監督の故郷、山梨県甲府盆地の南・市川大門。その町並みをヘルメット姿の少年のような風変わりなおじさんがひょこたんと歩く。 彼は町の人々の手伝いをして、”ひいくん”と愛称され温かく受け入れられている。 いつも、当たり前のように町があり、人がいた。 しかし、いつしか町はシャッターが目立つようになった。 お気に入りの電気屋「水口屋テレビ」の店主・青柳正輝さんは病気で倒れ、店を閉めた。 写真好きの正輝さんが撮影した膨大な数の写真には、この町の活気ある姿が確かな形で写っていた。 華やかだった町の風景、盛り上がる祭り・・・。 今、町はゆるやかに静まってゆくが、我らが人気者のひいくんはこの町を今日も朗らかに歩き続ける。
2020年3月。山梨県で暮らしていた青柳監督は、コロナ禍で代行運転の仕事が遂になくなってしまう。ちょうど注目されてきた自転車配達員の仕事を知り、家族が止めるのも聞かずに新型コロナウイルス感…
>>続きを読む広島県呉市。この街で生まれ育った「私」(監督・信友直子)は、ドキュメンタリー制作に携わるテレビディレクター。18歳で大学進学のために上京して以来、40年近く東京暮らしを続けている。結婚もせ…
>>続きを読む美しく穏やかな内海。小さな海辺の町に漂う、孤独と優しさ。やがて失われてゆくかもしれない、豊かな土地の文化や共同体のかたち。そこで暮らす人々。静かに語られる彼らの言葉は、町そのもののモノロー…
>>続きを読む山田珠子は、息子・忠男と二人暮らし。毎朝決まった時間に起床して、朝食をとり、決まった時間に家を出る。庭にある梅の木の枝は伸び放題で、隣 の里村家からは苦情が届いていた。ある日、グループホー…
>>続きを読む想田の妻の実家・柏木家に住みついた野良猫グループと泥棒猫との確執。91歳の独居老人と、彼をボランティア同然で介護・支援する柏木夫妻。その夫妻自身にも迫る老い。そして、己の死を見つめる橋本の…
>>続きを読む宮川澪は、20歳。 両親を早くに亡くした彼女は、長野・野尻湖のほとりのこじんまりした民宿を祖母と2人で切り盛りし、淡々とした日常を送っていた。しかし祖母の入院を機に民宿を閉めざるを得なくな…
>>続きを読む日本海の沖合にぽっかりと浮かぶ山形県唯一の有人離島——飛島(とびしま)。酒田港から定期船で75分、島の面積は2.75km2。本土を望めば雄大な鳥海山、豊かな自然をたたえた島は、その全域が国…
>>続きを読む東京で働くひとり娘の「私」(監督・信友直子)は、広島県呉市に暮らす90代の両親を1作目完成後も撮り続けた。 2018年。父は家事全般を取り仕切れるまでになり日々奮闘しているが、母の認知症は…
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