M/OTHERの作品情報・感想・評価

「M/OTHER」に投稿された感想・評価

2018年6月鑑賞。
小さな子供としばらく住むと、私は母親という役をいつのまにか演じている。
これは女性のアイデンティティについてものすごい語られてる、疑わされる作品だった。わたしは誰。あなたはわたしにとって何。

そしてこの関係性は世界も描いている。

と同時に三浦友和のズルさを自分も持っていて、あぁ自分ってほんとにほんとに。。

久しぶりに映画館の暗闇に殺されて生かされた。
ムチコ

ムチコの感想・評価

4.2
motherになれないother。

『2/デュオ』と同様、役者との対話と即興に多くを負っている。長回しの連続はさぞや役者には負荷が高いと想像され、そのことが力になってはいるものの、役者の強度がゆるむ瞬間がはっきりとわかってしまい、途中つらくなるところがいくつかあった。
子どもの顔をほとんど映さない点は好感を持った。
室内で顔が暗く潰れ、寄りも引きもしない長回しのカメラの中でぼそぼそとした会話がやりとりされる冒頭。学生の自主映画みたい、これを2時間半も見せられるのかと思うと初っ端からくらくらした。
しかし不思議なことに徐々に引き込まれていく。ひょっとしたら凄いものを観てるのかもしれない、みたこともない新しいものを観ているのかも、と。日常は途切れることなく続き、感情は昨日からつながっていて、明日の思考は今日までの出来事にみちびかれる。だらだらと、じっくりと。こんな方法でしか表現し得ない世界もあるんだな。

家族とはなんだ。結婚とは。そんな普遍的なテーマを独自の表現で切りとって見せられたことに感動を覚える。優しい男の甘え、嫌と言わない女の怖さ。成長した男の子はあの夏の記憶をどんなふうにカテゴライズするのだろう。
kyoko

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4.0
飯田橋での諏訪敦彦特集を逃してしまい、もう劇場で観ることはできないかもしれないなと諦めていた。ありがとう早稲田松竹。

バツイチ男とそれなりにバリバリ働いている女。ふたりが同棲する家に、男が息子を連れてきたことから始まる物語。

「なんで相談してくれなかったの」と繰りかえすアキは、自分がはじめっからM/の反対側に弾き出されていることを自覚している。その憤懣を解消しないまま男の甘えを中途半端に受容したのがすべての間違い。
最初に犯したミスが挽回不可能なことに気づかない哲郎はアホみたいにペナルティを重ねていく。そのたび起爆スイッチはそこら中に埋め込まれていって、誰が押すのか、頼むから子どもには押させないでよね、とハラハラしながら見ていた。

「2/Duo」は危うい精神状態があまりにも生々しくて二度と観たくない作品なのだけど、今作が同じ手法でありながら受ける印象が違うのは、どこかで聞いたことがある、あるいは実感したことがある光景だからだ。
アキのような女も哲郎のような男も、そんなふたりが迎えた顛末も知っている。これこそがリアリティ。

観たのが今じゃなければまた違っていたと思う。諏訪監督作品は本当に「ナマモノ」であることを実感した。
okapy

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4.9
motherにはなることのできないotherの話。これはかなりやばいっす。なるほど確かにこの即興演出っぽさとか撮影法がもろにカサヴェテスだわ。見終わった今、なんだか自分の内側にこびり付いたものが全て穿り出された感覚だった。親というのは自らの弱みをなかなか子供に見せる事ができない存在であり、少なくとも弱さや未熟さを抱えてた状態で子供を育てることにはリスクが付き纏う。本作でアキはそのリスクを抱えた自分を分かったからこそ、その覚悟を持てなかった。故に母親ではなく他人という選択肢を選ばざるを得なかったのだろう。自由を得るということはそういうことなのだ。その葛藤によって、揺れ動く心情、人間のアイデンティティが崩れ落ちていく様を見事に描いてる傑作ではないだろうか。同郷の映画監督は心の底から尊敬するのだが、本作の諏訪監督も同郷人として誇らしいかぎり。5.0にするか非常に迷ったが、この作品は自分の中で特別なものになった。それにしてとポケモンデジモンヨッシーはずるいぞバカ野郎コノ野郎。ポケモンのソフトは金銀版とかかな。
u

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2.9

私には全然ダメでした…
諏訪監督のファンとか言いましたが、作品によってだなぁ。。笑

いやー眠かった!!!!長い!!
Hero

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4.8
otherがmotherに成ろうとしたが故に気付いてしまった差異、歪と自覚していない者が正常を装ったことによる哀しき認識、母親に近づいていくにつれ女でなくなっていく不条理、「 other、mを付ければ母親に」なポジを先に見せることにより「mother、mを取ったら他人です」なネガが際立つ。部屋を片付ける、洗い物をする、洗濯をする、そういった行動に無意識に女や母親を感じてしまう自らの男性的思考を省みると同時に、いかにも男が創った映画だなということを簡単に認識できる面白おかしさ。社会が作り上げた女たる者母親たる者こうあるべきといった既成概念で雁字搦めに縛り付けられた主人公の奥底から溢れ出たすべてを黙らせる圧倒的な“人間”、あのシーンはもう完璧。鳴り響く不協和音、勾配のきつい坂を付かず離れず絶妙な距離感で登る擬似親子、窓に遮られた男と女と子、光り輝く稲光と轟く雷鳴、/に込められた真意とはなんなのか?『2/DUO』といい今作といい“結婚しよう”は地獄の始まり。

《諏訪敦彦監督特集》
すげーこわいいぬが一瞬出てくる。基本的に数秒しか出てこず何も掬い取れないいぬは無視してるけど、これは存在感があった。
画面には潰れた身体が映ってるのみでも、そこには雄弁な動作が確かにある。距離のとりかたがすげー
tttarrr

tttarrrの感想・評価

4.7
なんか説明のつかなさがリアルで、すごく心動かされる映画だった。
〈諏訪敦彦監督特集〉17:30開映(20:10開映『H story』併鑑)
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