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ビル・カニンガム&ニューヨーク

『ビル・カニンガム&ニューヨーク』に投稿された感想・評価

Kota

Kotaの感想・評価

3.5
“最高のファッションショーはいつもストリートにある。”

NYタイムズの伝説のフォトグラファービル・カニンガムに密着したドキュメンタリー。知る人ぞ知る天才も実は子供みたいに好きなことを追いかけて、無邪気に笑う一人のおじいちゃんだった。

大手の出版社からお金も貰わず、恋をする時間などなく、小さなアパートでフィルムのネガに囲まれて過ごす人生。これが本当の天才なんだよなって思うほどには言動の一つ一つがヤバイ。パリでカトリーヌ・ドヌーヴを見ても「無料で衣装を着させられている人に興味はない」と一蹴。フランス最高峰の勲章を貰っても「私は仕事などしていない。好きな事をしているだけだ」と、その何気なに言葉の節々からプロ意識が垣間見える。

何歳になってもロードバイクてマンハッタンを駆け巡って、好きなことに打ち込み、夢に生きている人って本当にカッコいいな。
madokaaa

madokaaaの感想・評価

4.0
ビル・カニンガム。

お金や名誉に振り回されず、権力に迎合しない人。

謙虚で嘘がなく、老いてなお自分の信じる道をすすむ人。

享年87歳。

『最高のファッションショーは常にストリートにある』と、50年以上ストリートでファッションスナップを撮り続けた。

そんな彼に撮ってもらう事が、いつのまにかファッショニスタにとってのステイタスに。

群れるパパラッチに脇目もふらず通り過ぎるアナ・ウィンターが、青い作業着のビルを見つけた瞬間、一瞬だけ立ち止まり彼に向かってポーズを取る姿にはゾクゾクした。

お膳立てされたものを嫌い、自分の琴線に触れるスタイルを見出した瞬間しかシャッターを切らない。

たとえ相手がセレブでも、絶対に義理でカメラを向けたりはしない。

「本当に好きなことをしたかったら、お金は受け取らない。お金に触れたら最後、決して自由にはできないから」

自分の感性に影響を与えようとしてくるものからは徹底的に距離を置くビル。

極端に控えめで、社交的とは言えなかった彼だけど、いつもニコニコ素敵な笑顔が印象的だったなあ。

社会に迎合し、すりよって生きるのではなく、凛と自分の足で立つ人間は美しい。

どんな仕事も自分の哲学を大事にしながら働くことは難しいからこそ、しがらみなく、自由に愛するファッションに向き合う姿にみんな憧れるのだと思う。

彼の生き方は、思いやりと謙虚さにあふれた人生を送りながら同時に成功することができる、というメッセージを感じさせてくれます。

自分のスタイルやビジョンを見失ったり、生き方に迷った時、そっと原点に戻してくれる作品。
ちろる

ちろるの感想・評価

4.0
走る、走るよおじいちゃんNYの街中を!
フォトグラファードキュメンタリーの中でもかなり評判の高いこちらをようやく鑑賞。
なるほど!めっちゃくちゃ元気でた!
古びたカーネギーホールから登場してトレードマークのブルージャケットと、カメラだけで、NYの街中のファッショニスタたちをパシャパシャと撮りまくる。
一見怪しいおじいちゃんだけど、「The New York Times」のファッションコラム担当の超大御所。
写真撮る時の顔が、子どもみたいにめちゃくちゃ無邪気で、その姿を見てるだけで嬉しくなる。
死ぬまで独身で、インタビューゲイかと聞かれたらそもそも恋する暇もなかったと・・・生まれながらのアーチスト。
お金にも無頓着で、大金を受け取りたがらない、「無欲」「無垢」を体現したような人物像が見ていてめちやまくちゃ気持ちよくなる。
セレブリティパーティーで、みんながこぞってカメラを向ける女優には目もくれず、個性的な世界を放つファッショニスタに目を輝かす。

「ファッションは鎧なんだ。日々を生き抜くためのそれを手放せば文明を捨てたも同然だ」

「業界のタイアップで言われたドレスを着て気取ってるセレブなんて撮る気ない。」
くぅーーー!痺れる!
宗教にもしがらみにも、何にも執着せずにひたすら自由に好きなものだけに囲まれて生きるってやりたくてもなかなか出来るもんじゃない。
NYで生きる事運命づけられたようなビルの伸び伸びとした生き様に周りの人たちが惹きつけられてる様子が幸せそうで、家族いる人よりもよっぽど沢山の人に囲まれてるこんな人生もめちゃくち羨ましい。
編集部の人との会話も全部ウィットに富んでてオシャレすぎ。

なんか涙出てきてしまったエネルギッシュなドキュメンタリーでした。

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