
監督の故郷、山梨県甲府盆地の南・市川大門。その町並みをヘルメット姿の少年のような風変わりなおじさんがひょこたんと歩く。 彼は町の人々の手伝いをして、”ひいくん”と愛称され温かく受け入れられている。 いつも、当たり前のように町があり、人がいた。 しかし、いつしか町はシャッターが目立つようになった。 お気に入りの電気屋「水口屋テレビ」の店主・青柳正輝さんは病気で倒れ、店を閉めた。 写真好きの正輝さんが撮影した膨大な数の写真には、この町の活気ある姿が確かな形で写っていた。 華やかだった町の風景、盛り上がる祭り・・・。 今、町はゆるやかに静まってゆくが、我らが人気者のひいくんはこの町を今日も朗らかに歩き続ける。
美しく穏やかな内海。小さな海辺の町に漂う、孤独と優しさ。やがて失われてゆくかもしれ ない、豊かな土地の文化や共同体のかたち。そこで暮らす人々。静かに語られる彼らの言葉は、町そのもののモノロ…
>>続きを読む日本海の沖合にぽっかりと浮かぶ山形県唯一の有人離島——飛島(とびしま)。酒田港から定期船で75分、島の面積は2.75km2。本土を望めば雄大な鳥海山、豊かな自然をたたえた島は、その全域が国…
>>続きを読む宮川澪は、20歳。 両親を早くに亡くした彼女は、長野・野尻湖のほとりのこじんまりした民宿を祖母と2人で切り盛りし、淡々とした日常を送っていた。しかし祖母の入院を機に民宿を閉めざるを得なくな…
>>続きを読む2005年秋。切手コイン商を営む山内和彦は、ひょんなことから自民党に白羽の矢を立てられ市議会議員補欠選挙に出馬することに、選挙区は縁もゆかりもない川崎市宮前区。地元議員や秘書たちによる激烈…
>>続きを読む福祉車両の運転手・柏木寿夫は自宅の庭で野良猫に餌をやっているが、最近は泥棒猫の存在に頭を悩ませている。一方、NPOを運営する妻・廣子は、国の予算削減と夫のネコの餌付けが悩みの種。廣子は毎週…
>>続きを読む2009年元旦、吉祥寺の武蔵野八幡宮。混み合う初詣客の中で、ミュージシャン・前野健太がおもむろにギターを掻き鳴らし歌い始める。彼はそのまま歌いながら吉祥寺の街を練り歩き、やがてバンドメンバ…
>>続きを読む善哉屋を営む忠太郎はすぐ女に惚れてしまう道楽者で、しっかり者の妻・利子はそんな夫に手を焼いていた。ある日、飲み屋の仲居・綾子から相談を受けた忠太郎は、彼女に惹かれていく。綾子の通う料理学校…
>>続きを読む作詞家であり、絵本作家としても活躍されている 新沢としひこさんと優しく暖かい世界観を表現する絵本作家 水野ぷりんさんによる絵本です。