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『ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン』に投稿された感想・評価

3.5
 少年はターミナルの出入り口に赤色の風船を見つける。風船は風に揺れ、ゆらゆらと漂いながらしばらくそこに留まっているが、少年が手を伸ばした瞬間空へと解き放たれる。赤い風船はその後もこちらをあざ笑うように少年に着いて来る。リー・ピンビンのカメラはいったいどうやって撮っているのかと思うくらいあらゆる角度から風船を取る。特にホームを漂いながら列車すれすれに避けるように揺れる風船の動きが秀逸だ。7歳の少年シモン(シモン・イテアニュ)は忙しい母親スザンヌ(ジュリエット・ビノシュ)になかなか遊んでもらえない。兄弟がおらず、シングル・マザーの母親は人形劇の上演で忙しく、少年に構うことが出来ない。そんな息子の気持ちを知ってか知らずかある日、母親は中国人留学生ソン(ソン・ファン)をベビー・シッターとして我が家に呼ぶ。彼女は大学で映画を勉強した才女で、夢であった芸術の街フランス・パリにやって来た。スザンヌの家は古き良きアパルトマンで、最上階に部屋があった。エレベーターもなく、階段で入る部屋は女性や子供にはしんどいが、ここで母子2人で賑やかに暮らしていた。人懐こいシモンは最初からソンによく懐いていた。

 アルベール・ラモリス監督の「赤い風船」にオマージュを捧げた今作は、大人の視点から「少年と風船」の関係が描かれている。風船は手の届きそうなところにありながら少年の手をするりと抜けるが、遥か遠くには飛んでいかず、少し離れた所から少年の姿をじっと見つめているように見える。母親のスザンヌは子供よりもまず自分自身を優先するような女優で、常に忙しなく動き回り息子をゆっくり見守る余裕がない。スザンヌとソンは同じ芸術家気質の人間でありながら、生活のテンポは実に対照的だ。ソンはシモンの当たり前の日常から少しずつ言葉を聞き出そうとする。健気なシモンは決して母親への文句など口にしないが、母親は既に離婚していること、父親違いの姉がいることをそっとベビー・シッターであるソンに打ち明ける。スザンヌ母子の家もまた、多くの人物たちが忙しなく行き来する。階下の芸術家は家賃をちっとも払おうとしないし、その結果彼から没収した不協和音だらけのピアノは聾唖の調律師によって美しい音を奏でる。かと思えばブリュッセルに住む娘はこの忙しない家に帰ろうとしない。様々な事件が起こり、3歩進んで2歩下がるようなフランス人家庭の日常を、赤い風船は物言わずに見つめている。少年がファインダー越しに凝視した世界や仰ぎ見た赤い風船は、少年の確かな目線を伝える。彼の成長が実に楽しみで仕方ない。
ホウ・シャオセン監督が1956年製作のアルベール・ラモリス監督の短編「赤い風船」にオマージュを捧げたフランス映画。

オリジナルがまるで風船が人間の感情を持つかのごとく描かれた傑作であるが、本作もしっかりリスペクトを感じる秀作。

台湾のホウ・シャオセン監督とフランス映画の掛け合わせ・・確かに良いかも。

ドラマ性よりも淡々と少年を取り囲む母親であったりベビーシッターであったり、様々な人物の日常会話で成立させた脚本がいい。

作品の要所要所で登場する“赤い風船”もしっかりモチーフとなっている。

パリの下町の風景が画になる。

ジュリエット・ビノシュも、若かりし頃のヒロイン的役どころより、生活感溢れる母親像といった今回のキャラクターのほうが個人的には好み。

但し、前回見た「ミレミアム・マンボ」同様、長回し中に左右にカメラを振るパン撮影の多用が若干気になった。
gaku
4.2
珈琲飲みながら独りでぼーっと見れる。母と子、ベビーシッターの何気ない生活が淡々と約2時間流れる。その中に風景の美しさだったり、親しみある生活感だったり。全てが自然体。
金髪ビノシュママは勿論、息子のシモン君とシッターの中国人ソンがめちゃくちゃ良かった。シモン君の愛らしさと無邪気さ。ソンの温厚かつ穏やかさ。この2人の存在がママの仕事や隣人トラブルによる苛立ちを緩和していく。その様が見ていて気持ちいい。印象的だったのは外の風景がガラスに反射して映り込むカットと聞こえて来る日常の音の楽しさ。特にシモン君がPS2で遊ぶシーン。画面は映らないがゲーム音が1分程聞こえる、明らかにドラゴンボール 。そんな発見すらも楽しめた。

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