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クワイ河に虹をかけた男
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目次

クワイ河に虹をかけた男の作品紹介

クワイ河に虹をかけた男のあらすじ

“握手できるただひとりの日本人”―永瀬 隆 元陸軍通訳が戦後の人生を捧げた泰緬鉄道への償い アジア太平洋戦争下、岡山出身の永瀬隆は、当時、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道建設のタイ側の拠点に陸軍通訳として派遣される。多くの連合国軍捕虜やアジア人が動員された建設工事で、彼は強制労働、拷問、伝染病死など悲劇の全容を目の当たりにする。戦後、鉄道建設犠牲者の慰霊と、復員時に日本軍12万人全員にタイ政府が「米と砂糖」を支給してくれた恩義に報いようと、一般人の海外渡航が自由化された1964年から妻の佳子と二人三脚で巡礼を始める。1976年にはクワイ河鉄橋で元捕虜と旧日本軍関係者の和解の再会事業を成功させ、86年にはクワイ河平和基金を創設するなど、「ナガセ」の名は欧米でも知られる存在となる。タイ訪問を135回も続けた彼が目指した”和解”とは―。

クワイ河に虹をかけた男の監督

原題
製作年
2016年
製作国
日本
上映時間
119分

『クワイ河に虹をかけた男』に投稿された感想・評価

undo

undoの感想・評価

3.9
心に虹を。

みなさま、お久しぶりです。
近々、仕事環境が大きく変わることになり、その準備に日々追われておりますが、徐々に映画館に行ける時間もとれるようになってきたのでレビュー活動を再開致します。

先週末、久しぶりに完全オフがとれたので、今まで映画鑑賞を我慢していた反動で、2日で6本観てきました(笑)少しずつレビューを書いていきます。

本作は、KSB瀬戸内海放送が制作したドキュメンタリー。
旧日本軍の通訳としてタイへ従軍していた永瀬隆さんの、戦後の贖罪の姿を描く。

政治的な思想は人それぞれだけど、第二次世界大戦中の旧日本軍の行動については、いまだに様々な議論を耳にする。
個人的には、当時のことを知る人が少なくなるにつれて、その時代が持っていた感情なども読みとりづらくなっていき、今の時代の人間に都合良く解釈され、利用されるだけなのだから、どこかで線を引くしかないと思う。美化も卑下も不要。
現代の人間には、信頼できる当時の記録を心に留め、教訓とし、その上で前に進むことしかできないのだから。

だけど、当事者の方はもちろん別で、人生を大きく狂わされた方達が一生をかけて恨みや怒りを忘れない、ということは仕方のないことだと思う。そんな人たちに対しては、「前に進まなきゃ」とは気軽には言えない…。

本作の主役、永瀬隆さんは実際に戦場で目の当たりにした旧日本軍の捕虜に対する蛮行に対して、戦後の日本政府の反対にも関わらず、個人での贖罪に取り組んだ。
当時の関係者が行った行動というところに価値があり、映像を通して知ることのできるその真摯な姿勢には一種の神々しさすら感じる。
同時に、永瀬さんの語る当時の凄惨な状況は、同じ日本人としてショックを受ける。ガリガリに痩せた捕虜の映像も見れるのだけど、永瀬さんの話を裏付けるには十分すぎる生々しい映像。
現代の国際感覚では決して容認されない、当時の日本軍のエゴや戦線の弱さが容易に読み取れる。

永瀬さんは、戦後タイに135回も訪れ、様々なアプローチで贖罪を行う。現地のタイ人に対してだけではなく、当時のイギリス人捕虜にも和解の機会を得るために接触する。
現地を訪れた、かつての捕虜達に友好ムードはなく、その恨みと怒りをないまぜにしたような鋭い眼光には、同じ日本人としてショックを受ける(2回目)。

和解と贖罪の巡礼を続ける永瀬さんの長い闘いは終わりのないマラソンのよう。徐々に体力が衰えながらも、旅をやめようとしない永瀬さんの姿に、一生をかけて取り組み続けることの尊さを教えて頂いたような気がした。

そして、この映画にはもう1つ見どころがある。
『ふたりの桃源郷』
『人生フルーツ』
などに通じるテーマなのだけど、こちらも気高い。人生、一度きり。そして心に虹はかかった。
notitle

notitleの感想・評価

3.8
泰緬鉄道建設時、陸軍通訳をしてたある日本人の、長きにわたる贖罪の話。知らないことが沢山描かれてた。多くの国々にとって、日本は戦争加害者である。色んな要因を経て、あの日、そして今がある。その事実ともっと向かい合うべき。話はそれから。
小

