浅野公喜

タラデガ・ナイト オーバルの狼の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.6
ウィル・フェレル主演の全米で大人気のナスカーを題材にしたカーアクションコメディ。ナスカーは映画で言えばトム・クルーズの「デイズ・オブ・サンダー」、ゲームで言えば「デイトナUSA」でもお馴染み(なはず?)。

ウィル演じるスランプに陥ったレーサーの再生物語でもあり、彼を取り巻く人間達の友情や家族愛も意外とちゃんと描く等コメディメインなもののドラマとしても充実。そしてジャズを聴きレース中にカミュ「異邦人」を読んだりするゲイのフランス人レーサーや頭がパーな金髪美人妻、ナスカーの主な支持層である無駄に信心深くカントリーを好むアメリカ南部のレッドネックな連中等あらゆる人間を偏見込みで茶化す作風は痛快で、ウィルが下着姿でサーキットであらゆる神に加え「デイズ・オブ・サンダー」のオマージュかサイエントロジーか分かりませんがトム・クルーズにまで助けを求めるのは笑えました。

意外とカーアクションはCGが少な目で派手なカークラッシュも幾つか用意され迫力有りますし、父親が乗ってるシボレー・シェベルも割と活躍してくれます。また、カントリーに加えAC/DCにBuckcherryやMotley Crue,日本ではマイナーなSailva等ハードロックもふんだんに挿入歌として使われ、こういった選曲もおそらくレッドネックな人々の好みを反映させたものと思われます(自分も大好きですが)。

スティーブン・キング関連で言えば「グリーンマイル」の死刑囚、マイケル・クラーク・ダンカンや、「地獄のデビルトラック」のパット・ヒングルが出演しているのにも注目(残念ながらどちらも故人)。
浅野公喜

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