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『デビッド・クローネンバーグのシーバース』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 カナダの首都モントリオールから車で1時間余り、ゼネラル・ストラクチャーズが提供する高級マンション「スターライナー」では入居者を募集していた。近代的な建築には、警備員やかかりつけの医者が完備され、庭には25mプールもある。ゆりかごから墓場まで、設備の整ったこのマンションは富裕層たちにとって絶好の物件だった。ロナルド・メリック(ロナルド・ムロジク)は今日も若いカップルを1組案内する。ちょうどその頃、マンションの1511号室ではアナベル・ブラウンという1人の少女がホッブス医師に強姦され、無残な死を遂げようとしていた。医師は強引に少女をベッドに押し倒し、力強く首を絞めあげると少女の体はみるみる力を失っていく。同じ頃、階下では新婚カップルのニコラス・チューダー(アラン・ミジコフスキー)の妻ジャニン・チューダー(スーザン・ペトリ)の甲高い声が早朝に鳴り響く。夫のニコラスは洗面台の前に立ちながら歯磨きをしているが、急に腹部が痛み出し、患部に手を触れる。ちょうどその頃、ロロ・リンスキー医師(ジョー・シルヴァー)は教え子の医師であるロジャー・リュック(ポール・ハンプトン)に対し、腹部に寄生虫が宿った3人の症例を見せる。臓器移植の研究を続けていたリンスキーはホッブスの集めた潤沢な資金を元に、寄生虫の研究をしていた。しかし1511号室で起きた凄惨な殺人事件がきっかけとなり、次々に悲劇が起こる。

 カナダの鬼才デヴィッド・クローネンバーグの記念すべき長編デビュー作。「ホラー映画」という概念がまだカナダに根付いていなかった75年、クローネンバーグの早過ぎた脚本は頓挫しかかるが、ロジャー・コーマン門下生だった『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミの強力なフック・アップにより資金提供があり、今作は誕生する。撮影に僅か14日間、編集にたった2日、ポール・ハンプトンやジョー・シルヴァー、バーバラ・スティールというメインどころの役者以外は全てノー・ギャラという低予算映画の典型のようなプロダクツ。だがクローネンバーグの初期衝動に溢れた物語には肉体を突き破る不気味な物体、臓物と血液、ロリータ・コンプレックス、全ての病巣を抱え込んだメタファーとしての高層マンションなど、既に後の大作家に向かう幾つもの刻印が見える。傘に落ちた吐血、二層式洗濯機から飛び出た腫瘍、浴槽内でベッツ(バーバラ・スティール)の膣を食い荒らした腫瘍の恐怖描写は、クローネンバーグにしては珍しいヒッチコック的な手腕が光る。当初「パラサイト・マーダーズ」として想起された物語は、フォーサイス(リン・ローリイ)の「すべてはエロティックでセクシュアル」の台詞にもあるように、70年代の若者たちの「フリー・セックス」の時代を揶揄する。Wヒロインとなったリン・ローリイとスーザン・ペトリの惜しげもない脱ぎっぷり、性の快楽に目覚めた夢遊病者たちの描写はジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』よりも3年早く、人体に寄宿するクリーチャーの描写はリドリー・スコットの『エイリアン』に4年先んじていた。あのダン・オバノンも今作から多大なインスピレーションを受けたと公言する、鬼才クローネンバーグの早過ぎた名作である。
ひろこ

ひろこの感想・評価

3.9
医療用に役立つようと研究された寄生虫。だったんだけど、、!寄生された人間は凶暴化してゾンビ、、ではなくて性欲オバケに変身!セックスしたくてたまらなーい!!!ってなんちゅー物語。ラストの全員集合シーン面白すぎるわ。クローネンバーグ長編デビュー作だそうです。ほんと変態だこの人
horahuki

horahukiの感想・評価

3.5
性欲を解き放て!!

「世界中を性欲パラダイスにしようぜ!」っていう思想を持った研究者が放ったちんこ型寄生虫が高層マンションに住んでる金持ちたちを性欲モンスターに変貌させちゃう虫ホラー。

久々のクローネンバーグ。
監督のインタビューによると『エイリアン』のパクリとか言われたこともあったようですが、私的には『地球最後の男』の要素を強く感じました。

マンション購入の商談中の若いカップル。部屋で少女を殺そうとしてる禿げたジジイ。妻からの言葉にも上の空な出勤前のビジネスマン。その三視点を高層マンションという舞台で交差させていくことにより、各世代というか、人生の各時点における関係性の明暗をクッキリと浮かび上がらせる。

これから先に続いていく希望に満ちた関係性を夢見る者、停滞した関係性のもと日々のルーティンに埋没する者、下の世代を食い物にする者・される者。様々な人生の時点に身を置き、様々な思い・問題を抱えた沢山の人が壁を隔てているとはいえ同じ建物内で、なおかつ互いに深くは干渉せずに生活する。そんなマンションという舞台が当たり前の根底に抱える異常性…人と人との関係性における(物理的)密接と(心的)断絶。

性欲という根源的欲望が関係性における心的断絶から人々を解放していく。本作が解放する感情はその人間の奥底に眠っていたものであり、外部から植えつけられたものではなく、あくまでもその人そのもの。その根源的本能の解放は文明の否定へと繋がり、文明という余計なものを取っ払った生身の関係性を楽しむ人々はみな満足気な表情を浮かべている。

「資産家」とは文明のもとに成り立つ概念であり、住人である彼らは文明の象徴なのだろうと思います。本作の性欲は文字通り性欲なんだけど、作中で意味深に語られるように「存在自体がセクシャル」なのが人間であり、性欲が「文明に毒された思考」という壁を取り払うことで、相手の存在を求めるという純粋な感情へと発展し、異なる存在同士が互いに求め合うという、いかなる壁も存在しない生身の人と人との関係性が形成されていく。

精神による肉体の変容をクローネンバーグ監督は描くことが多いと思いますが、現代を生きる文明人こそが「文明に毒された“精神”」(思考)により肉体(本能)を変容させた(抑え込んだ)矛盾だらけの存在だと言いたかったのが本作なんだろうな〜と思いました。だからこそ本作を経て、感情や本能の発露としてその象徴である肉体を変容させる作品を多く撮っていくのでしょうね。

矛盾した人間という存在を、物理的密接という身体的要素と、心的断絶という精神的要素の矛盾を孕んだマンションという舞台に落とし込んだ本作はやはり非常に良く練られた作品なのだろうと思いました。

「夫が自分の知らない何か別のものへと変貌してしまうのでは…?」「自分の手の届かぬところへ行ってしまうのでは…?」、という妻の不安は、結局は映し鏡なのであり、文明の一端を担う自身が本能に飲み込まれてしまうという、自身の変容に対する恐怖であったのだと思いました。変わってしまうことは、たとえそれが自身の本質と向き合うことであったとしても恐怖でしかないですよね。むしろ目を背けて来た本質だからこそ拒絶したくなるのかも。

こんだけ分量書いといてアレですが、評判ほど好きじゃなかったです…。ちんこ型モンスターが動き回るとことか、腹の中で蠢くとことか良かったんだけど…。

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