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コルドリエ博士の遺言
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『コルドリエ博士の遺言』に投稿された感想・評価

菩薩
3.5
ルノワール版のジキルとハイドでカラックスのメルドの元ネタらしくちゃんと執拗に煙草を蒸し松葉杖にすらアタックしていき仰々しい音楽が鳴る(ゴジラではない)。身体が縮みタボついたスーツの袖から毛むくじゃらの手が顔を覗かせ他の部位も体毛で覆われ眉毛も両津勘吉ばりに繋がる、逆進化の秘宝。人間が(一応)猿から進化する過程で手に入れた理性をかなぐり捨て言わば「ヌキ」の為のもう一人格を手に入れる、人間性から獣性へ、なんかルノワールっぽいし彼にとっては映画が自らの欲望を解放する為の装置なのではと思った。武器のステッキで追手の脚ばかりを執拗に攻撃する、そこも戦争で脚を撃たれたルノワールっぽいし私の中のトータルテンボス藤田が「なぜ内腿だぁ!?」と顔を覗かせた。ただただ恐ろしい存在ではあるがその身体性は非常にしなやかに、チャップリンの声が上がるのも分かる。なんならあの長い階段も『ジョーカー』の元ネタだったりして。こう言うおっさん各街に1人くらいいると思う、私が住んでる街には3人くらいいるしうち2人はずっとチャリに乗っている。
ファーストシーンは、ルノワールがテレビ番組に出演して本作の放送をアナウンスするものである。なぜ物語の本筋に関わらないこのシーンがあるのかと不思議に思ったが、「当時、新しいメディアとして登場したテレビ向けの企画として、映画館とテレビで同時上映するという新プロジェクトとして製作された」(https://www.ivc-tokyo.co.jp/titles/ka/a0607.html )とのこと。

こんな企画がかつてはあったのかと思ったし、そのために制作手法を変えていることも驚いた。確かに空間の奥行きはないなとは思ったけど、「10分間ずつワンカットで撮影」(同上)ーけれど編集でカットは複数化されているーしていることは全然気づかなかった。

さて、本作の原作は『ジキル博士とハイド氏』であるが、パリに舞台を変更したりと大幅な翻案がされている。なぜルノワールが本作を撮ろうとしたのかは、私の調査不足で分からない。だが、科学技術に対する倫理と逸脱する魂ー深層心理や欲望と言ってもいいのかもしれないーは常に問題意識としてあったのではないかと思う。過去作の『草の上の昼食』でも人工授精と、遺伝的優秀さから逸脱する恋愛模様が描かれている。だから本作も撮れると思ったのではないか。

以下、ネタバレを含みます。

もちろんそのような主題系の看取とは別に、物語も面白い。

公証人のジョリは長年親交のあるコルドリエ博士に遺言を託される。その遺言を読むと、オパールという謎の男に全財産を相続させることが書かれている。博士は騙されているのではないか。そう訝しんだジョリはオパールの正体を突き止めようとする。するとオパールは毛むくじゃらの男であり、かつて少女を夜道で襲った危険人物であることが発覚する。殺人事件も起こる。ジョリは警察にオパールを突き出すことを決心する。しかし博士は乗り気ではない。ジョリはさらに怪しみ、博士に真相を打ち明けるよう頼む。するとオパールの正体は薬を投与し人格が変わった博士自身であることが発覚する。

コルドリエ博士も最初は単純な科学的好奇心から普段は意識に抑圧されている魂を解放する術を探求していたのだろう。ただその解放はあまりにも快感をもたらしてしまう。それは法や社会、家庭を壊す。そして人格までも。だからオパールはコルドリエ博士の剥き出しの本心の姿なのだろうけど、醜悪そのものだ。

私たちがオパールにならないために倫理が要請される。魂を解放することは一定必要かも知れない。しかしバランスが求められるし、科学技術の使用には適切さが求められる。そして正しさとはコルドリエ博士とオパールで人格が引き裂かれない状態であろう。

しかしそんなことができるのかとも思ってしまう。コルドリエ博士はジョリに真実を打ち明けた後、薬を過剰投与して死んでしまう。博士ほどの知性がある人でも、快感を知ってしまったら戻れなくなるのだ。それならどれほどの人が倫理的に生きれるのだろうか。

私は善く生きるための明確な答えを持ち合わせていない。ただ見当はある。それはルノワールのもうひとつの側面「規則」だ。それはどのように規則や法を整えて、魂と折り合いをつけるかであって、どのように己の魂に向き合い曝け出すかではない。それはコルドリエ博士の探求とはベクトルが逆だ。

果たして私の見当は的を得ているのか。それは単純に『ゲームの規則』を早くみろという話ではあるが。
3.7
照明がキマりまくりのルノワール流ジキルとハイド。何てことない街並みや実験小屋も夜になると突然表現主義的な様相を帯びるルノワールマジック。

テレビの同時撮影で演劇的アプローチが可能になったというが、人物を分断するような切り返しに対してもかなり意識的だったと思う。

レコードのモノローグから回想へ突入した後、別人格視点の回想も用意されている構成が恐らく一番のオリジナリティで、ハイド状態でも普通に喋っている言わば「飽和状態」の演技が結局ルノワールのやりたい事だったのかなと。

人格の二項対立は当然静と動=サイレントとトーキーに及び、延いては理性と野性(『素晴らしき放浪者』!)へ還元されていく。

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上映日:

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製作国:

上映時間:

106分
3.8

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