『恋の罪』R18+
製作年2011年。上映時間144分。
鬼才・変態・園子温監督が、水野美紀、冨樫真、そして実際の妻である神楽坂恵を主演に起用してここまで妻にさせる園子温はド・変態なんだなぁと思った作品。

21世紀直前に起こった、東京・渋谷区円山町のラブホテル街で1人の女性が死亡した事件を軸に、過酷な仕事と日常の間でバランスを保つため愛人を作り葛藤する刑事、昼は大学で教え子に、夜は街で体を売る大学助教授、ささいなことから道を踏み外す平凡な主婦の3人の女の生きざまを描く。。。

人間の持つ三つの心。
本能、　
自我、　
超自我、
その中でも、狂気いや、狂喜を呼ぶ本能の恐ろしさをこの作品で感じさせられました。
ただ観ているだけなら、昔、京都あった美松劇場や本町会館でやっとったピンク映画と変わりない。

しかし、園子温はカフカの『城』と1990年代に起こった事件をモチーフにして描いたのであろうことに、重ね合わせる園子温の頭んなかに、ド・変態の王冠👑がハマってるのを改めて思い出した。
渾身の作品やからこそ妻に迫真の演技をさせたのだのか、
ただ単にほかの野郎にイテ込まされてるを見たかったのかは別として。
気迫が感じられた。

ここから今作品のモチーフの１つ
カフカの『城』をメインに書いていきますし、もし、この映画をご覧になられるなら、余談を頭に入れて観られるのも一興かと思いますので書き進めます。
長ったらしいのは苦手な方はすっ飛ばしてくらはい🙇‍♂️。

作家のカフカは、昨日観て投稿しました『変身』では知られているかなぁ。
『変身』では、自分という存在が、ある日、突然に、誤って世界に放り出された一つの意識に過ぎないんやとしたら？
しかも、その放り出された世界はマジに現実であるのに、自分の存在は宙吊りの幻覚のようなモンでしかないんやったら？
それに気づいた瞬間から、人は一体どうやって生きて行ったらいいんやろ？
否、どうすることが、生きることなんやろ？
この映画作品のモチーフの１つカフカの『城』の主人公測量技師Ｋは、小説の中で行動する。
常に行動し続け、自己の存在に普遍的な者の承認を得ようとしよる。
キルケなんちゃらってオッサンの言葉つかったなら、　
世界という確かな現実に
『誤って印刷されてしまった一つの活字』のままとして。
その活字が、世界全体にとっては何の意味も持たない無価値な非存在であることを、受け入れはしいひんし、行動せずに観察するのみ。
世界の中で生きるんじゃなくて、世界の外から現実を測量するだけの、ミスプリの測量技師として留まることもせずに、
勇敢に、
大胆に、
そして、決して諦めずに行動する。
Ｋの持つ不思議な明るさはいったい何だろうか？
いつかは、きっと、城への迷路を抜けることができると信じているからやろうか？
Ｋの行動を支えるのは、そんな希望なんかな。
それとも、Ｋは最初から絶望しきっているのかもしれへん。
自分の存在が確かな現実ではないという認識がある限り、どんな挫折も意味を持たず、
傷つくことも、
恐れることも、　
惨めになることも、決してなあらへん。
城を目指して這い回り、血を流しながら苦闘するＫの、不思議に透明な明るさは、Ｋの根本にある現実存在としての自己への絶望から生じるものちゃうかなぁ。
Ｋの存在の様式を行動することのみに規定してしまうその本質的な絶望を、Ｋはガチに力を尽くして取り去ろうとしとる。
その絶望から自由になるために、Ｋは必死で闘うんやけど、
他者の手助けを拒み、
自己に絶望しながら、
実は自己以外の者を決して信じないという頑固さのために、Ｋの全力を尽くした苦闘は、ますます彼を迷路の奥へと引き込んでしまうだけ。
女を愛するのも、他者と関わり合うことで現実存在に近づこうとする闘いの一つ。
Ｋは、総ての女性と誠実に関わろうとしよる。せやけど、Ｋが女を愛することで現実と強いつながりを持とうとしているのに対し、女の方は、逆に、Ｋを愛することで現実から逃げ出そうと夢見とる。
存在すること自体が即、生きることになるような、自己と対峙することのない無意識的な城の役人や、
又、無意識の領域に光を当てる恐怖から逃れるために城の絶対性を盲目的に信じている村人よりも、Ｋのように覚醒し行動する人間が、女たちにとって魅力があるのは当然やろう。
せやけど、結局は女たちもＫから離れよる。
自己の存在の根底を揺さぶられるほどのＫの非日常的な魅力よりも、確かに存在し続けることの安定感が、生きるためには必要やし、
女はいつでも、手段としてではなく、目的として愛されることを望むから。それでもＫは行動する。
Ｋのような、常に運動し続ける精神としての人間は、存在する者としてではなく、存在を対象として、その意味を問い、その姿を明確にする測量技師として生きるしかないのに。
彼は、自分自身が確かな現実存在になることを望み、自己の存在に承認を得るため、城を捜し求める。
ミスプリの活字としての例外的な異端者の生ではなく、在るべき所に在るべくして生まれてきた現実存在としての生を得るために、Ｋは、行動し続けよる。せやけど、例外者が自らの例外性を普遍的なものとして他者に認めさせるということは、例外的な者こそ真であり、普遍的な者が実は世界の付け足しに過ぎないのだということを、証明することでもある。
せやから、城はＫを寄せ付けへん。
城は、その周囲を、自己を精神として意識することの決してない、無能で無意識的な、それゆえ確かな現実として存在し、城の絶対性を疑うことのない役人たちで取り囲んでいる。
彼らは存在の意味など問とらへんし、他の総てのことに関しても、膨大で細かな城の規則に従っているだけで、自ら考えるということは決してしいひん。
そんな無能な役人たちで守らなくてはならないほど、城の実体は空虚で無意味や。
その空虚な無意味さに気づくことのできるような人間を、城は、城の神話を保つために、決して寄せ付けへん。城を城として、無条件で受け入れる人々は、いわゆる世間という安全な砦の中で、村人として生活することが出来る。
城に到達しようとする者は、常によそ者であり、城は世界の中心としての、
つまり、存在の極としての城が、実は空虚な無意味であることを城自身に対して暴露されるのを避けるため、そのよそ者を断固として拒絶しよる。
せやから、Ｋは、決して城にたどり着くことは出来ない。
城への迷路を這い回る、Ｋの血だらけの旅には、永遠に終りはないし、それに気づきながら闘い続けるＫの精神も、肉体の死を乗り越えて、永遠の闘いを行き続ける。
園子温がこのカフカの伝えたい真の心をモチーフとして恋の罪を作ったなら小生は彼を尊敬しざる得ない。

