深作欣二監督のドラマ版を鑑賞。テレビ放映分なので登録がなく、こちらに失礼します。原作森鴎外の阿部一族。忠臣蔵くらい有名なストーリーなのですか？私はどっちも全然知らなくて最近日本の古典ストーリーをお勉強中。

「情けは情け、義は義」この物語のテーマ。
先代藩主のご逝去後、阿部一族が忠義を尽くしてきたはずの細川家に討伐されてしまう物語。配役は、阿部家次男の阿部弥五兵衛に佐藤浩市さん。阿部家のお隣さんで阿部家と同じく細川家に仕える武士、柄本又七郎に真田広之さん。

時代は天下泰平、それとは裏腹にこの物語の結末は本当に切ない。阿部家もこの世の中でなければ宿変えしたら済んだのだろうが、どの藩も新たに召し抱えてくれる所はない。親友の柄本又七郎も弥五兵衛のその覚悟を知って阿部家討伐に加わるのだ。そして皮肉にも又七郎はその討伐劇の後もまた細川家に仕え続けるしかなく、最後に放ったあの言葉は光尚への脅しであったのだろう。

当作品の主役は佐藤さんなので真田さんの出番は多くないですが、映るたびにドアップなのでだいぶ監督に愛されてるなと思う。弥五兵衛と又七郎はお隣同士懇意にしている仲ですが、リアルのお二人も親友なので息ぴったりの演技が目に留まります。

見所はなんと言っても槍の殺陣。序盤の稽古場面では二人が長い槍を振り回す。その大振りな殺陣に大変迫力があり印象的。終盤の親友同士の舞うような決闘シーンは、美しくも儚い。

まぁしかし阿部兄弟めっちゃ強いんですよね。兄弟四人＋家来数人で、細川家軍勢80人弱の半分倒します。そして、その上を行くのが我らが真田広之。強すぎるから一回刺される。刺されてから、佐藤さんと戦うの。佐藤さんももうボロボロだしね。真田さんの最後のセリフとその表情は何とも印象に残るものでした。

1995年11月放映なので2人とも34歳くらいなんですが、演技が抜群にうまいし年齢以上の迫力と説得力がある。現代の俳優陣ではこの年齢でこのレベルの役者さん何人居るんだろう。

大事なこと書くの忘れてた。
熊本のお話なので熊本弁の時代劇です。

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〖1930年代映画：小説実写映画化：時代劇：東宝：日本映画傑作全集〗
1938年製作で、森鴎外の小説を実写映画化らしい⁉️

2023年1,798

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こちらではないのですが、深作作品が素晴らしかったのでこちらにに書き書きさせて頂きます。

原作は森鴎外。日本人なら一度は作品を読んだことがあるだろうが私は読んだことないのである。

サムライだとか武士道だとか日本人を高揚させる言ワードとして使われて割と好意的に受け入れられてると思う。そんなに深く考えないってだけの話なんだろうけど、まぁぶっ飛んでるよね。こんな文化滅びて良かったと思ってるよ。頭おかしい。笑　
藩主が亡くなって家臣達が次々と18人も殉死（後追い自害）するんですね。でもこの阿部一族の当主はそれを許されておらず出来ない。周りから命を惜しんでいるのかという目で見られるわけ。それに耐えきれず自害したら許可がないのにしたから殉死した18人より格下扱いされる。で、なんやなんやあって蟹江敬三の生首ドーン！うぉおおぉぉおおおぉぉぉぉ！全滅！とまぁこんな感じでした。
それで武士道ってカッコいいとか美しいとか全く思わないのが深作節なのかなぁなんて思いました。その巻き添え喰らう女性と子供ってたまったもんじゃないなと。お前らだけは逃げろ、生きるんだ！じゃないのよね。武士道って道連れなんだよね。皆すまん、一緒に死んでくれ、なんだよ。そこは沖縄戦での集団自決なんかを連想しちゃったりしましたね。そこをちゃんと丁寧に描いた深作欣二に拍手したい。
なんだよ武士道って。こんな言葉使うやつ信じない。気が狂ってる。

☆4.5でございます。