青い山脈の作品情報・感想・評価

「青い山脈」に投稿された感想・評価

Hiromasa

Hiromasaの感想・評価

1.0
戦後民主主義映画。退屈のきわみだし、政治的にはいろいろおかしい。
「青い山脈・前後編」1949

「古い上着」は軍服、「淋しい夢」は帝国主義。

沼田医師「なるほど新しい憲法や法律ができた。みんな(女学生達)が学校出て嫁に行く、すると姑や小姑たちからいじめられる。亭主からは時々殴られる。そういう暮らしに我慢してやっと経済的にも余裕ができたと思うと今度は亭主が酒を飲んだり女遊びを始めたり、そういう生活に耐えていくのには、ある程度馬鹿であることが必要なんですよ」

封建的男女差別、家制度が女性を踏みにじる悲劇は今も残っている。

島崎先生「あなたはこの古い町の中で本当にどんな気持ちでお暮らしになってらっしゃるんです?」

沼田医師「そうですね、親父の跡を継いで町医者になった。やがて地方の豪農から持参金付きの娘でも貰いますかな。働いて金が溜まったら博士の肩書きを買う。その間に綺麗な看護婦に手をつけて家庭争議を起こす。それから市会議員に出る。腹が段々突き出て物分かりのいい紳士になる。1人くらい囲い者がいるのも貫禄がついて悪くない」

島崎先生は沼田医師を平手打ちして去って行く。

沼田医師が冗談交じりに披瀝した男尊女卑の地方名士の人生観は、今だって生きている。あちこちの地方都市で起きるセクハラ事件がそれを証明している。

石坂洋次郎は、今は全く顧みられることがない作家だが戦後は大変な流行作家だった。民主主義、男女交際、反封建主義を分かりやすく描いた国民的作家だった。石原裕次郎主演で映画化された作品も沢山ある。

石坂洋次郎はもう古いのか?いや、彼が戦った戦前の価値観を復活させようとする連中が幅を利かしている今こそ見直されるべきだ。

松山淺子「私、手紙を書いたのは悪かったと思います。私達の母校を愛する純粋な熱量を先生に誤解されて残念です」

島崎先生「野田さんも松山さんも学校の名誉のためとか母校を愛する情熱とか言いました。そういう立派な名目で下級生や同級生を圧迫する。家の為、国家の為という事で個々の人格を束縛して無理やりに一つの型にはめ込もうとする。日本人の今までの暮らし方の中で一番間違っていた事なんです」

「古い上着よ、さようなら。淋しい夢よ、さようなら」

「古い上着」は軍服、「淋しい夢」は帝国主義。

この映画の最後は希望に満ちている。議論を尽くして多数決で決めている。反省した悪人とは和解する。

伊豆の海辺は光り輝く。

映画の制作者達はこれからの世の中を良くしていくんだという希望を持って映画を送り出した。なのに60年経過した今、意見を述べると叩かれる息苦しい国、同調圧力が人を押し潰す国になってしまった。

「青い山脈」は、石坂洋次郎は古くなってはいない。
RyoS

RyoSの感想・評価

3.6
圧倒的女学生・女子校感だった。なんか笑えるような、くすぐったいような感じ。“おかしい“のではないけれど、お嬢様でも女子校こじらせでもなくて、でもそれらが混ぜ合わさったような、どこか古臭いが新鮮な感じがして、ああこれが女学生というものかと。

戦後4年でこんなこと言えるのかって台詞ばかりだった。学校の名誉と連呼するあたり当時の軍国主義教育の影が色濃く残っているなと。そしてそれを客観視、批判する立場で描けるのがすごい!

ちなみにこれは前編で、まさかのところで終わります。後編は「続 青い山脈」だそうで。ソロモンの偽証みたい
三四郎

三四郎の感想・評価

3.8
新聞の見出し「制服の処女 学園の民主化を叫ぶ」これは、1931年ドイツで公開され世界中で大ヒットし、1933年のキネマ旬報外国映画ベストテン第1位に輝いた不朽の名作『制服の処女』へのオマージュであろう。
記事の内容は敵方の情報で真逆のことが書かれており論外だったが、「封建的なものと断固戦っていこうとする」その精神はまさに「制服の処女」的だ。

