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花の降る午後
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『花の降る午後』に投稿された感想・評価

Kumonohate

Kumonohateの感想・評価

4.2
神戸の高級レストランを守る若き女性オーナーと、それを潰しにかかる悪女の対決が描かれる。

桜田淳子が出番たっぷりであることに加え、第13回日本アカデミーで助演女優賞まで取ってしまった(因みに主演女優賞も本作から古手川祐子)というオマケまでついた名作。健気で快活で可愛らしくてエレガントでつい応援したくなってしまうほど古手川祐子の魅力炸裂だが、それもこれも淳子さん演じる悪役の存在あってこそ。大胆なドレスに身を包み、ヒロインを陰険に追いつめてゆく憎ったらしさ全開の淳子さんの名演技が、ドラマにメリハリをつけてくれている。

お話は、前半はトレンディ・ドラマとしてスタートするが、途中から、サスペンスやアクションの要素が加わり、ググーっと盛り上がってゆく。神戸という土地柄やハイソな登場人物が醸し出すオサレ感と、その裏の顔としての「ここまでやっちゃうの?」的な振り切ったえげつなさとを、無理なくブレンドさせてしまう演出手腕は、さすが大森一樹監督である。

ムラマツ・キャップ(小林昭二)が小悪党、ハヤタ(黒部進)が大悪党として登場しているのも、今見てみると、なんだか懐かしい配役である。
ユウト

ユウトの感想・評価

4.0
神戸市政100周年記念映画。1989年東宝。
角川映画、初の女性映画。
大森一樹監督、キスシーンもしっかり撮れるようになりました。

大森監督は『恋する女たち』『トットチャンネル』が傑作。
本作は話題にならなかったが、子供の頃から桜田淳子さんの大ファンである私はよく観返す。
(宗教問題を超えてDVD化されているのがありがたい。)
可憐で、強がりが折れそうな、悪女に成れないヒール役をあざやかに演じる桜田淳子さんに対し、
主演の古手川祐子さんも全てが美しく可愛い。
私には桜田淳子さんと古手川祐子さんを観るだけの映画である。
それだけでも、いいのだ。
人生で一番くだらないのは大森一樹の映画を見ている時間で間違いない。ほぼ室内で窮屈な画、姫田真佐久がこれだけ輝かない映画もそうない。古手川祐子が善人というより世間知らず。桜田淳子は平坦な悪人。素晴らしい役者の良さを全く引き出せないのは監督の責任。真っ黒で身体がパンパンの梅宮辰夫、ロバートの秋山が真似しているのはこの時期。セットの壁を挟んで別々の場所から電話をしている二人のくだり、コントでしか見たことがない手作りスプリットスクリーンに度肝を抜かれる(ダサすぎて)。食ってるフランス料理もまずそう。古手川祐子と髙嶋政宏の濡れ場でイキイキと流れるカルロス・トシキ&オメガトライブ、バブル期の地獄。これから先、誰の目にも触れないようにこのフィルムも俺が責任を持って角川春樹の墓場に埋めておく。

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