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『ベリッシマ』に投稿された感想・評価

3月17日はイタリア耽美派映画の巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督の没後41年目に当たります。

貴族の末裔であり、城で生まれ育った超ボンボンのヴィスコンティは中期から晩年にかけて絢爛豪華な耽美的傑作を連発してきましたが、
そんな彼も初期の頃は厳しい戦後社会の庶民の暮らしにスポットを当てていた時期がありました。

これがデ・シーカやロッセリーニらと共に巻き起こした世に云う"ネオレアリズモ"であり、
「お坊ちゃん育ちのお前に庶民の何が分かる!」ってツッコミもごもっともですが、
上記の二人とは明らかに違う毛色で、敗戦後間もないイタリア人の暮らしぶりをヴィスコンティは生き生きと伝えています。

そしてやはりここには、ネオレアリズモの最高傑作「自転車泥棒」を手掛け、以後のヴィスコンティ作品を晩年まで支えたスーゾ・チェッキ・ダミーコの脚本が寄与するところが大きいかと。

本作では娘を映画子役オーディションに合格させたい肝っ玉母ちゃんの奮闘劇が綴られます。

映画界の内幕を明かすというある種の皮肉を込めつつも、娘のためには心血をも注ぐパワフルな母親の愛情を描写。
そこには金銭の問題ではなく、不遇な時代を乗り越えるチャンスを我が子に与えてやりたいという、並々ならぬ親心が溢れているのです。

どれだけ不当な扱いを受け、騙され悲しみ傷つきようとも決して誇りは棄てないし、言いたいことは10倍返しにして言う。
これぞイタリア女の情熱的パワー!
とにかく喜怒哀楽をぶちまけながら喋りたくるアンナ・マニャーニの迫力は圧巻で、困窮期のイタリアを力強く生きる女性の実像を上手く捉えています。

堅実に生きることの美徳とモラル。
ラストにはバート・ランカスターに言及するシーンがありますが、これが後に「山猫」や「家族の肖像」で実現しようとはね。
夢は願い続ければ叶うってことをヴィスコンティは得てして証明してくれました。
盆栽
3.7
儚き夢の映し絵


 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』で有名なルキノ・ヴィスコンティ監督によるネオレアリズモ映画。娘マリアの映画デビューを夢見て、子役オーディションに連れて行く母マッダレーナ。しかし現実はそう甘くない。映画業界の厳しさ、自身の期待と現実のギャップに直面しながら、彼女は苦悩と葛藤を繰り広げる。

 本作で描かれているのは、華やかな映画業界の裏側に潜む不平等や権力の構図。マッダレーナは、自分の娘を売り込むために多くの犠牲を払うが、次第にその過程で自分自身を見失い、娘の幸せをも脅かすことになってしまう。人間の欲望や愛情、絶望の入り混じった複雑な感情を巧みに演出。パワーが凄い。

 アンナ・マニャーニの演技は、この映画の魅力の一つ。彼女は、マッダレーナの強さと弱さ、愛情と絶望を繊細に表現し、観客に深い共感を呼び起こしてしまう。マニャーニの演技は、単なるパフォーマンスを超え、リアルで生々しい人間像を浮かび上がらせます。捉え方によっては嫌悪感しか残らないようなマッダレーナの性格ですが、嫌いになれないのが卓越された演出力だということ。

 夢と現実の対立、貧困と格差、親子の愛情と葛藤といった幾つものテーマを上手く扱えているのが素晴らしい。特に、夢を追い求める中での苦悩や、自らの価値観が揺らぐ瞬間を描くことで、観客に普遍的なメッセージを伝えています。マッダレーナの姿を通じて、リアルすぎる人間のエゴを浮き彫りにし、最後にはどこか希望のようなものを提示する。本質的な人間を描く教育映画かのかもしれません。

 果たしてマッダレーナはモンスターペアレントなのか、それとも娘のことを一番に考えている優しき母親なのか。でもよくよく考えてみると、この二つは紙一重のようなものなので、結局どちらにも当てはまるということですね。求めていたラストで良かった。

2024.6.23 初鑑賞
McQ
4.0
下流で生きる者たちの儚き夢、、幼い娘を女優として育成すべくモンスターと化した母(アンナ・マニャーニ)

どの時代も変わらぬ光景!それに加えてイタリアの気質、庶民に寄り添った目線は上流階級、貴族を描くより断然分かりやすかった。(唯一のコメディーという所もポイント!)

されど、、

とにかくやかましい!!!笑

カオスと化す終盤、喧しさはピークを迎え、爆音ノイズに耳も精神も破壊された。(爆音上映されたら面白そう)

気持ちは分かるけど、母の変化には、なんだか違和感が、、

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