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『M/OTHER』に投稿された感想・評価

演出も良かったけど、画が美しい。
窓ガラスの反射の演出は必見。
菩薩
4.8
当然カサヴェテスを想起せずにはいられないし、渡辺真起子にジーナ・ローランズを見出さずにはいられない。台詞脚本は無く構成台本のみ、登場人物の綿密に練られた履歴書が存在しており、まさに渡辺真起子と三浦友和は演じるでは無く成り切る事により、その場その場で最善な台詞、会話が物語に当てはめられていく。窓・扉・電話の物理・空間的断絶が肉体・精神的な断絶を浮き彫りにしていき、そこからもたらされるもどかしさに付き合わされた挙句、我と他者、男と女、父と母の決定的断絶を突きつけられて映画は突如終了、彼らは他人になる。「Mother、Mを取ったら他人です。」なるCMがかつてあったが、夫婦にとって子は鎹になろうが、夫婦ではない、夫婦になれない男女にとっては子は「家族にはなれない」との現実を突きつける要因としかなり得ない。二人の仲が決定的に終了した後の車内での会話中、まさにその関係に終止符を打つが如く突然鳴り響く雷鳴、そして輝く稲光、鈴木治行が奏で続ける不気味な不協和音は最後現実の姿となって現れてくる。99年の作品だけあって初代ポケモン、ヨッシーアイランド、デジモンと懐かしきゲームが登場する点も個人的には好印象、特にお土産にデジモンをねだるシーンがドツボ。タイトルも憎い、傑作。
kyoko
4.0
飯田橋での諏訪敦彦特集を逃してしまい、もう劇場で観ることはできないかもしれないなと諦めていた。ありがとう早稲田松竹。

バツイチ男とそれなりにバリバリ働いている女。ふたりが同棲する家に、男が息子を連れてきたことから始まる物語。

「なんで相談してくれなかったの」と繰りかえすアキは、自分がはじめっからM/の反対側に弾き出されていることを自覚している。その憤懣を解消しないまま男の甘えを中途半端に受容したのがすべての間違い。
最初に犯したミスが挽回不可能なことに気づかない哲郎はアホみたいにペナルティを重ねていく。そのたび起爆スイッチはそこら中に埋め込まれていって、誰が押すのか、頼むから子どもには押させないでよね、とハラハラしながら見ていた。

「2/Duo」は危うい精神状態があまりにも生々しくて二度と観たくない作品なのだけど、今作が同じ手法でありながら受ける印象が違うのは、どこかで聞いたことがある、あるいは実感したことがある光景だからだ。
アキのような女も哲郎のような男も、そんなふたりが迎えた顛末も知っている。これこそがリアリティ。

観たのが今じゃなければまた違っていたと思う。諏訪監督作品は本当に「ナマモノ」であることを実感した。

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