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『ペン偽らず 暴力の街』に投稿された感想・評価

3.5
では一体新聞の使命とは何なのか、それは事実を客観的に捉え真実を伝える事ではないか。

この映画は埼玉県本庄町で起こった警察・暴力団・政治家の悪の利権トライアングルとして癒着構造が成り立ち、そこに立ち向かう新聞記者と市民とが一体となる〈本庄事件(1948年)〉の実話ベースの壮絶な戦い。

五社協定中の最中、独立プロ製作で東宝・大映・松竹と各映画会社や劇団系から精鋭の俳優陣が揃い、骨太の社会派ドラマをセミドキュメンタリータッチで描き山本薩夫が暴力団の抵抗を受けながらも製作。

こう言った反権力的社会派作品は大きな集客も期待できず、大手五社では製作に踏み込みにくく左翼系独立プロで当時は作られたもの。

昨今のマスメディアが事実を追求する以前に結論(願望か)有りきで事実と事実の隙間の空白を思惑や妄想で埋め、挙げ句の果てに何も掴めないと『疑惑は深まった…』と言う締め言葉で片付けてしまう。

その埋めた空白の思想や妄想を誇張したものをマスメディアは嘲笑いながら垂れ流し、一般大衆は伏せられた真実から遠ざかり偏見の虚像で客観性を失い盲目と化す。

いつの時代も偏った報道は伝達する意思を持った時点で私見と成り、忖度や私利私欲が付きまとうのはマスメディアに関わらず映画界も同様。

平和ボケからか権力に抵抗してるかのように見せかけ、権力に都合よく迎合する輩たち。

取材せずサラリーマン化し偏見や誤報や捏造を繰り返す腐敗した今の堕落した新聞はいずれ消滅し、購読者数の激減が示す通り真実は愚か事実を伝える役割は既に終わっている。

この作品をあの新聞記者にもあそこの新聞記者にも観せたいが、多分観ても理解できないだろう..★,
◎大傑作!終戦後日本版ペンタゴン・ペーパーズ

1950年 製作委員会 大映配給 111分 モノクロ
スタンダード *画質悪く聴き取れぬ音声多し

いやぁ、驚いた。
こんなに凄い大傑作が、戦後まもない日本で作られていたとは!

地方議員による住民に対する暴力支配と賄賂供与による警察・行政の腐敗を新聞記者たちが暴き出し、ついに住民による民主化運動が立ち上がるという、まさに和製『ペンタゴン・ペーパーズ』(2017年)。それも67年も前。

状態が悪く音声が極めて聴き取りにくい(デジタル修復して欲しい)が、我慢して観ていると面白さに我を忘れて気にならなくなる。

【以下、ネタバレ注意⚠️】







出演も志村喬、池部良、岸旗江、三條美紀、宇野重吉、滝沢修、三島雅夫、殿山泰司、花沢徳衛、船越英二、多々良純、大坂志郎、下條正巳、根上淳、中條静夫etc.‥と文字通り豪華オールスターキャスト。

それもそのはずで、本作は、監督の山本薩夫や脚本の山形雄策ら、1948年の第三次東宝争議で自主的退社という形でパージされたスタッフが中心となって、日本映画演劇労働組合(日映演)が製作委員会の母体となり、組合が会社から受け取った補償金1,500万円を充てて製作された。
このため、冒頭のクレジット表記も、メンバー間に優劣の差をつけない、という労働組合の思想を反映してか、所属別に五十音順で列挙される形を採っている。

昨年、アメリカで俳優組合による118日間にも及ぶ長期のストライキが行われて話題を呼び、それに対して音無しの日本の映画界との違いについても注目されたが、それと同様か、それ以上の規模の事態が戦後すぐの日本で繰り広げられていたのだ。

*1 CULTURE 2023.11.10
ハリウッド俳優のストライキが終了、将来的なAI利用や配信ビジネスにとって重要な転換点になる
wired.jp/article/hollywood-actors-strike-ends-ai-streaming/

*2 「東宝争議」で検索
ja.m.wikipedia.org/wiki/

*3 日本映画の運命を決定づけた戦後最大の労働争議はなぜ起こったのか
東宝争議 #1
小池 新 2021/10/2
bunshun.jp/articles/-/49488?page=1

ノーランの『オッペンハイマー』(2024.4.1レビュー)において、政府が主導した赤狩りの一環としてオッペンハイマーにソ連のスパイとの嫌疑がかけられ、1954年に秘密聴聞会で追及を受けたことが扱われ話題となっている。

特に若い世代からの、歴史を知らないので意味が分からないという感想があふれているが、実は他山の石どころか、それよりも早く、我が日本映画界においても、アメリカ政府≒GHQの指導によって同様のレッドパージが苛烈に行われたのだ。
この事実を知ることは、現在の日本における政治的無関心や無力感について考える上で重要な手がかりを与えてくれるだろう。

だから、とりあえず監督した山本薩夫が日本共産党に入党していたことや、日映演(日本映画演劇労働組合)も日本共産党の指導のもとに1946年に結成されたこと、本作のモデルとなった「本庄事件」を報道したのが朝日新聞であったこと、などの事実や自身の政治的信条は棚に上げて、ひとまず色眼鏡なしに、虚心に本作を観て欲しい。

