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『遠い道のり』に投稿された感想・評価

グイ・ルンメイつながりでのDVD鑑賞(第2弾)。再生開始時点で、彼女がヒロインであること以外の予備知識はゼロ。

接点のなかった男二人と女一人、三人それぞれがそれぞれに欠落を抱えていて、それを埋めるための道行きを描いたロードムービー。言葉による説明を極力排した、静謐なフィルム。

無言の間(ま)に表される感情、ところどころの印象的な長回し、端正で的確なサイズのショットは、大いに僕の好みの映画だった。主役の一人はフィールドレコーディングが旅の目的の一つであり、劇場の環境であれば、その「音」の印象によって作品全体の印象もだいぶ違ったのかもしれない(DVD 環境では音はあまり印象に残らなかった)。

グイ・ルンメイは終始伏し目がちで、おそらく当時の彼女の最大のチャームだった屈託のない開放的な笑顔はほぼ封印しており、(敢えて)特別なビューティーショットを撮ろうとしていないストイックさも良い。

印象的なショットも多かった。前半で言えば、ルンメイの登場シーンでの鏡や曇ったガラスをうまく使ったキャメラワークや、中盤の男二人が邂逅した直後の埠頭での会話のシーン、終盤の焚火越しのルンメイのアップなど。

序盤の精神科医と患者の女性のカウンセリングのシーンなども、ごく普通の切り返しの連続なのだが、異様な緊迫感があつて強く印象に残っている。

物語について言えば、この静謐なトーナリティのフィルムで、「安易なエンディング」にはしないだろうと思って(そう願って)見ていたが、そうなる直前の「際(きわ)」のところで物語が閉じられ(基本的にはオープンエンディング)、そこも良かった。

全体的に、フィクションの作り方が、同じ台湾の侯孝賢っぽさもあったように思うし、どこか青山真治の北九州サーガっぽさも感じた(こっちは風景の映し方からかもしれない)。
林靖傑監督についてはネット上に日本語の情報が殆ど無いのだが、検索すると(中国語のページによると)1967年生まれで、本作以降は長編のフィクションは撮ってないようで、ドキュメンタリーや小説執筆のフィールド活動している模様。世代的には侯孝賢の20歳下、青山真治とはほぼ同世代で、なんとなく納得した。
かなり好きかも。喪失と希望。ロードムービー要素。グイ・ルンメイのオシャレ、息を呑む美しさ。
音を追いかけて彷徨う抒情も良い。

変わり者の精神科医、一途な録音技師、美しいOLの組合せ。どこか村上春樹的な気もする。
akrutm
3.5
心に空虚感を抱えて都会(台北)に住む男女3人が旅を通じて自分を見つめ直していく様子を、台湾の豊かな自然やそこで収録された音を通じて印象的に描いた、リン・チンチェ監督の長編デビュー映画。

録音技師の男性(モー・ズーイー)は、台湾じゅうを旅しながら、各地で収録した音をカセットにして、別れた恋人に送り続けている。その恋人が以前借りていた部屋に引っ越してきた女性(グイ・ルンメイ)も、不倫愛のために精神的に不安定で、お酒に少し溺れている。ある日、前住人宛に何通も届く封筒を開けて、そこにあったカセットを聞いているうちに、心にやすらぎを覚えるようになる。しだいに録音された場所でそれらの音を実感したくなり、旅に出る。精神科医の男性(ジア・シャオグオ)も夫婦関係が上手くいっておらず、何もかも捨てて、昔の恋人に会おうと旅に出る。

大きな出来事が起こるわけではなく、台湾各地の風景をバックに登場人物を映すシーンも多いという点では、人によっては退屈と感じるかもしれない。でも「旅」と「音」という2つのキーワードによって3人の男女が緩くつながっていく様子がとても心地良いし、旅情を誘う台湾の風景も美しい。『藍色夏恋』から5年経ち、大人の魅力ある女性になったグイ・ルンメイの透明感のある美しさが印象的。今度は、自転車ではなく、スクーターで台北を飛び出していく。スマホが発達した今となっては、カセットに録音して郵送するなんて行為もどこか新鮮である。と言っても、携帯はすでに作中でも出てくるので、それほど昔の話ではない。最後の終わり方もほったらかし過ぎるようにも感じるが、このくらいの方がこの映画には合っているのかもしれない。

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