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パリ、ただよう花
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目次

『パリ、ただよう花』に投稿された感想・評価

riekon

riekonの感想・評価

3.0
パリでも北京でも
出てくる男がどれも嫌だった😫
パリで付き合った男は
ハ❓結婚しようとか言ってるけど❓
もう最低過ぎて💦
北京に帰って彼と結婚するんだ❓
それでいいのー❓
彼女素敵だし、仕事もあるし
流されないで頑張って欲しいと
思いました😊
No.2614

【パリ⇔北京、さまよう傷】

この映画が描いているのは何なのでしょうか。

男女のお話?

性愛?  セックス?

マチューのクズっぷり?

ホアの居場所のなさ?

そのどれかかもしれませんし、その全部かもしれませんし、あるいはそのどれでもないかもしれません。

そんな私は、見ている間中、こう思っていました。

「ホアはなぜ、こんなに心身ともに、”傷だらけ” なんだろう」と。

そうなのです。この映画の英題は「Love and Bruises」です。

直訳すれば「愛と傷」、なんです。

しかもこの傷、という意味には「植物につく傷」という、限定的な意味もあります。

「あら、この桃、傷んでいるわ」の「傷」です。

だから、主人公の女性の名は「花(ホア)」なんですね。

この映画の中の「花」は、「傷ついている花」「傷んでいる花」という意味になるんです。

さらに「心が受ける傷」「精神的な痛手」という意味もあります。

したがって、この映画の文脈に正確に沿えば「心身ともに傷ついた花(ホア)」ということになります。ただ美しく咲いている花じゃないんです。

そもそも、ホアがマチューと出会うきっかけになったのも、マチューが運んでいた鉄パイプが、ホアの頭に当たったからでした。これもいわば「傷」です。

ジョバンニには、「賭け」の対象にされてしまいます。「心の傷」です。

終盤、マチューの実家に行けば、「中国人か」と言われるだけで、誰も歓迎してくれない。「見えない差別という名の傷」です。

そういえば、マチューがホアと最初に出会ったとき、いきなり「中国人か?」と聞いてましたね。日本人かもしれないし、韓国人かもしれないし、台湾人かもしれないのに、この決めつけはなんなのか。

普通、一般的な感覚として、外国人に出身地を聞くときは「どこからいらっしゃいましたか?」「お国はどちらですか?」と尋ねるのが普通だと思うので、僕はちょっとこの場面、嫌な感じがしました。

フランス人みんなが悪いわけじゃありませんが、ホアが目の前にいるのに「アバズレ」呼ばわりするような場面まであります。

ジョーダン・ピールの「ゲット・アウト」じゃありませんが、なんだか、国籍・人種が違うだけで、居場所のなさのような違和感を感じます。

でもフランスって、そもそも多民族国家だから、いちいち他人のナショナル・アイデンティティなんか気にしないはずなのに、なぜかアジア人を蔑視してるように見えるのは、見てる僕もアジア人だからでしょうか。

ホアの受けてきた大小さまざまな「傷」を、共有し、理解してあげられるかどうかを、この映画は観客に突き付けています。

6/60 https://www.uplink.co.jp/cloud/features/2311/
emily

emilyの感想・評価

4.2
北京からパリにやってきた教職についてる女性ホア、さみしさを埋めるように、昔の男や、知り合った男と関係を持つ。たまたま知り合ったマチューとその場で体の関係に発展し、激しく愛し合うようになるが・・

 フランス人との別れ話から彼女が歩くたびゆらゆらと揺れるカメラに、不穏な心を感じ取る。ドキュメンタリーのような荒いカメラワークは心情によりそい、言葉ではなくざらついたカメラワークと最小の情報で綴っていく。

 マチュー演じるのはタハール・ラヒム。その出会いから彼女との距離の詰め方のやらしさ、自分勝手な押し付けの愛と行き過ぎた独占欲を、見事に体当たりで演じている。

 カメラの揺れは彼女の心と並行しているように思える。心のひとときの静寂がともってる時にはカメラも落ち着いており、ただただ彼女に客観的な目線で寄り添っている。数々の激しくも空虚感漂いセックスシーンは荒くアップで見せ、臨場感と虚しさが街のネオンに溶けていく。たゆたうネオンの中にカメラは彼女の隙を逃さない。男を寄せ付けるのは、彼女の全身から漂う隙なのだ。異国の地に来ている埋まらない寂しさは、全身からこぼれおちており、その蜜に群がるように男たちは彼女を物にしようと魅せられ、荒い行動に出る。それは人種の違いもあるだろうし、アジア人を見下してる部分もあるだろうし、アジアの神秘に見せられる男もいるだろう。

 優しいとろけるようなセックスは一つもない。男は止まらない性欲を満たし、女は埋まらないさみしさをぬくもりで埋める。しかし得られるのはぬくもりではない。さみしさを上塗りしていくさみしさなのだ。外国へ行くことでここにはない何かを求める。パリの風景が一気に揺れるざらついた北京の風景に変わる。しかし彼女がそこからパリに戻る時の見せ方が非常に意味深である。

 トンネルを抜けた先にパリが広がり、境界線が同化しまるで同じ街のように見える。北京からパリへ、パリから北京へ戻った時、埋めようとしていた孤独感は、異国の地にいたからではないことに気が付く。自分自身なのだ。

 それはどこにいても同じだ。母国に帰ったからといっても埋まらない。自分が変わらないと、周りも変わらないし、抱える孤独も解消されないのだ。複数の男に平等に愛を分け合うことなんてできない。その一人を本気で愛していないからこそ、心は揺らぐし、さみしさを感じてしまうのだろう。国も文化も違うからこそ、その魅惑が愛と誤解され、受け身の神秘が男も魅了する。ラストもよい皮肉とその終わりの表示が何も変わらない”今”の繰り返しを暗示させる。

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