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ドイツ・青ざめた母
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『ドイツ・青ざめた母』に投稿された感想・評価

櫻

櫻の感想・評価

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結婚してすぐに愛する人を兵隊にとられ、たったひとりでヒール靴を履き、瓦礫の中を、果てのない雪道を、空襲の中産んだ我が子をおぶって歩く彼女。私はこの子と生きていかなきゃいけない。あなたとこの子と暮らしていける未来を信じている。その慎ましやかな思いが、叶う日が来るのか。彼女は、死体の転がる荒れ果てた地を通り、廃墟で休息をとる。子どもの見ている前で輪姦されても気丈に振る舞う彼女の姿は、頼もしく、また虚しくうつる。戦争という常時気をはりつめていることを強要される環境が、あらゆる感情を麻痺させたのだろう。

戦場であるポーランドに行かされた夫は、戦地でも妻のことを想っていた。娼婦はもちろん買わなかったし、妻に似た女性に目を奪われてしまうほど。戦って勝利に貢献すること、それが戦地に送られた男たちの一時的な使命。ただ目の前のことをすることが精一杯で、いかに残虐な行為をしたのかを突きつけられるのは、戦いの火が消えた後。戦地は彼の精神を追いつめ、優しさやあたたかさを奪っていくのだ。

戦争は、終戦すれば終わりではない。戦いに参加した男たちはもちろん、夫の帰りを待ちながら家族を守り、突然の暴力に耐えなければならなかった彼女のような女性たち、戦地で身体を売らざるを得なかった女性たち、それから子どもたちなど多くの人々に大きくて深い傷を残した。最後にうつる、あの彼女の顔と彼女の腕の中で泣きじゃくる子の辛辣さに心が震わされる。戦争が奪うもの、その代償は大きすぎるし、あまりにも無残だ。
(2018年7月13日 曇り 一部加筆)
崇敬するIホール初代総支配人様 35

当時、戦地へ赴いた夫の帰りを待つ妻側の目線にたって描かれた戦争映画など観たことがなかったので衝撃的でした。
女性監督にしか描けなかったであろう秀作だったと記憶しています。
兵隊である夫が求めた妻と幼子を守りながら純粋に愛する人の帰りを待ち続けていた妻との食い違いに苦しみ続けた戦時下のドイツ人女性。
最後は自殺を考えるまで精神が崩壊してしまう。
戦時下の日本人妻にも置き換えられる重いテーマです。
娘が見ている前で連合軍の兵士たちに強姦された後、顔色一つ変えずに娘に言った一言が今でも忘れられない…

「戦勝国にとっては女も戦利品なのよ」

再鑑賞したい作品の1つ。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

3.2
【罪悪感を抱きながら生きる】
TSUTAYA渋谷店からVHSがなくなってしまうようなので、VHS時代の映画を観てみた。『ドイツ・青ざめた母』は1981年のカイエ・デュ・シネマベストテンに選出された作品である。戦争を生き延びるとはどういうことかを痛いほど突きつけていく話であった。

「母はナチスに反対していたが何もできなかった。」

このことに対する思索を巡らせながら主人公ヘレネは第二次世界大戦を生きようとする。戦争によって彼女はハンスと引き裂かれ、空襲の中で出産する。この場面は強烈であり生命の誕生である出産の運動と産み落とすように爆撃されていく破壊の運動が重ねあわされる。彼女は子ども共にボロボロになった街中を彷徨うなかで生きていることの罪悪感と生きなければいけない想いの中で引き裂かれそうになる。全体的に内なる葛藤を描いており、映画というよりかは小説で扱った方が良さそうに思えたのだが、それでも晴天の中丘の上で処刑される描写のショッキングさや、廃墟と荒廃した心を重ね合わせた時の強烈な主張には惹き込まれるものがあった。

『この世界の片隅に』ではなかなか見えてこなかった、生きてしまった者の葛藤が見え隠れする作品と言えよう。

※ずんだもん動画作りました
【ずんだもん解説】TSUYAYA渋谷店からVHSが消滅!?なくなる前に観ておくべき映画10選【VOICEVOX解説】▼
https://www.youtube.com/watch?v=0xdOJtCHETs&t=7s

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