アメリカ先住民と白人の和睦を描いた歴史ドラマ。
ジェームズ・スチュアート主演、ジェフ・チャンドラー共演、デブラ・パジェットがヒロインを演じる。

1870年代のアリゾナが舞台。
侵略者である白人と先住民のアパッチ族との間には争いが続いていた。金脈を探しに来たトム・ジェファド（ジェームズ・スチュアート）は白人による8発の散弾を背中に受けて負傷したアパッチ族の少年を助けたことが切っ掛けでアパッチ族を理解できるようなる。
彼はチリカワ・アパッチの族長のコチーズ（ジェフ・チャンドラー）を単身で訪ね、まずは郵便配達人を襲わないように頼む。
その時に出会ったアパッチの少女ソンシアレイ（デブラ・パジェット）を恋するようになる。
一方、グラント大統領からアパッチとの和睦の任務を受けたハワアド将軍は、トムの仲介によりコチーズと会見し、3ケ月の試験的な休戦条約を結ぶ。
トムはソンシアレイと結婚し、和睦も上手くいくかにみえたが.....　　

先住民と白人が対等に描かれているのが良いです。
ジェームズ・スチュアートの好演はもとより、コチーズを演じるジェフ・チャンドラーはキリリとした威厳と風格のある演技が素晴らしく、デブラ・パジェットも可愛らしい。
三人を軸にストーリーが進むが、有名なジェロニモも登場してストーリーを盛り上げます。
アパッチの結婚式なども興味深い。
エンディングは物足りなさと寂しさを感じるが、それ以外はハラハラしながら楽しめた。
ラブストーリーも絡めた当時を知ることが出来る貴重な作品です。
平和は簡単には手に入れることが出来ない。
辛抱と犠牲と強いリーダーがいてこそ訪れることがよくわかる秀作です！

「矢は折った　平和の道を探る！」　　

2022.4　NHK BSP で鑑賞（字幕：田中武人）

• #チリカワ・アパッチ族
• #グランド砦
• #”朝の星”
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• #アパッチ砦

“愚か者は今日しか見ないが、あなたは明日を見る”

『決断の３時10分』や『縛り首の木』の名匠デルマー・デイビス監督による先住民と白人の共存を描いた傑作西部劇だ。

退役軍人のトム(スチュワート)が怪我をしたアパッチ族の少年を助けたことで、族長コチーズ(チャンドラー)の信頼を得て、互いの架け橋となるべく尽力する。

特筆すべきは、これまで悪人として描かれたインディアンを単なる敵役としてではなく、時には白人と平等に、また時には彼らの視点から切々と描いた画期的な作品であるということだろう。

どこまでも誠実で苦悩しながら先住民と平和を築くことに尽力するトムを演じたスチュワートと、知的でまさに酋長としての風格を充分に漂わせるコチーズを演じたチャンドラーの芝居が胸を打つ。

理想主義と云ってしまえばそれまでだが、理想を掲げるのが人間ならば、実現させるのも人間であるべき。

ケビン・コスナー主演の『ダンス・ウィズ・ウルブス』が公開される40年も前にこのような作品があったことを我々は埋もれさせてはならない。

53 2022

ジェームズ・スチュアート主演、恐らく当時としてはかなり画期的で、西部劇についてインディアン側から描いた作品。白人達が侵略者としてしっかり描かれていて、インディアン達が誠実に、インディアン側の視点で描かれているのが面白い。

今であれば今作の描き方がとてもフェアであるのは明らかだが、当時としてはかなり新しい作品であったのではないか。先住民達の生活や信仰に寄り添う。ホワイトウォッシュがやはり気にはなるが。

銃撃戦やアクションには重きは置かず、人間ドラマを描く。ラストの余韻も苦く、深みのある作品になっている。