『イン ザ カット』
原題 In the Cut.
製作年 2003年。上映時間 119分。

大学講師の女性が殺人事件をきっかけに、心の殻に封じ込めてきた感情を露にしていく様を描いたサスペンス・ドラマ。
監督・脚本はジェーン・カンピオン。
出演はメグ・ライアン、マーク・ラファロ、ケヴィン・ベーコン、ジェニファー・ジェイソン・リーほか。

ジェーン・カンピオンが監督した今作品は、ニ コール・キッドマンの製作で、キッドマンはプライベートに時間を割くために主演を降板している。
(ニコール・キッドマンは、当時トム・クルーズとの離婚したため、フラニーの役割を断った。彼女はその役割があまりにも感情的に消耗してしまうと考えたみたい。)
代役がメグ・ ライアンに決まると、ライアンは不気味にも、キッドマン風の髪型で撮影にのぞんでる。
ライアンはそれまで のキャリアを通じ、快活な、ある意味病的なまでに好感の持てる役柄を演じてきており、今作品は冷たくてよそよそしい、度しがたい人物を演じるまたとない機会となり、ライアンが新境地を拓いたのは確かかな。
最古の生物の細胞の進化について、捕食活動の偶然のバリエーションとして性活動が生まれたと想像する説がある。その説によれば、ある細胞が他の細胞を栄養分として摂取しようとして、その遺伝物質の半分を獲物の遺伝物質と融合させてしまい、第三の細胞を作り出したという。最初の性行為は、殺人事件であった。

今日に至るまで、セックスと暴力の同等性は、我々の社会と精神における最も厄介なパラドックスの一つといえるかな。
しかし、それは、挿入のイメージのように比喩的にしか現れないものであれ、セックスの最中に噛み付こうとする衝動や、サド・マゾのシナリオを完全に演じようとするものなど、より直感的なものであれ、そこにある。
我々は当然、レイプという恐ろしい現実に恐怖を覚えるが、多くの女性が悪い男に惹かれ、男の持つ暴力の暗い潜在能力を比類なき媚薬と見なしているのは思い違いかな。
今作品は、欲望と殺意の間の暗い亀裂の中ですべてが行われる。
女性を憧れさせ、燃え上がらせるものに専ら魅了されているように見えるジェーン・カンピオンの作品であることは当然であり、『ピアノレッスン』のような形式的な優雅さや『さ聖なる煙』のような冷酷なキャラクターの相互作用はないけど、他のどんな作品とも違う官能体験（そして感覚的）であることが示されていました。
今作品は観てる側に寄り添い、イソップのサテュロスのように、熱い息と冷たい息を同時に吹きかける。
血を抜かれた体の一部や凍った湖とか、極寒のシーンであっても、登場人物たちの内なる熱は手に取るようにわかる。
ディオン・ビービーの撮影は、『聖なる煙』のような深い色彩で、別世界のパレットから飛び出してきたかのようでした。
焦点は端で熱の歪みのように波打ち、外界を曖昧にし、我々の注意を登場人物の身近な現実に集中させる。
物語は、表向きは殺人ミステリーでした。
フラニー（メグ・ライアン）と異母妹のポーリーン（ジェニファー・ジェイソン・リー）は、マロイ刑事（マーク・ラファロ）が捜査中の連続殺人の目撃者となる可能性がある。
姉妹は30代後半で夫に憧れ、それぞれオナニーや既婚の医師と寝ることに落ち着く。
この刑事はちょっと雑魚キャラやけど、その分、直情的で動物的なところがあり、フラニーは完全に目をそらすことができない。
ラファロは、カンピオン監督が過去にハーヴェイ・カイテルを起用したのと同じように、低学歴やけど鋭敏な魅力を持つ警官を演じている。
また、今作品は個人的にはラファロの最高傑作の一つであると思うかな。
今作品はホワイダニットとしては無意味である。
犯人とその動機は、フラニー（とカンピオン）が性的不安と恐怖の境界線、そしてその恐怖が単なるセックス以上のものとなる心理的領域を探るという、中心的な行動にとってまったく周辺的なものであることが判明た。
メグ・ライアンの美しく控えめな演技（彼女は一瞬たりとも以前のイメージを捨てようとしているようには見えず、ただこなしている）に助けられ、カンピオンと脚本のスザンナ・ムーアは、自分にとって良くない可能性の高い人物に引き寄せられた女性の矛盾した衝動を描き、この肖像はおそらく誰もが経験してきたことをある程度反映したものとなっていると思います。

ニコール・キッドマン製作、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオン監督・脚本、メグ・ライアン主演の官能サスペンス。

しかしfilmarksの平均評価めっちゃ低いな😆💦
まあなんとなく理由は分かる。
はっきり言っちゃうとサスペンスにしてはかなりエロくてグロくて暗い、つまり尖っているのだ。
それは僕にとってはマイナスポイントでもなんでもない。

共演はマーク・ラファロ、ジェニファー・ジェイソン・リー、ケヴィン・ベーコンと文句なし。
特にマーク・ラファロの謎めいた卓越した演技と、ジェニファー・ジェイソン・リーの自然な演技は素晴らしい。
大好きなメグ・ライアンはイメチェンしようと身体を張って頑張ってた、うん、抑え気味の演技で頑張ってた。

ざらついた赤を基調としたダークな映像と相まって非常にひりひりした雰囲気を醸し出している。
この雰囲気はとても好きだ。
サスペンスとしてもミスリードや伏線を巧みに用いてしっかりまとめている。
例によって僕は最後の最後まで犯人は分からなかった(笑)

メグ・ライアンの大胆な脱ぎっぷり、自慰行為やマーク・ラファロとの激しい絡み、官能小説並みの言葉のやり取り、そして殺人シーンやイメージシーンなどはかなりグロいので鑑賞される方は注意して欲しい。

オープニングとエンディングに流れる
「ケセラセラ」
もちろんいい曲だけど、う〜ん、なんで！？(笑)

これはミステリー・サスペンス🎬でしょうか⁉︎


オープニングで「ケ・セラ・セラ」が流れるから・・ラブストーリー⁈なんて勝手に思いながら鑑賞しましたが如何も違う。


大好きなメグ・ライアンが何か淫乱⁉︎

バラバラ殺人が起きる・・事件の聞き込み捜査に来た刑事と主人公は関係を持つ事になってしまう。

手首の刺青・・刑事の行動が何か怪しい・・刑事が真犯人なのか？・・と思わせておいて次から次へと怪しい人物がどんどん出て来る・・ストーリー展開がゆっくりだからミステリーか？、恋愛ドラマか？混乱して来たぞ！


うぅ〜ん・・そうかっ‼︎

よくあるパターンでした・・面白かった迄は言えない映画でした。残念‼︎