血みどろの入江の作品情報・感想・評価

「血みどろの入江」に投稿された感想・評価

‪‪チャカポコチャカポコした劇伴が妙に頭に残る‬
‪誰が誰を殺したとかは全っ然分からないんだけど、オープニングのババァ殺しと中盤のカップル串刺場面が素敵だった‬
‪オチがついたようでついていない終わり方も好き‬
残虐シーンはそれなりに楽しめる。がそこまで血みどろではなかった。
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.7
バーヴァ渾身のタコ映画。開始15分あたりからもう何やってんだか全然分かんないんだけども、とりあえず鮮血と生首が飛び交ってて壮観。13金シリーズがいかに影響を受けたか(てかほぼパクリ)よく分かる。『モデル連続殺人!』の方がお話的には好きだが、チプリアーニの音楽がエロエロでこっちの方が白日夢的な妖艶さがある。
ダリオアルジェントの"生涯の師"であるイタリアンホラーの第1人者、マリオバーヴァによるスプラッターサスペンス

ズームを多用した奇怪な映像、赤や青を基調とした美しく不気味な惨殺シーン、容赦ない血飛沫の量

今の時代に見ても充分恐ろしい要素が詰まった傑作

人間が殺される直前にBGMがパタッと止まるところなんかゾッとする
TAKA

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3.6
初マリオ バーバ
冒頭の15分最高 ゴシック調の雰囲気に華麗なカメラワーク。このままゴシックホラーテイストで行くかと思えば、中盤からは13日の金曜日となる。全編に渡って美しいシーンが満載で尚且つ殺人シーンもこの時代にしてはよくできていると思う。ただ1970年の作品なので展開が遅く自分にとっては、やや退屈でした。しーかーし自分の大好きなアルジェント監督の師匠の作品を見る事ができてよかったです。

このレビューはネタバレを含みます

登場人物が沢山出てきて、皆、入江の権利を巡り、お互い殺し合いまくる映画。
複雑すぎて誰が誰を殺したか見た直後に忘れる。そして全員死ぬ。
そーゆー意味ではホークスの三つ数えろ的に近い。

個人的には、ヤッてるカップルを2人まとめて槍で一突きするシーンが好き。ラウラ・ベッティのクビチョンパのカット⇒割れる陶器の人形のカットの繋ぎとかも好き。あと、お色気担当ねえゃんの首を、鉈の先端のとがったとこでシュパってするとことか。水死体にたかる蛸とか。そういうの好きだな。

ラストの処理も良い。
暗がりで二人の男が殺し合って一人が起き上がって、どちらが勝ったのが心配そうに見つめる女の顔のカット⇒時間が飛んで、抱き合う二人のカットになるとこなんか、ヒッチの『北北西に進路をとれ』のラストに似ている。あの鮮やかさ。
McQ

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4.2
ホラーマニアの方のレビューに惹きつけられて、、

捻りないなぁ、、と思いきや捻りまくりだった。というより、やりたい放題。この展開は先読み不可能。確かに血みどろのドロドロ、、笑

アルジェント監督とは明らかに質の違うグロ描写!(チープな部分もあるけど妙に生々しい。普通にキモい)

アマゾンチックで独特なノリの音楽も良かった。

白髪のおっちゃん&金髪レディーのペアが途中まで2組いる事に気付かず戸惑ったので、ここはもうちょい特徴変えて欲しいところ、、苦笑

ビジュアルでは断然「モデル連続殺人!」のが好きだったけど、、

このラストは最高すぎる。
lag

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4.5
入江の所有権をめぐって殺意と欲望が渦巻く。無関係のアホな若者たちも居るよ。殺し方も魅せ方も、なんとも耽美。音楽はどこかの部族みたいな打楽器から、目眩がするほど美しいクラシカルまで。なんとまあ幅の広い。しかも中途半端ではないのよね。

後味スッキリ。超絶クール。やられたよ。
私が敬意と親しみを込めてつい師匠と呼んでしまうダリオ・アルジェントという監督がおられまして、本作はそのダリオ師匠の師匠にあたるというマリオ・バーヴァ監督(マリオ師匠?)の作品でした。マリオ・バーヴァ作品は初めてでした。

映像が脳に突き刺さってくるのでした。
開いてはいけない感覚が開きそうでした。

テクニカラーの色味のよさをうまく引き出していたような。
冒頭の水面のシーンがもう最高です。
そこに虫が落ちて波紋が広がる、というところは、その後に展開される(とってつけたような)物語を律儀に象徴しておりました。