同じく封建制と闘う学園ものなら、戦前1940年製作の東京の女学校を舞台とした松竹大船映画『信子』の方が『青い山脈』よりも、もっと爽やかに思える。

「学校の名誉のためとか母校を愛する情熱とかって言いましたが、そういう立派な名目で下級生や同級生を圧迫する。家のため国家のためということで個々の人格を束縛して無理やりに一つの型にはめ込もうとする。日本人の今までの暮らし方の中で一番間違っていたことなんです」
素晴らしい名言。今の時代にも通用する言葉なり。
封建的な人々と新時代的な自由さを追求する人たちとの攻防戦。全体的な学生の精神が現代より遥かに大人っぽく興味深い。
着物の木暮実千代、パンツスタイルの原節子のコントラスト。

ナイフのように尖った原節子。凛とした、を通り越して、昭和版女王の教室かのごとくピシャリと言い放ち、ピリリとした雰囲気。
あんまり綺麗な顔の人が怒ると、空気の張り詰め方がとんでもない。真顔も超美しいけれど。
「叱って…もっと叱って」が良かった。

話し方が少し高峰秀子っぽく感じた木暮実千代が大変艶めかしい。芸妓役似合う。かずこの一年生とは思えない芸妓の血を受け継いだ口の上手さには一本取られた。久しぶりに好みの子役。

戦争時代のメンタリティが根付いてしまった影響の大きさを感じる作品。
封建的な田舎の町での出来事、女学校に通う杉葉子は高等学校の学生池部良と親しくなる
それを知ったクラスメートたちは偽手紙を弄して杉葉子をおびき出し、からかい懲らしめてやろうとするのだが、それを察知した杉葉子は担任の原節子に相談
相談を受けた原節子はクラスで首謀者たちを糾弾するのだが、猛烈な反発を食らう
自分は正しいと一歩も引かない原節子、首謀者たちのほうも頑なになり、次第に学校全体、さらには保護者、街の有力者をも巻き込む大事になっていく、、、

なんとなく予想では原節子と池部良の青春恋愛ものな気がしてたから、見てみると意外なお話

内容は現代の考えから見ると凄いなーって、、、くだらないと言うのか、そんなことで騒いでるの?って

クラスの女学生たちのヒステリックさが凄い、母校を愛する純粋な熱情なんて言葉も凄いけど、ハンカチを嚙み切らんばかりに悔しがり泣き喚き、杉葉子に退学を要求したり、自分たちが退学すると言いだしたり、、、やれやれです

原節子としては杉葉子にやましいことはないのだからとかばい、様々な苦難を乗り越えて戦い抜く決意なんですが
もし負けたら一緒に東京へ行こうか?みたいな展開とこの時のセリフが面白い

「あなた背が高くて綺麗だという以外に取り柄はなさそうだから、、、ダンサーでもするかな?」

どんな先生だよww 褒めてるのかけなしてるのか、なかなか凄いこと言います

個人的には見所多くて楽しめた映画なんですが、マイナス点としては明らかに続く!っていう半端で気になる終わりな点
続青い山脈ってあるのは知ってたけど、これじゃ前後篇みたいな感じじゃん
この作りで続編だけ見ても理解できるのかな?とか気になったり
見始めちゃった以上続編も見なきゃってなっちゃった、、、

この作品を見た目的と注目点では若山セツ子の女学生!
原節子の側につく、杉葉子の後輩で一年生の役なんですが
あの丸い黒縁眼鏡とおさげ姿のインパクト!そして明るくかわいらしいこと!
前から思ってたけど東村アキコのヒロインに似合いそう
特に海月姫なんかまさにこんな感じかと
出番はそんなに多くないんだけど、印象度は高くもっと見ていたいくらいかわいい!
Taul

Taulの感想・評価

3.0
『青い山脈』『續青い山脈』(1949)VODで初鑑賞。戦後4年、キネ旬2位、歌も大ヒット。当時求められた明るい未来を謳い民主主義を啓蒙する青春映画だが、旧来の社会への批判がとても強い。女性の生きづらさ、閉鎖的権力、不寛容さ、デマからの炎上と、今も通じる点が多くそれが驚きで怖いくらいだった。
原節子さん、いつも以上にきれい。自分の意見を持っている役柄なのがよいと思った。
「映画で愉しむ 石坂洋次郎の世界」@神保町シアター
SHU

SHUの感想・評価

3.6
聞いたことのあった作品が「続」と合わせて神保町シアターでやっていたので。

原節子さん綺麗だな〜。
銀幕のスターだぁ〜。

「封建」!
戦中、戦後の感じを批判してたのかな?
面白かった!
歌のイメージから爽やか青春モノだと思ってたら、意外と人間関係ドロドロでした。