▪️Title : 「十月」
Original Title :「Oktyabri ОКТЯБРЪ」
▪️First Release Year:1928
▪️JP Release Date :1969
▪️Production Country: ソ連
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-469 再鑑賞
🕰Running Time:109分
▪️My Review
エイゼンシュテイン、この人の作品は本当に観ていて引きずり込まれています。まるで、ドキュメンタリーを観てるような錯覚に陥りますね。
その迫力ある映像、リズム、そして群衆の音。『ストライキ』『戦艦ポチョムキン』、そして本作、全てがそうですね。
本作は、ボルシェビキ政権の誕生10周年を記念して製作された作品で、ツァーの退任後に誕生したアレクサンドル・ケレンスキーの暫定政権がレーニンとその支持者に倒されるまでを描いたものです。ロシア革命は、1917年にロシア帝国で起きた2度の革命のことを指しますが、史上初の社会主義国家樹立につながったことに重点を置く場合には、この「十月革命」のことを意味しています。
そのドキュメンタリーのような映像は全て再現されたもので莫大な予算がつぎこまれました。本作の最大の魅力は、人を惹きつけ、感動させる力がその志の大きさにあるところです。
本作でも“映画によって視覚的な思考を表現できる”という信念のもと、モンダージュと呼ばれる映像編集技術、２つの異なるシーンをつなぎ合わせることによって起こる相互作用を大事にしています。
それは、ツァーの銅像を引き倒すシーンや宮殿橋が跳ね上がるシーンも圧巻ですが、引用されることの多い「神と国」のシーンに見事に現れています。顔のアップ、手のアップ、部屋の人々の出入りなど足元だけのシーンで表現。蒸気機関車、戦車、群衆の走るシーンなどドキュメンタリーそのものの印象です。ラストの勝利のシーンでは、群衆の拍手の音や、靴音などの音といった効果音が入り盛り上がりを見せています。90年以上も前の作品とは思えないスケールの大きさと迫力には驚愕させられます。
その内容も、革命の幾つかのモニュメンタルなエピソードを再現させるとともに、劇映画で初めてレーニンを登場させた作品となったんですね。

物語は。。。
革命前夜のソビエト。帝政ロシアの第一次大戦の連戦連敗により社会生活は困難を極め、ストライキが頻発していました。そのような情勢に指導者レーニンは、“来たるべき革命はプロレタリア革命”であることを強調します。このレーニンの方針は、社会革命党の主張と根本的に対立し、次第に対立は激化していきます。。。

▪️Overview
ソビエトが生んだ偉大な映画作家セルゲイ・Ｍ・エイゼンシュテインがソビエト革命10周年記念映画として製作した作品。彼一流のモンタージュを、ヴィジョン構成の方法として用い、1917年の3月から11月までの激動するソビエトをとらえている。監督・脚本は前記のセルゲイ・Ｍ・エイゼンシュテイン。また、共同監督・脚本にグリゴーリ・アレクサンドロフが名を連ねている。撮影はエドゥアルド・ティッセ、音楽はディミトリ・ショスタコヴィッチ、美術はＶ・ゴブリーギンが担当。無声。（参考:映画. com）

• #死ぬまでに観たい映画1001本

エイゼンシュテイン監督作品
歴史は詳しくないが十月革命の映画
何人のエキストラがいるのだろう、凄まじい迫力の作品であった
サイレントであるが彼らの声が聞こえてきそうな感じ
「パンのために！」は印象的な台詞であった

超絶左側に偏った社会主義映画なんだが、従来のモンタージュ理論一辺倒から脱却するように構図にも注力している。逃げ惑う人々を捉えた俯瞰、等方向に向かう人間が突如入り乱れ、民衆が一斉に立ち上がる＝団結を意味する力強いイメージの反復。

『ストライキ』以上に糾弾する相手が明確かつ、実際に達成された史実を神格化する内容なので、証明済みの正義を叫ぶような力もどこかで作用していたと思う。
エイゼンシュテイン映画では誇張されたその顔面さえ見れば、内容を知らない人でも彼が正義か悪なのか一目瞭然。