インパクトのあるタイトル、オシャレな音楽から始まるオープニング、顔をマスクで覆う正体不明の殺人鬼、次々と死ぬ美女など見所は色々あったものの、好きなジャンルで期待値が高かったからか思っていたほどハマらなかった。

何デニールなんだろう。

舞台はイタリアの高級服飾店。
館と言った方が通りが良さそうな店の従業員・モデルの女性たちが殺される事件が発生。
犯人は黒づくめで顔をストッキングのような覆面で隠している。
犯人は誰で、どのような理由で殺されたのだろうか。

どいつもこいつも怪しげな行動をするので、観ている者を疑心暗鬼にさせてくる。
50年以上前の作品なので、話自体に新鮮味があるわけではないけれど、火サスみたいなもんだと思えば楽しんで観ることができます。
尺が短いのでテンポよく進んでいくのはいい点でもあり、説明不足で置いてけぼりにされてる感じもしないではない。
でも割と面白いし、赤色の使い方がキレイで良かったです。

初めてのジャーロ(ジャッロ)映画。

サスペンス物はあんま観ないが…まぁ頑張る。ｗ



高級衣装店の美人モデルのイザベラが何者かに殺害される事件が発生。
警部が来てお店の人々やイザベラの恋人のフランコ(ヤク中)を調査する。(みんな怪しい。ｗ)

そんな中、美人モデルの1人であるニコルが偶然イザベラの日記を発見。
ニコルはフランコの様子がおかしい事を知り、フランクの家にやって来るが、謎の覆面に襲われて殺されてしまう！

その後も謎の覆面に次々と殺されてゆく美人モデル達。
誰も彼もが怪しすぎて、捜査は難航を極める。

果たして犯人は誰なのか。そして犯人の目的とは。




覆面の殺人鬼に襲われる美人モデル達を描いた、イタリア産の猟奇ミステリー映画。
イタリアの猟奇殺人を描いたジャンル、「ジャーロ(ジャッロ)」映画の基礎を築き上げ、スラッシャー映画の原型となった作品。


本作…というか「ジャーロ(ジャッロ)」系の映画はサスペンスとしての謎解きや犯人捜しより、女性が殺される手口をじっくり見せることに重点を置かれている。

実際、本作の殺し方はかなりバリエーションに富んでいるし、殺しの場面はどれも芸術的にオシャレに描かれている。
(グロさは皆無、精々手首を切って自殺に見せかけるシーンが痛そうに見えるくらい。)
映像やBGMも上品に描かれていて、人がエグく死にまくってるにも拘らず、何か洒落た文学映画を観てる気分になります。ｗ


その一方で、謎解きの方は割とおざなりです。
タップリじっくり時間を掛けて描かれる殺しの場面が見せ場になっているから仕方ないけど、サスペンス性は割と少な目。
(ってか、女性面子は兎も角、男性陣が皆皆み～んな怪しすぎ！ｗ)
本編が残り18分ぐらいになってようやっと犯人の正体が描かれる。
そのすったもんだの末の末路も割とあっけなかったりする。

お話自体も割と人物関係が複雑だったり、前半の捜査シーンがクライマックスに何の影響も及ぼさない(！？)等、話を追うのは少々骨が折れるかもしれん。
(そこまで複雑なお話ではないが。)


何か文句の方が多くなったような気がするが(汗)、スラッシャーや猟奇映画の原型として中々興味深く観れたし、お洒落な雰囲気や美しさを感じる事が出来ました。
個人的には「ジャーロ(ジャッロ)」系の作品と初めて触れ合えただけでも儲けものでした。ｗ

• #サスペンス
• #ホラー
• #殺人鬼
• #スラッシャー
• #狂気
• #恐怖
• #ジャーロ
• #ジャッロ