古い映画だが、今にも通ずる新しい映画だった。
女優であり日本の女性映画監督2人目である田中絹代監督作品。
昭和33年売春防止法が施行されたが、その後も売春は絶えなかった。摘発された女性たちは、更生…
なかなかダークな題材ではあったが、テンポの進み方や、それぞれのキャラクター性がすごく良くて観やすい作品だった。
売春防止法による、今日まで善だったことが次の日には悪になるという、なかなか哲学的なこと…
たしかに、溝口の女たちの物語とは確実に違う。千景ママのまっすぐな目と京子マダムの安定感。浪花千栄子ってこういう役もできるのか…結構笑ってる人が多かったけど、私は胸がギュッと締め付けられる思いだった。…
>>続きを読む桂小金治夫妻の会話を2階につながる階段の上から盗み聴きする原知佐子。浪花千栄子の死の必然性。シネスコの意味。よろずや酒店(2階で下宿)→女工多数の工場(寮は大人数で相部屋)→薔薇園(近くの寺で気心の…
>>続きを読む売春防止法施行、赤線廃止から数年。消せない過去に囚われ克服出来ない哀しさ。
原知佐子の鬼気迫る演技。彼女の素性を知るバラ園夫婦に雇われて一件落着かと思いきや容赦のない展開。
私的田中絹代監督…
【原知佐子が魅力を発揮した佳作】
野暮用で上京したら神保町シアターで田中絹代特集をやっていた。田中が女優であるばかりでなく、監督もしているというのはこれで初めて知った。田中絹代監督作品の一本がこれ…
菅野優香『クィア・シネマ 世界と時間に別の仕方で存在するために』(フィルムアート社)で本作の浪花千栄子演ずる梅毒患者でレズビアンの元老妾・亀寿について言及しているのを読んでから気になっていた作品。…
>>続きを読む田中絹代は戦後それまでのアイドル女優のようなイメージを払拭するため積極的に売春に従事する女性など体を汚された女役を演じ戦後の女性像を体現していたが、彼女たちがその後どうなったのかを自らの監督で提示し…
>>続きを読む女優の割り振りはどうやって決めたんだろう。中北千枝子や沢村貞子は善人も嫌味な役も、どっちでもやれそう。
売春防止法が出来たのち、娼婦をして暮らしていた女たちに、別の自活の道を見出してやる婦人寮。だ…