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『ANPO』に投稿された感想・評価

Yuya
3.7
加藤登紀子の『1968』を
中島みゆきの『世情』を
じっくりと 聴きこみたくなる夜

それは フォークやロックってものが
今のように 自身を装飾する為だけの
馬鹿者のファッションなんかじゃなく
変化という嵐の中 自身と向き合って
体制と闘った 若者のパッションだった
そんな時代の残り火が 弱い自分の中に
小さな光を灯してくれる そんな夜だ

どうして あの日 あの時 あの場所の
爆発的な物語は こうも激しいのだろう
それは 彼らが歌い 叫んだ言葉たちは
生き方や生き様なんて うわべなもんでなく
自分が自分で在る為の唯一の手段だったからなのか

現代もまた 問題は山積され 変化も著しい
しかしながら 哀しいかな 今を生きる若者は
切ないほどに 変化への順応に長けている
新しいものが世に流行り マイブームも次から次
加速する情報過多の社会の中で 目まぐるしく
自分を着せ替えて 彼らは明日を生きてゆく

古く良きものを 継がれてきたものを 尊び
また 新しきものを自分達で築かんとする
学生運動の熱量は フォークの意味も知らぬこの世代に
もう二度とは燃え上がったりはしないだろう
200本以上の日本映画の英語字幕を制作したアメリカ人、リンダ・ホーグランドさんが、60年安保闘争や米軍基地が日本のアーティストたちに多大な影響を与えたことに気づき、彼らの作品とインタビューを通して検証を試みたドキュメンタリー。2010年制作。

大変興味深かった。横尾忠則や中村宏などの画家、細江英公や東松照明など写真家、自由劇場の串田和美など演劇人、そして作家の半藤一利や保阪正康と、錚々たる顔ぶれが続々と登場し“アメリカと自身”について本音で語る。自分の好きな濱谷浩、林忠彦の写真や山下菊二の絵画も紹介され、戦争と安保について感性と理性の両面を働かせながら鑑賞した。「日本の夜と霧」(1960)「1960年6月 安保への怒り」(1960)などの映画も挿入される。

彼らは小中学生の時に戦時下の日本で育ち、1960年を青年期に迎えた。戦争がいかに嫌なものかを思い知っていて「二度と御免だ」という気持ちが強い。一方、敵国だったアメリカに対しても嫌悪感をぬぐい切れない。半藤一利は「アメリカが嫌いだった。空襲はあまりにも非道と感じた」と語る。アーティストたちは作品を通してそうした想いを吐き出した。

彼らの批判の対象として個人名が挙げられるのが岸信介元首相。戦時中に重要閣僚として暗躍しA級戦犯被疑者として収監されるが、アメリカと個人交渉して釈放された。60年代、「安保反対は岸憎しと同意語みたいなものだった」という。

それから半世紀以上が経ち、現在の若者たちに60年安保闘争の頃のような反戦の熱意、政治への関心は望めない。まして岸信介の遺志?を継ぐ孫、安倍元首相が一部でカリスマ化しているのだから彼らにとっては隔世の感を禁じ得ないところだろう。

日米安保と沖縄基地問題については自分の意見を決めておくべき大きな課題だ。戦後80年目の今年中に結論を目指したい。

※参考
【アジア10カ国の若い世代の政治に対する認識】
(2023年:日本国際交流センター)
※日本、韓国、マレーシア、インド、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、台湾、オーストラリアの18~39歳

Q普段から誰かと政治的な事柄を話題にしたり議論したりすることがありますか?
【結果】
・日本を除く9か国は6~9割が「よくする」「たまにする」。
・日本は約7割近い人が政治的な事柄を話合うことをしていない。

※MEMO
■昨日、共同通信が保阪正康さんの戦争インタビューを配信していた
Qなぜ日本は太平洋戦争を始めたか?
A満州事変~日中戦争から考える必要がある
①軍が主観的願望を客観的事実にすり替えた
・中国を一撃で倒し支配できるものと喧伝し日中戦争を始めた
②暴力が支配する国になっていた
・昭和初期に15回の右翼テロがあり政治家が黙ってしまった。
・議会は汚職まみれで国民もテロを応援する倒錯
・その勢いで軍が強引に決めていって日中戦争を起こした
・軍事の論理だけで国を動かしその先の展望はなかった
Q国民の命をおろそかにする戦略はなぜ?
A司令官と兵士の間に相互コミュニケーションがなかった
・「戦え、死ぬまでその場で戦え」「玉砕せよ」という命令
・戦略が杜撰な、世界の軍事の常識に反する戦争をやった
・いまだ「特攻の死があるから日本の今がある」とか言ってる
・全く無茶苦茶な戦争をしたのは当時の日本ぐらいだった
・あの戦争の事実をしっかり調べて教訓化するべき
・現在を理解するには戦後80年でなく昭和100年の視点が必要
・昭和20年までの日本は明治維新以来77年の矛盾が全部露呈した時代
・日本はその矛盾を抱え込んだまま現在まで歩んできた
安保を経験したアーティストがその当時や状況をどう表現したのか?
錚々たるメンバー揃い。とはいえ民主主義の形骸化や右派左派問わず権力にとっての国民とはなんなのかが透けてみえる。

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