ホウ・シャオシェンの レッド・バルーンの作品情報・感想・評価

「ホウ・シャオシェンの レッド・バルーン」に投稿された感想・評価

ヒルコ

ヒルコの感想・評価

2.9
フランス映画らしくゆったりとした侘び寂びがあって、とっても美しい映画だと思います。なんせ、主人公の少年が半端無く可愛いんだわ!カメラは基本的にひとの目の高さで長回しなので、時々グッと眠くなってしまう自分の不甲斐なさよ。特に何も起こらず、湧いて出る不幸も幸福も無い分、日常という映画にするには向いてないはずのエッセンスが何故かまた心に染みるのでした。
sonozy

sonozyの感想・評価

4.0
2007年、台湾の名匠ホウ・シャオシェンがパリで撮影した『赤い風船(1956)』へのオマージュ作品。
フランス・オルセー美術館の開館20周年事業として発足した映画製作プロジェクトの第一弾作品。

7歳の少年シモンは駅前で赤い風船を見つけるが、手が届かず、諦めてメトロに乗り込む。
すると、風船は彼を追いかけてきた。

忙しいシモンの母スザンヌ(ジュリエット・ビノシュ)は、中国からの留学生ソンを新たなベビーシッターとする。
映画を学ぶソンは、シモンに映画『赤い風船』の話をしながら帰宅途中、壁に描かれた赤い風船を発見しビデオカメラで撮る。

人形劇団の声優をしているスザンヌは公演準備で忙しい日々を送るシングルマザーで、アパルトマンでシモンと二人暮らしている。
かつて母が住んでいた階下の部屋は知人の脚本家マルクに貸していて、ピアノを置いてあるのでシモンのピアノ講師が来るとそちらでレッスン。

ただ、マルクはスザンナの部屋の台所を使って汚したままにしたり、家賃をここ1年滞納だったりでスザンヌはイライラが募るばかり。
穏やかな性格のソンがその癒やし役になっていく。

ブリュッセルで暮している娘(シモンの異父姉)がパリの大学に通うため戻ってくる予定もある中、マルクを追い出そうと動き出すスザンヌ。
その事でマルクと大モメ状況の中、階下から移動してきたピアノを、盲目の調律師が黙々と調律する。
調律されていく音色と共に、荒れたスザンナの気持ちも穏やかになっていくかのよう。

学校の授業で、オルセー美術館の絵画鑑賞に行ったシモンは、子供が赤い風船を追う絵について説明を受ける。
再び天窓から赤い風船がゆっくりと空に浮かぶのを見上げるシモン。。

『赤い風船(1956)』では、主人公の少年と赤い風船が心を通わせましたが、この作品では、赤い風船は、時おり窓の外にゆっくりと現れ、登場人物たちの生活や心情をを優しく見守っているような存在として描かれています。
これぞ、ホウ・シャオシェン監督ならではのオマージュという感じでした。

エンディングに流れる曲も良かった。
"Tchin Tchin"(Camille)https://youtu.be/MPKhJFZN88Y
NOOO000ooo

NOOO000oooの感想・評価

4.0
ホウ・シャオシェン × ジュリエット・ビノシュの「赤い風船」のオマージュ。
見始めてからオマージュ作だと知り、赤い風船未見な自分はやっちまったと思いつつも見進めたのだがすんごく良かった。当然ながら言葉を喋らない風船の解釈はラストシークエンスの先生と子供達のディベートのように見る側に委ねられるわけだけど、僕には「赤い風船」のその後の物語に見え、、、いや、見てないのにその後も何もないなこりゃ。
フランスの美しい青い空に喋らない赤い風船がフラフラ舞う様子だけでも見る価値十分だけど、喋らない風船の雄弁とも言える存在感が瞼に焼き付いてなんとも切なくも甘酸っぱい余韻が残るのだ。
ホウ・シャオシェンは好きな監督であるし、ジュリエット・ビノシュも好きな女優であり、1957年の『赤い風船』も観ており、期待して観たのだが、ややイメージと違った。期待し過ぎただろうか?

オリジナル映画でも、この映画でも感じたのは、「どうやって、あの赤い風船の動きを撮っているのだろうか?」ということ。
特に、こちらの映画では、メトロのホームあたりをうろうろするのを上手く撮ったな、という気がした。

この映画で、シングルマザー(ジュリエット・ビノシュ)には一人息子が居るが、その息子の世話役に中国人女性を雇う。彼らが織りなす物語の合間に、時々、赤い風船が存在感を見せる「チラ見せ手法」がとられている。
オリジナル版は尺も短く濃密な「少年と風船の関係」があったが、尺の長さでそれが薄まってしまったのではなかろうか?
notitle

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3.9
シャオシェンが切り取るフランスの日常。クルーが透明か、演者が凄いか分からぬが、カメラない感や自然な疲弊感が凄い。影や反射を多用。窓に映る反射物からのパンに笑う。決して嫌味でないお洒落さ。そして、孤独に寄り添う優しさが素敵。ずっと観れる。
好きな映画、赤い風船のオマージュ
今回は風船より、ジュリエットビノシュと子どもと周りの人がメイン
ビノシュの疲れ果てたシングルマザーの演技が良かった。配役ぴったり
ピアノのBGMが良かった
今回は少なめだったけど赤い風船が空を飛んでるシーンはやっぱり不思議な魅力があって好き
まあ、ラモリス監督の赤い風船の方がいいからそっち何回も見たい笑
なんかいいですね。こうゆうジュリエット・ビノシュも。映画に派手さは無いけれど、ジュリエット・ビノシュの「決して完璧な母親では無いけれど、子供をいつも思ってくれる母親」は、映画を引き立ててくれるし、何よりも、親子の上を見守るようにようにふわりと浮いている風船は、まさにこの映画で語られている、親子間の「内なる愛情」なのではないでしょうか。
不謹慎な抒情も感傷も必要ありません。なぜならそれが候考賢のオマージュなのだから 「ホウ・シャオシェンのレッドバルーン」

影にも日向にも赤い風船は舞います。
ラモリスの風船をもう一度飛ばした勇気にただ言葉を奪われるのみです。

そして真の意味のオマージュとはこういう事。
周防正行が「晩春」へのオマージュを「変態家族 兄貴の嫁さん」に込めたのを発見した時以来の喜びでした。
なすび

なすびの感想・評価

5.0
今日は朝から憂鬱で、雨のせいで外にも出たくないし、映画も本も手につかなくて哀しい気分になっていたところにTSUTAYAdiscusから思いがけずこれが届いた。
今の気分にぴったりな気がして見てみると本当にぴったりであっという間に時間が過ぎた。しっとり。

シングルマザー演じさせたらジュリエットビノシュの右に出るものはいない、と思うんですよ。強さの裏に見え隠れする脆さ、孤独や不安と闘いながら子どもを守り愛する母親の強さ、おどける時の可愛らしい笑顔と急に表情がくもり不満を散らし喚き立てる、そしてふと見せる哀しい表情……その全てが自然にできてしまうのがビノシュで、全てが彼女の魅力と映る。こんな女優に、こんな女性になりたい……

シモンくんかわいかったね!あんな弟欲しいね!
cinefils

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3.9
フランスで撮っているので、当然、家屋の構造などが台湾とは異なっている。部屋が閉じられていて、台湾での作品のもつ、屋内と屋外がつながって一つの空間を形づくるというニュアンスは薄い。

前作の「百年恋歌」で自己のキャリアの総決算をやったあと、新たな道にチャレンジしたかったのだろうか。
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