面白すぎ。

ベルリン国際映画祭で最優秀作品賞にあたる金熊賞を受賞した作品。
ブラジルリオデジャネイロ、貧民街ファベーラでの特殊警察BOPEと麻薬密売組織の争いを舞台に、腐敗しきった警察組織の実情を映し出した作品。

BOPEのナシメント大佐は、ギャングとの命のやり取りを毎日の様に行なっている現在の任務に疲れ果て、他部署への異動を希望していた。
新人として赴任してきたネトとマチアスを自分の後継者として育て上げ、BOPEを抜けようと思っていたのだが、思わぬ事件が起こってしまい.......

ファベーラを舞台にした作品と言うと、私は真っ先に「シティ・オブ・ゴッド」が思い浮かびます。
あの作品も衝撃的で心に残る作品でしたが、この「エリート・スクワッド」も似た様な世界観で、ファベーラの混沌を強烈なインパクトで映し出しています。

汚職で腐りきった警察組織は捜査よりも賄賂優先、街の腐敗に我関せず。
自らの保身のためには報告書のでっち上げなど日常茶飯事。
そんな警察の姿を映し出していた前半は、観ていてずっとイライラしていました。
まさに人間のクズです。

しかし軍警察所属の特殊警察BOPEはそんな腐敗した警察とは一味違う。
重火器を装備し市街戦の訓練を積んだBOPEの姿を見て「こいつらカッコいい」と惚れ惚れしてしまいました。
全ては街の浄化のために.....
ですがBOPEは正義の名の下に未成年だろうがギャングを容赦なく射殺。
手掛かりを得るためなら顔にビニール袋をかぶせて窒息寸前まで追い込むなど、暴力による取り調べも当然の様に行う。
そんな彼らの姿を観ていて、何が正義で何が悪か分からなくなってしまった。

ブラジルでは熱狂的な人気を得たそうで、続編も製作され大ヒットしたそうです。
観た後は、胸に何かズシンと重いものを落とされた様な感覚に陥る映画ですが、とにかく面白いことは確かだった。
すぐにでも続編の鑑賞をしたくなりました。

｢リオの警官は選択を迫られる。悪に手を染め黙るかあるいは戦うか。｣

なんだコレおもしろーーッ！！特殊部隊BOPEのお話。法なんて役に立たねぇ！リアリティが半端ない。ブラジル社会に蔓延る問題。警察も腐敗しきっている。法とは、正義とは、一体なんなのか。

麻薬が蔓延するスラムでは、人権なんかクソ同然。どれだけ死体が転がっていようが、捜査することなく遺棄してオワリ。逮捕して裁判にかけて裁いて〜なんて面倒臭い手順は一切踏まない、もはや司法が崩壊してると言っても過言では無い。日本ではありえないほどの治安の悪さだ。この世界では、法など無意味。法に従っていれば命を落とす。ギャングに対抗するためには、逮捕するためには、鬼になってどんなに残虐であろうと徹底的に制圧しなければならない。その為には脅しも暴力も躊躇せず厭わない。この歪んだ正義が当たり前なのだ。しかし、誰がこれを非難できようか。死なないために、多くの人を守るためにならざるを得ないのだ。。

｢警官にも家族がいる。死ぬのは怖い｣

バイオレンス描写が生々しくて最高だった！！残虐さがバツグンで、ビニール袋の拷問とか素晴らしかった。

そして面白いのが、マチアスの前半と後半での変貌っぷりだ。法を信じ重んじていた優しいマチアスの姿はどこへやら、気づけば法なんか完全無視で容赦なく暴力と権力を行使するBOPEのやり方に染まっていく。この対比がかなり見応えがあった。どんな奴だろうと、そういう風に変わらなけらば生き残れないというコト。誰もマチアスの事を責められないし、順応したのはイイこと。非常に恐ろしいけどね...。
ラストの、法かBOPEのどちらに従うか覚悟を決めたマチアスが印象深い。

あと、フルメタル・ジャケットみたいな訓練パートあって笑った。こういうの最高っすね

ブラジルのリオデジャネイロ州の軍警察、特殊警察作戦大隊（BOPE）を描いた作品！
ブラジルの危険な部分が凝縮された一作

2作目を先に鑑賞してしまっていたのですが、今作の方がアクションは少なめ！どちらかと言えば2作目の方が好みですね🥴
ですが今作も緊張感が凄い🫥他の国ではちょっと出せない雰囲気…
1番びっくりしたのが警官が発見した死体を別の区に移動させて他の管轄の警察に任せようとしていたところ笑