2016の世界の音楽フェスの格付けで
1位はアメリカのコーチェラ、
2位はイギリスのグラストンベリー、
3位は日本のフジロック 快挙！
EDMのウルトラは26位
日本のサマソニは74位

コーチェラに出た日本のアーティストは、
X JAPAN ゲストのマリリンマンソンと。
スカパラ、コーネリアスなど。
今年はパフュームが出演しました。
グラストンベリーに出た日本のアーティストは、
スカパラ、ブンブンサテライツなど。
今年はベビーメタルが出ます！

というわけで今年フェスで観た、
コレサワさんが歌っていた、
君のバンド♫の歌詞に出てくる、
園子温の恋の罪〜♫
歌詞が深い。共感できる。
https://www.oricon.co.jp/prof/643841/lyrics/I223778/
映画は共感できるかな？
園子温作品、3作目の挑戦。
序盤、かなりまともです。
有名小説家の妻が、主婦業に虚しさを感じ、
スーパーのソーセージ売り場の試食係に挑戦。
そこでモデルにスカウトされ、
一皮むけるお話。女として生き生きする。
チャプター1 ★★★★
チャプター2★★★
チャプター3★★
チャプター4★★★
チャプター5★★★
トータル ★★★
おばあちゃんがとっても上品に
ゲスいトークをするシーンはかなりいい。
風俗の鉢合わせは、ツインピークス🎬を思い出す。
でも途中からついていけない、笑
園子温3作観て、何が苦手か分かりました。
すべてをかなぐり捨てる、魂の叫びが売りで、
それが苦手。
カリスマの大スター、尾崎豊が人気絶頂の頃も、
すべてをかなぐり捨てる、魂の叫びスタイルが苦手だった。
でも大人気でリスペクトはあったので、
尾崎豊が出たフェスの映画を観て
尾崎豊の歌声とリハーサルシーンに感動しました。
ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD 1987🎬
日本史上最高（出演者）で最悪（オールナイト豪雨で病人続出）のロックフェス。
また観たいけどもう観れません。

• #カフカ
• #城
• #渋谷
• #円山町
• #コレサワ
• #君のバンド

すごかった…精神的に相当落ち込んでいた時にショック療法的に見て、確かに立ち直った記憶がある。自分を偽るのではなくとことん心の奥底を顕微鏡で見る。掘り下げて、地獄の底に落ちて行く人の精神をじっくり見つめて体感する極限の地獄体感型映画。鬱っぽい人にはお薦め？(いや人による…)世間の嘘やきれいごとはもういいんだよ！嘘ばっかりはやめて！園子温に浸れば少し心が浮上出来るか…

• #園子温