こっちはこっちで『揺れる大地』なんかを想起しながら、同時期のイタリア映画との親和性があったりするのかしら、って『揺れる〜』とはかなりの年代差があるが…。いつ新しい人生が始まるんだろうと思ったら結構唐突に始まって唐突に終わった、それまでの人生が終わった人もいるし。職業適性検査みたいのやった事ある。前作があんな終わりをしたが為にちょっと優しくなっている？初期2作はめっちゃ観やすかった。

話に煮え切らなさがあったところとかは微妙に思ったものの、監督デビュー作同様に勅使河原宏や吉田喜重を髣髴とさせる映像や、海や河の仕事を記録映画風に撮るネオレアリズモ的描写等には沁み入るものがあった。

しかしその地域特有の仕事や家とか、そういうものが映っている作品ってのはそれだけでも価値や意義が感じられるし、日本でもこの時代もっと土着的な作品を撮った方が良かったかもしれないなと少し考えてしまった。

労働シーンのパワフルなドキュメントタッチ。かと思えば濃厚なメロドラマな撮り方、サスペンスフルな賽銭盗み女との一連のシーンと、色んな映画が混在しているかのよう。
元の会話がそうなのか、字幕がそうなのか分からないけどこの人達会話噛み合ってなくない？と余計に混乱してしまった。
波で家が流された後の白っぽい画面が最高だった。