てくのすけ

クリミナル・アフェア 魔警のてくのすけのレビュー・感想・評価

4.0
警官による警官射殺事件という実話からこんな話になるとは。正義と悪の戦いでも根底で通じるバディものでもなく、刷り込まれた正義感の隙間から溢れる抑えられない心の闇を描く。着地点の見えないサスペンスは不安を煽る音楽もあってもはやサイコホラーの域。

ぴっちり七三わけのダニエル・ウーの真面目そうなだけにヤバげな狂気、ニック・チョンの『激戦 ハート・オブ・ファイト』とはうって変わった悪のカリスマ感。二人の存在感に加え『ドラッグ・ウォー 毒戦』のような市街地の銃撃戦、壮絶なカークラッシュ、連鎖する死の炎と予想の斜め上を行く展開に釘付け。

話は結構入り組み、現在と過去の交錯に戸惑い、悪夢世界に唖然。後半ようやく構造が見えたと思いきやまだ捻ってくるし、よもやここに美人姉妹のカウンセリングなんて要素が入るなんて思わないもの。そして全てが冒頭の「魔」の文字に集約される。凄かったです。
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