山本薩夫は映画ファンなら文句の付けようがない名監督だと認識している存在だし、本作では、共産党を含め、一切の政党・党派は出て来ないからでもある。

モデルとなった埼玉県本庄は、劇中では「東条町」と変えられ、新聞社は「東朝新報」(*4〜7 )となっている。

*4 Wikipedia は正しく全国紙「東朝新報」と表記しているが、何故か上映館の京都文博の解説含めて「大東新聞」と誤って記している。

*5 「暴力の街」で検索
ja.m.wikipedia.org/wiki/

*6 コラム 『日本映画の玉(ギョク)』
Jフィルム・ノワール覚書③
『暴力の街』とその周辺 Text by 木全公彦
www.eiganokuni.com/kimata/83-2.html

*7 暴力の街(1950・日本)
1950年2月26日公開、111分、社会派
moviewalker.jp/mv27041/

とにかく、群衆含めて、出演者の数が膨大で、一部出オチ的な出演もあるとは言え、すべての演者が活き活きと所を得て役割を発揮できているのが、まず凄い。

なかでも志村喬の渋さが光る不屈の支局長は出番も多いが、何と言っても、ヴィランの大西町議を演ずる三島雅夫の口角を片方だけあげながら凄む悪相が出色で、間違いなく彼のベストアクトだ。

小さな役までおろそかでない例としては、東朝新報が臨時取材基地を置く旅館の亭主を演ずる殿山泰司をあげたい。
シングルファーザーの設定なのか、いつも赤ん坊を負ぶっているのが可笑しく、最後のクライマックスである町民大会の群衆のなかでも、おんぶ姿で映るのは傑作だ。

撮影も、サスペンス感の演出にも凝っていて、北記者の家の隣が大西の弟分、博徒の狩野組のアジト。
賭けでモメた相手を、狩野組の若い衆が桑畑(だったかな?)に出て、ボコボコに殴る蹴る。
そのカメラが上にパンして、桑畑の枝を映したかと思うと、奥の方から蒸気機関車が走って来て、左斜め上に走り抜ける、など。

もちろん、町中に屯して、悪さの限りを尽くす狩野組や大西の配下の動きは、アメリカンなギャングものを思わせるノワール風味で撮影したりもする。

加えて、実際の町民たちを参加させたりするドキュメンタリー的な手法もふんだんに取り入れられている。

何より、これを事件が継続中の本庄市で撮影したという心意気、肝のすわり方が心底凄いとしか言いようがない。

とにかく、いかな暴力、警察や会社からの有形無形の圧力にも屈せず、正義を貫いた記者や賛同者の力が町民を動かしていく様が痛快だし、サスペンスフルなエンタメ要素もたっぷり味わえる。

文博の解説を一部引用すると、
「本作は占領軍からのお仕着せの民主主義映画が氾濫する中で、ジャーナリズムによるペンの力と市民の団結する力を描いて共感を呼んだ。この『暴力の街』は大映に1,600万円で引き取られ、封切られた」
というから本当にヒットして黒字が100万円出た訳だ。
(この100万円を元手に今井正、山本薩夫、亀井文夫らが新星映画社を旗揚げし戦後独立プロの先駆けとなった、と解説は締めくくる。)

正直、映画としてはお粗末極まりなかった『新聞記者』の藤井直人監督や『福田村事件』の森達也監督は、改めて大傑作の本作を観て、映画作法を一から学び直して欲しいものだ。

《その他の参考》
*8 中年オヤジの独り言
「ペン偽らず 暴力の街」 本庄街なか映画館 本庄市
08/12/22
blog.goo.ne.jp/yiokowaruiko1188/e/17302ee4710cf2a32fa295159ae43277

*9 ソルティはかた、かく語りき
● 北関東のある町で 映画:『暴力の街』(山本薩夫監督)
2023/11/22 11:00
https://saltyhakata.livedoor.blog/archives/10133008.html

*10 パンクフロイドのブログ
記者の良心が不正の蔓延る街を変えていく「ペン僞わらず 暴力の街」を観て
2023-08-25 07:00:00
ameblo.jp/punkflod/entry-12817383669.html

《上映館公式ページ》
京都府京都文化博物館
社会派サスペンス映画劇場
2024.6.4(火) 〜 6.30(日)
www.bunpaku.or.jp/exhi_film_post/20240604-0630/
1948年、現・埼玉県本庄市で起きた、朝日新聞記者への暴力事件とそれに端を発した”暴力団と癒着する警察行政”の是正運動、いわゆる「本庄事件」の映画化。日本映画演劇労働組合が東宝争議の妥結条件として受け取った1500万円を資金に製作。本作公開の後、映画界のレッドパージが行われた。

映画の中で”保守勢力が暴力と結びついた時にファシズムが起こる”と定義される。序盤はその暴力描写があまり激しくなくほのぼのとさえ感じてしまったが、後半に進むにつれ刃物や銃での脅しが描かれ深刻さを増していく。

戦後のどさくさの中ではたくさんの不正がはびこっていた。同時に、戦争の反省を礎にした反権力的な市民運動パワーも大きかったのがわかる。

現在では当時のような反権力精神は失われたように思う。さらに自己責任論の定着もあり市民も孤立者の集合体になった。同じく孤立するのなら「連帯を求めて孤立を恐れず」となっても良さそうだが、そうはならないのは何故かと自問しながら鑑賞した。

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