夏子にいい…
>>続きを読む瀬戸内海の島で拾われて育った安吉は、生来ワンパクだけがとりえ。だが、人一倍郷土愛が強く、何とか不況の島の住民にあっと言わせようとあれこれ手を尽くす。チャチな楽団を島に連れてきて借金を背負い…
>>続きを読む戦局は日増しに切迫し、梶の部隊も国境近い陣地で待機。思いがけず、少佐に昇進した友人の影山が赴任してきた。影山は、梶を上等兵に上げ、初年兵の教育にあたらせた。しかしそれが古兵の妬みをかい、初…
>>続きを読む北海道での再会もつかの間、アイヌ娘・ユミの激しい春樹への愛、そして眞知子の夫・勝則の非情な仕打ちに、再び引き裂かれてしまった眞知子と春樹。しかし、東京に連れ戻された眞知子は、勝則との離婚請…
>>続きを読む昭和初期、林ふみ子は行商をしながら、母親と駄菓子屋の二階で暮らしている。八歳の時から育てられた父親に金を無心されるふみ子に、隣室に住む印刷工・安岡は同情するが、初恋の人を忘れられないふみ子…
>>続きを読むはじめは女として、二度目は人間として…。芸者小えんの姿をとらえて人の心の美しさ醜さを描き、大きな感動を与える文芸巨篇。