ソール・バスのセンスの欠片でも感じられたらと期待もしたけど 残念…きっと自分に感性が足りないんだろう どの辺に”らしさ“があるのか よくわからず終いだった

でもなんか Ｂ級映画の魅力のツボはキッチリ押さえてあって 現実味とＳＦのバランスが絶妙
やたら範囲を拡げない展開で 刻一刻と事態が変わってゆく 段階仕上げには 良い意味での”じれったさ“を覚えた

まぁ 主演賞は蟻だな 熱演してたわ
…あとヒロインというほど映ってないけど 女優さんが超キレイ

B級映画の良さをものすごく感じる作品です。妙にこだわったセット、見たことない俳優、短くまとまった内容、何度でも観直したい映画です。

「人間vs蟻」の地球の覇権をかけた争い！
研究者2名と途中で合流した美女1名が、無数の蟻に知能戦を挑むというなかなか面白い内容でした。

あらすじ…
宇宙から放射能が降り注いだ影響で、蟻たちが知能を持ってしまう。どんなものか観察するために、辺境の研究施設に派遣されてきた研究者2人。しかし蟻の知能は想定したレベルを遥かに超えており…という話。

蟻の天敵となるカマキリや蜘蛛を、徒党を組んで殲滅。自己より他者を優先するという行動原理によって、種のための自己犠牲を厭わない。そして、全員がその原理をシェアしてるため、その統率された行動に隙も無駄もなく、意思決定から行動までが非常にスピーディ。一晩明けたら情勢が大きく変わっているレベル。

一方、たった3人しかいないのに統率が取れず、バラバラに行動する人間たちが蟻と対比される。自己のことしか考えず、不信感を募らせバラバラになっていく。自分たちは人間だという奢りを捨てきれないからこその油断。でも、油断してる間に敵はこちらの弱点を見抜き、的確に攻めてくる。

どうやって撮ったのかと思われるほど、蟻の演技が素晴らしい。恐らく何らかの研究資料的な映像を引っ張り出して都合よく繋ぎ合わせてるのだと思いますが、本当に並外れた知能があるのではと思わせる動き方をします。カマキリのとことかめっちゃハラハラしました。

ラストの余韻も素晴らしい。アレを見る限り、新しい価値観の台頭を描いてるのかな。昔のSFは、共産主義の台頭による恐怖を侵略ものに重ねることが多かったけど、本作は世界自体が変わらなければならないという一歩進んだ希望と戒めを込めたテーマになっているのも良いですね。

ただ気になるところもあって…。序盤でサラッと蟻が知能をもつに至った経緯が語られるのですが、イマイチどれほどのものなのか掴めないのと、蟻の凄まじさを示す指標となるはずの謎のモニュメントについても、初見で何なのかわかりづらくて、その脅威を一瞬で実感させようという意図があったとは思うのですが、その点においては少し失敗してるように思います。恐らく主人公2人と観客を重ね合わせようとしたんだと思いますが、もう少し主人公たちの目線で物語に入っていってほしかった。

とはいえ、なかなか面白い作品でした！でも食事中に見るもんじゃなかったです…虫の映像がかなりキモイので、もしご覧になる方はご注意を！

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