小の感想・評価

4.8
戦後処理とは何なのか。この映画を観るまで考えたこともなかった。ボランティアで戦後処理に奔走した元陸軍憲兵隊通訳、永瀬隆さんのドキュメンタリー。

1942年7月、旧日本軍はビルマ・インド方面の陸上補給路を確保するため、タイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の建設に着手する。工事にはイギリス、オーストラリア、オランダなどの連合国捕虜6万人余と現地の労務者25万人以上が動員された。

そして、415キロメートルのルートをわずか1年3カ月余りで完成するが、食料・薬品不足のなかでの長時間労働、伝染病の蔓延で、約1万3000人の捕虜と推定数万人の労務者を犠牲にした。

元捕虜は言う。「戦闘中なら立場は対等です。しかし、ひとたび降伏したならば、それ以上踏みつけられるべきではありません。捕虜になってから医療は絶たれました。(略)食料についても同じでした。(略)日本は我々を死ぬまで働かせようとしたからではありませんか。(略)なぜなら、捕虜が亡くなると名誉なことだと日本人に称えられたのですから。(略)とても信じがたいことです。絶対に、絶対に、許せません」。

しかし、旧日本軍将校の一人はこう本音を漏らす。「なんでわびることがあるんだと。なんで我々は悪いことをしたんだと。わびることはない」。

降伏した捕虜を非人間的に、残酷に扱う。そして、彼らにトラウマを残す。憎しみは憎しみを生み、次の戦争へとつながる。

憎しみの連鎖を断ち切るために、粉骨砕身した日本人の一人が元陸軍憲兵隊の通訳の永瀬隆さんだ。

「死の鉄道」の悲劇を目の当たりにした彼は、1964年以来、妻と二人三脚でタイへ135回におよぶ巡礼訪問をする。1976年にはクワイ河鉄橋で元捕虜と旧日本軍関係者の和解の再開を成功させ、元捕虜からは「握手できるただひとりの日本人」「レジェンド」と呼ばれる。

一方、1965年から自宅にタイ人留学生を受け入れたほか、1986年には学生に奨学金を送るクワイ河平和基金を設立した。終戦後、タイ政府が復員する12万人の日本将兵全員に飯ごう1杯の米と中蓋1杯の砂糖を支給してくれた恩に報いるためだ。

何が彼を駆り立てたのか。「戦争から帰った時には心身ともにボロボロ。そのボロボロになった自分を立て直すための1つの努力。それが人から見れば反戦運動になり、個人的な戦後処理となった」。

自らのトラウマを癒すための贖罪と和解はしかし、憎しみが消えることがないはずの元捕虜の心の傷をも癒す。映画『レイルウェイ 運命の旅路』の原作『The Railway Man』の筆者でイギリス人元捕虜のエリック・ロマックスさんと1993年2月、クワイ河鉄橋のたもとで再開。その後日本に訪れたロマックスさんは、長年、恨み続けていた永瀬さんをついに許す。

「もう我々は友だちだね」という永瀬さんに対し「友達以上だよ」とロマックスさん。「憎むことはいつかはやめなければならない」。

昨年から映画を本格的に観始めて、平和や安らぎのためには「憎しみ連鎖を断ち切れ」というテーマをしばしば目にしてきた。戦争はスポーツと違い、終了の笛がなったらノーサイドではない。適切な戦後処理が是非とも必要なのだ。

こちらのHP(http://blogos.com/article/77911/)によれば、戦後処理には(1)法的処理(2)謝罪(3)和解の3つの問題があるという。3つの歯車がうまく回ることが重要だが、二度と戦争を起こさないためにカギを握るのは和解だ。

<第二次大戦のビルマ戦線で将校をし、戦後日本との和解に尽力したフィリップ・メイリンズ氏(故人)は「第一次大戦で和解が行われず、第二次大戦が勃発した。和解こそが、かつて戦った双方にとって最終的な勝利である」という強い信念を持っていた>(先のHPから引用)。

日本は国として法的処理と謝罪はできるけど、和解は永瀬さんのようなボランティア頼みのようだ。永瀬さんは言う。「日本は負けたことをいいことにして何もしないんだ。だから本当に負けてるんだ」。

賠償金を出したり、首相が謝罪したりすることはもちろん重要だけど、心の傷は治らない。誠心誠意の行動を続けてようやく和解できるのだ。

上映後、監督の舞台挨拶があり次のようなエピソードが語られた。地元・岡山での先行上映を観たオーストラリアの婦人に映画を褒められ、監督が「海外でも上映したい」と話すと「まず日本でしょ」と。

映画のシーンにもあったけど、天皇陛下がイギリスを訪問した際、元捕虜の人は天皇陛下の車に背を向け、日の丸の旗を燃やした人もいたことは報道で知っていた。しかし、泰緬鉄道、永瀬隆さんのことは何も知らなかった。日本人なら、是非とも知っておくべきことだと思う。

ちなみに、日の丸を燃やした元捕虜の人は、その後、日本で永瀬さんと会い、日本が好きになった。

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