しかもこのとき水面に現れる波紋=円がですね、ずっと頭にこびりついてしまい、それから画面に円が現れるたびに反応してしまうのです。ある意味ゴダールの原色みたいな役割をはたしておりました。こういうのなんていうの?映像上の主題?視覚的な音楽みたいなやつ。

色や形や質感の表現(視覚的な表現)へのこだわりがすごかったですね。今はこんなこと誰もやらせてもらえないんだろうな。

ストーリーにあまり関心がなさそうなところはダリオ師匠と同じでしたが、ダリオ師匠のようにどこかがぶっ壊れたりはしておられないようでした。いい感じ。
horahuki

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4.3
入江を手に入れるのは誰だ!
金とゲンゴロウとタコと全裸美女が入り乱れる殺人鬼バトルロワイヤル!

めちゃくちゃ面白い!!
スラッシャーの元祖と言われている作品です。純粋なスラッシャーってわけでもないけど、ホラーの中での多ジャンルミックスというか、色んなサブジャンルが生まれる過渡期的な色合いがあってとても興味深い作品でもありました!

あらすじ…
入江の所有者の金持ち夫人が殺された。容疑者とされてる夫は行方不明。その事件が発端となり、さまざまな人物の思惑があらわになっていくが、それと同時に現場となった入江に若者集団が遊びにやってくる。早速イチャつき、おっぱじめる若者たちだったが、何者かが刃を持ち襲ってきて…。

マリオバーヴァのドキュメンタリーで興味出たので早速見てみました。ドキュメンタリーによると『13日の金曜日』のオリジナルということでしたが、これは確かに影響受けてますね。中盤なんてまさに13金。顔面斧真っ二つとかヤってる男女を串刺しとか。

冒頭9分で傑作だとわかる素晴らしい演出。光り輝く水面で抒情的なムードを漂わせつつ、入江に似つかわしくない豪華な内装の屋敷を車椅子でひとり窓へと向かう老女のシーンでゴシックな雰囲気をも感じさせる。

老女を真正面からのカメラと斜め後ろからのカメラで交互に捉えることで独特な間をつくり、平穏で抒情的な中にも不穏な空気を漂わせる。そして突然のショッキングなシーンへと繋がっていく。この、セリフを完全に排したうえで行われる残虐な殺人はどこかジャーロのようであり、バーヴァらしい。足を垂れ下げる老女と、カラカラと回る車椅子の車輪。車輪の回転と老女の命の灯火のシンクロも良いし、安心させたところでの扉を使った怪奇なゴシックホラー的演出にも引き込まれました。セリフや無駄な音を排してるが故に他の重要な音が映えるんですよね。さすがバーヴァ。

中盤までは入江を舞台にしたスラッシャー。シーンによってジャーロを見てるような気分にもなるし、80年代のスプラッターを見てる気分にもなる。グロシーンのクオリティは80年代の作品群には劣るようには思いますが、それでも工夫を凝らした特殊メイクは見もの。もしかしたらトムサヴィーニも影響受けてんちゃうんかな。

本作は登場人物が多数登場し、中盤以降は入江の所有権を巡ってのそれぞれの思惑が入り乱れ、バトロワ要素を帯びてくる。とにかく全員が入江の所有権になにかしらの興味を持ってるわけです。その大きな目的だけを提示し、個別の細かい事情を隠したまま物語が進んでいく。それ故にひとりひとりの行動や思惑が読めず、誰が何をしようとしてるのかが不明なため、先が読めず物語への興味が途切れない。

そしてクライマックスの暗闇を使った恐怖演出も素晴らしい。乱闘中にあえて真っ暗闇にして観客には何が起こってるかわからないようにしつつも、光が消えるまでの展開で絶望と希望の二つの選択肢を提示する。だからこそ暗闇に浮かび上がる人影の恐怖感が際立つ。ここはもうちょっと時間使って見せて欲しかったし、少しわざとらしさがあるのとカットのタイミングがあまり好きではないですが、その後のラストのアレでそんな違和感も吹っ飛びます。なんじゃそりゃ!最高です(笑)

スラッシャー・スプラッターであり、ジャーロでありゴシックホラー色もある。そしてミステリーでもあり、バトロワ要素も。過去のものやこれから生まれるものがミックスされたホラー史的にも価値のある作品ではないかと思いました。

あと、本作でゲンゴロウが串刺しになるシーンがあるんですけど、虫を殺すことの罪悪感からかバーヴァは夜寝れなかったそうです。じゃあ殺さなきゃいーじゃんって思いますが、色々と事情があったんでしょう。こういうところでもバーヴァの人柄が伺えますね。
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