“ベンシャーマンのシャツと、ドクターマーチンのブーツがないと仲間には入れないよ“

等身大でオシャレですごく好み。80年代を生きたスキンヘッズ達の物語。12歳のショーンはフォークランド戦争で父親を亡くし、形見のベルボトムを履いて学校へ行っていた。帰り道にスキンヘッズの不良達と絡み、彼らのファッションや生き様に影響を受けていく。

前半のショーンと不良達の絡みが微笑ましい。彼らなりの友情や思いやりにほっこりします。後半は当時のイギリスをリアルに表していて、右翼ネオナチ感が強かったです。後半が伝えたい事なんだろうけど、個人的にはずっと前半の雰囲気であってほしかった。

「ロンドン産のドクターマーチンは特別すぎて逆にロゴがないのよ」ってショーンを騙そうとする母親の発言めちゃ好き。笑
あとイギリス訛りが好きな僕には発音もかっこよくてたまらんでした。

• #London(UK)

スキンズがどうのこうのって言うより登場人物の帰属性の方が根幹にあると考えた。
イギリス連邦ではなく、イングランド...ね。

自分の居場所はどこにある？
英国人としてのプライドを賭けた少年の戦い。

80'sイギリスの音楽やファッション、社会情勢まで一気に楽しめる作品。ドクターマーチンやポロシャツ、UKロックは今でもやっぱり格好良い！そんな「光」の部分と交錯するように、当時の荒れたイギリスの「影」が1人の少年を染める。

舞台は1983年のイギリス。サッチャー政権下で、移民流入により英国人の仕事が失われた時代の、労働者階級の若者たちの物語。幸せとは程遠い生活の彼らは「俺たちの"だけ"の国」という意識が高まっていき、過激な右寄り思想が広がっていく。とある大人との出会いから、本作の主人公である小さな少年に「光と影」が忍び寄る。

テーマは、アイデンティティや愛国心。
21世紀の重要テーマである「共に生きる」について、本作で改めて考えさせられました。

自分たちの居場所がなくなっていき、やり場のない怒りや葛藤があるのは分かる。それでも、自分と異なる意見の人を虐げたり「外」の人を迫害しても、自分たちの居場所は作れないと、この作品では教えてくれます。小さな少年がとった行動には、そんな意味も込められていていいなぁと。

時に、国は問わず「何かが生まれる」瞬間には、怒りや葛藤 が市民を包み込むというのが一因としてあると思います。80'sのイギリスが音楽やファッションで世界の中心だった背景には、悲しい時代背景がありますね。

テーマも素晴らしいし、青春映画としても楽しめる。スキンズやファッション、引いてはサッチャー政権下のイギリスの様子が華麗に描かれた傑作だと思います。


今を生きる日本人には、感じるところが多い作品。

• #音楽好きもブチ上がる映画!