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メトロポリタン
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『メトロポリタン』に投稿された感想・評価

Melko
3.6
「シンシアはお母さんの車借りんだって。最後に見かけたのは昨日の16時らしい」
「てことは、昨日の晩フォン・スロネカーのことに行ったかもしれないってこと?!」
「そうゆうこと」

「着いたらどうする?」
「わかんない。状況によるな」

「見ろ、女の子のパンティーだ、、」
「なんてこった、、あの野郎…!!!」

マンハッタン。金持ちの子供で、学もある意識高い系の学生達。フォーマルに着飾って夜な夜なパーティーしてる場にやってきた、中流階級の家の子トム。
クリスマスの少し前から、クリスマス後までに彼らに巻き起こる、アレやコレや。

大体7-8人ぐらいで集まってガヤガヤだべって酒飲んで、「あの作家のこれが…」とか「〇〇論についてどう思う?」とか、意識高い系のことを討論したり、意見の合わない場合はとことん議論したり。

そんな「サリーとその仲間達」のメンバー
男子
とんでもなく皮肉屋、作り話もお手のものな頭の回転の早いニック
頭でっかちで不器用なチャーリー
なんかいっつも眠そうでダルそうなフレッド

女子
読書が好きで、夢見る夢子のオードリー
気が強く姉御肌のジェーン
ヤリマンビッチ、それを心の拠り所にしているシンシア
幅広い人間関係こそが全て、人情味が浅いのか深いのか分からないサリー

覚えられたのはこんなもんかなぁ

大人に片足突っ込んでるけど、まだ働いたことのない?子達。意識高い大学生たちの宅飲みを延々見せられてる感じで、ツラツラ色んなテーマの議論も挟みつつ、物語の芯は徐々に
チャーリー▶︎オードリー▶︎トム
のもどかし過ぎる片想い模様に絞られていく。

このトムがまた自覚なく女の子を傷つけちゃうタイプで、オードリーが彼に片思いしてることは明確なのに、トムは元カノ セリーナとダラダラくっついて離れてを繰り返してる。本人は絶対自覚ないけど、こうゆう男は間違いなく女子の中で「優柔不断なクズ男」認定されている。
思わせぶりなことしといて、「妹みたいな感じなんだよねー」とか「何でも話せる友達みたいな感じなんだよねー」とか言う。
元カノ セリーナもまた滲み出る魔性感、、
トムがセリーナとヨリ戻したことを知り、クリスマスイブに教会で歌いながら泣いちゃうオードリー。切ない。
オードリーの片想いが実るようにあれこれアシストしたのにうまく行かず、オードリーはすっかり意気消沈。トムについツラく当たっちゃうジェーンの気持ちもわかる。だってトムの態度って曖昧過ぎるもん。

正直、大学生の内輪ノリを少し高尚な感じにしたノリをつらつらと見せられるのは退屈だったけど、悲しみのあまりハメを外してヤリチン男の毒牙にかかったかもしれないオードリーのためにトムとチャーリーが共闘するラスト15分ぐらいは面白かったかな。

でもニックのことはもう少しちゃんと見せてほしかったなー。なんか途中退場みたいで残念だった。いいキャラだったのに。
仲間達がみんな素性がよくわからないトムを訝しがる中、1番最初に彼を受け入れた、実は熱い男ニック、セリーナのことを最初からちゃんとディスってたのも彼。笑
皮肉屋ほどガラスのハートってのを象徴するのも彼。

色んなタイプの大学生を見たなーって感じ。ここから10年、20年経ったらどうなるんだろう。ちょっと続きが見たくなった
1980年代のニューヨークを描くホィット・スティルマン監督の三部作の第一作目。テーマは「滅びゆくプレッピー」です。ボクはファッションが大好きなので、ホィット・スティルマン監督のこの三部作は大好きです。1980年代はプレッピーファッションがリバイバルした時期で、ホィット・スティルマン監督が描くのは1980年代の短い間にリバイバルした古き良きプレッピーをです。まだパリピとかいない時期。1990年の公開時期にはほぼ死に絶えたプレッピー文化を「滅びるものへの優しい眼差し」で描いています。

まずプレッピーの解説。ハーバード大学などアメリカのアイビーリーグ(アメリカ北東部にある名門市立大学)などに進学するための私立の進学校をプレップスクールと言います。私立なので当然ながらお金持ちのご子息しか通えません。プレップスクールに通うからプレッピー。スコット・F・ジェラルドの『華麗なるギャッツビー』の世界。彼らが好んで着たファッションがプレッピーファッションです。代表的なのがジョン・F・ケネディーですね。代表的なブランドはブルックス・ブラザースとかJプレスとかです。近い年代を描いた映画として『セント・エルモス・ファイアー』とか『ブレックファスト・クラブ』がありますが、それより上流クラスです。

1990年に1980年代のプレッピーを描くのって勇気がいることです。グランジとギャングスタの時代ですよ。スパイク・リー『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989年)公開翌年、ニルヴァーナ『ネバーマインド』(1991年)リリースの前年です。おそらく、プレッピーファッションが一番下火の時期です。上流階級もパリピ的な楽しみ方をしはじめた時期です。ボクもこの時期にアメリカにいましたが、パーティーでウェイウェイやってましたよ。めっちゃニーズがないですよ、プレッピーなんて!この映画で出てくるような貞操概念なんてもう崩壊してますからね。この時期にプレッピーを描くなんて、ある意味でパンクです。イカれてます。

前置きが長くなりました。舞台は1980年クリスマス時期のニューヨークです。登場人物たちはプレッピーたち。視線の提供者がなぜかプレッピーの仲間になってしまったあまり裕福ではない主人公トム・タウンゼント(エドワード・クレメンツ)です。

トムは上流階級のプレッピーたちの集まりに混ざるのに違和感を感じながら徐々に仲良くなっていきます。会話がすごくスノッブでいいです。文学とか哲学とか。ちなみに、日本でも哲学の話ができる奴らがモテた時代があったんですよ。それも1980年代です。中沢新一『チベットのモーツァルト』とか。そして、トムはプレッピー仲間の一人であるオードリーに徐々に心惹かれていきます。

なんか、すごく童貞な感じがいいんですよ。プレッピーでスノッブで童貞。今のアメリカでは絶滅危惧種。こういう人たちが昔いたんだなあ。なんてことない話なんですが、すごく好きです。
まぁまぁ面白かった。
こちらも社交クラブに集う男女の恋愛の定点観測って感じで主人公の女以外スノッブのクズ揃い。やってることはホンサンスとかに近いけど、台詞の比重が重すぎてどっちかってとリンクレイターみたいな感じだなと思った。

スティルマンの映画はまだ2本しか見てないが、集団でとぼとぼ歩くシーンがどれも間抜けで好きだな。
あと、タバコの火で100円を落下させるゲームやりたい。吸わないけど。

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