ジャン・レノが出演している点以外、今までに観たリュック・ベッソンの作品とは全く異なっていた。パンチのあるシーンに欠けていて、とてつもなく長いストーリーで退屈であった。イルカぐらいしか印象に残らなかった。

“陸よりも海の底の方がいいと思わないか”

あぁ美しくて切ない。白黒映画やテレビがカラーになった事で人の夢もカラーになったという説があるが、この映画も冒頭モノクロから始まり海の青さというものすら分からない。そして第2章からカラーに。海の色やカラフルな世界や人の夢が溢れ出る。

幼い頃から海に愛されてきたジャック（ジャンマルクバール）と幼馴染のエンゾ（ジャンレノ）は世界ダイビング選手権でライバルとして競い合う。二人は心で繋がっており、海への想いは計り知れない。NYのジョアンナ（ロザンナアークエット）はジャックに一目惚れし、彼を追いかけるが…。

ジャックの不思議な魅力がすごい。親を幼い頃に無くし、友達は人間よりイルカ。なんとか人並みに恋をしようとするがどうしても海に惹かれてしまう。もちろんジャンレノが演じるエンゾも素晴らしかったし、ほとんどこの二人で完結している。ジョアンナは残念ながら彼らとは別世界。人知を超えた二人にジョアンナという一般人が混ざる事で、二人がいかに異例なのか分かる。観た人の多くはジョアンナに感情移入したのでは。

オリジナルより30分も長いんだ。確かに間伸びは感じたから、あの結末なら中盤のダイビングとかカットしたオリジナル版で十分なのかも。まぁ総じてリュックベッソンとジャンレノは多才。

• #フランス映画録

無呼吸潜水選手権で競い合う2人のダイバーの友情と絆を描いた作品。
監督はリュック・ベッソン。
ジャン＝マルク・バールが主演、ロザンナ・アークエットがヒロインを演じ、ジャン・レノらが共演。　

小柄なジャック・マイヨールと2歳年上で大きな体格のエンゾ・モリナーリの二人は子供のころギリシャの海辺に住んでおり、海に潜るのが得意だった。それから20年が過ぎ、ジャック（ジャン＝マルク・バール）がアンデス山脈の海抜4319ｍの雪で覆われたラ・ラーヤで、氷結した湖に沈んだ機器を素潜りで回収していると、ニューヨークの保険調査員ジョアンナが調査にやってきて、彼女はジャックに一目惚れしてしまう。そのころ、無呼吸潜水大会で何度も優勝していたエンゾ（ジャン・レノ）はシチリアのタオルミーナで開催される無呼吸潜水選手権にジャックを招待する。それを知ったジョアンナはジャックに会うために職場の上司に仕事と偽ってタオルミーナを訪れる。エンゾは大会で素潜り110mの新記録を出すが、翌日、ジャックも108ｍを記録して準優勝する。これまで家族はイルカだけだったジャックは旧友と絆を深め、新たに恋人もできるが....　

実在したダイバー、ジャック・マイヨールとエンゾ・マイオルカをモデルとして描いたフィクション作品。
ジャン＝マルク・バールが好青年ジャックを好演しており、イルカが大好きで、イルカのと交流が微笑ましい。
それ以上にジャン・レノが頼れる兄貴を演じており、存在感が大きい。
ジャックとエンゾは水中で酒を飲み交わしたりするほど水中が好きで仲が良い。
またヒロイン役のロザンナ・アークエットは恋に落ちた女性を体を張って演じてます。
前半はユーモアいっぱいでイルカたちも爆笑です。
また競技に参加した日本人チームの規則正しい行動とオチが滑稽に描かれている。
後半は二人のライバルが競い合いながら世界記録を更新していく姿が清々しい。記録が更新するにつれてシリアスな展開になっていくが、二人の絆は最後まで健在で、沢山の伏線が後半で回収される。
これまでイルカを家族として生きてきたジャックが、旧友と再会して絆を深め、さらに初めて恋人も出来きる。
そんなジャックが最後に選んだ道は....
「行きなさい　私の愛を見るのよ」　　

2023.9　NHK BSPで鑑賞（字幕・寺尾次郎）

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